2015年2月19日(木)
バンダイナムコゲームスから発売中の3DS用RPG『ロストヒーローズ2』。本作の特徴や魅力、前作からの変更点をライター・る~ぱがお伝えします。
本作『ロストヒーローズ2』は『ウルトラマン』『仮面ライダー』『ガンダム』シリーズのヒーローたちが共演する本格ダンジョンRPG。前作はやりごたえのある難易度、コラボ感まんさいのシナリオなどが、幅広い層に好評でした。
今回の記事では前作『ロストヒーローズ』をプレイしていない人、前作はプレイしたが本作を遊んでいない人に向けて、ダンジョンRPGの魅力を紹介しつつ、キャラクター混載ゲームとしての見どころ、前作からの変更点などを紹介していきます。
ダンジョンRPGの多くは、冒険の場となるダンジョンをくり返し探索するスタイルのものが多いです。通常のRPGとは異なり、フィールドや町といったエリアや移動の要素はほとんど存在しなません。そのため、ストーリー性はやや控えめですが、攻略に注力できるのが魅力の1つとなっています。
ただし、本作はさまざまなシリーズキャラが登場する作品でもあるため、シナリオ面も注力されています。後ほど紹介しますが、シナリオを読む楽しみもしっかりあります。
▲開発はランカースが手掛けています。同ジャンルで人気を博している『世界樹の迷宮』にもかかわっていた同社とあって、完成度は非常に高いです。 |
攻略に重きを置いたジャンルということもあり、難易度が高いのもダンジョンRPGの特徴。いきなり出現する強力なボスや、初見では回避できないようなトラップなど、未開の地の冒険にはつねにゲームオーバーの危険が付きまとっています。本作もその例にもれず、いわゆる“キャラゲー”とは思えないほど難易度が高いのです。特にボス戦はバトル自体の難しさだけでなく、予期せぬ場所でボス戦が発生することもあり、準備が足りないと“詰んで”しまうことも。そのため、つねに回復アイテムを用意しておく、目的地に行く前に体力を回復してセーブしておく、など攻略には慎重なプレイが求められます。
▲全滅してもリトライは何度でも可能。ただし、戦闘直前からのリトライとなるため、準備不足の状態で勝つのは難しい。 |
一方でその難易度によって、キャラクターの成長要素やバトルの戦略性が重要な要素となっています。また、プレイヤーにダンジョンを一歩一歩進んでいく緊張感を与えてくれるのです。ゲームに慣れてくるころには、この難易度から生まれるスリル感がやみつきになり、成否にかかわらず何度もダンジョン探索に挑んでいると思います。
▲ボス戦の難易度に目が行きがちですが、ザコ戦でも油断は禁物。オートで攻撃しているとあっさり全滅してしまうことも。 |
多くのダンジョンRPGでは共通の目的として“マップの作成”があります。この手のジャンルのマップは、文字通り一歩一歩進みながら埋めていくことになるのですが、本作では必ずしも100%完成させる必要はありません。しかし、マップ作成中にアイテムを見つけたり、サブクエストを効率的にこなせたりと、メリットも多数あります。なにより“マップを完成させる”という達成感を得られるので、ダンジョン探索に励むプレイヤーも多いのではないでしょうか?
▲マップ画面では達成状況の他、出現するエネミーも確認できる。マップコンプリート目指してダンジョンを探索しよう。 |
また、本作ではエネミーを倒すと一定確率で“チップ”が手に入ることがあります。このチップを手に入れるとエネミー図鑑がアンロックされるうえに、複数のチップを組み合わせることでフォース(魔法のようなもの)が使用可能に。フォースは攻略において重要な要素となっており、特にボス戦では特定のフォースの有無が勝敗を左右することもあります。
このようにやり込み要素とゲーム攻略がうまくかみ合っているのが本作の特徴と言えます。「とりあえずチップを集めよう」「フォースを取得してからボス戦に挑もう」「ボスのチップと組み合わせられるチップは……」など、考えたり試せたりすることが多く、気が付くと何時間もプレイしているのです。
▲データベースでは、エネミーのデータだけではなく、敵味方を含めた原作の情報も確認できる。 |
▲チップコンプリートで新フォースを取得。基本的に前作を踏襲したものが多いが、前作から重要度が変わったフォースも多く、何よりその数も膨大に! |
『ロストヒーローズ』シリーズならではの、作品の枠を超えたクロスオーバーはもちろん健在。仲間になったメンバーと“友情のシルシ”をかわす仮面ライダーフォーゼや、ウルトラマンレオとウルトラマンゼロの師弟関係を見て自分の師匠を思い出すゴッドガンダムなど、原作を知っていると思わずニヤリとしてしまうかけあいが満載です。
また、メインストーリーでは原作再現したシーンも。困惑しながらも戦うことを決意するユニコーンガンダムや、クライシス帝国によって宇宙空間に放り出される仮面ライダーBLACKなど、原作ファンを唸らせるアツいイベントシーンは必見!
▲同じ学生同士、意気投合する2人のヒーロー。このようなかけあいも見どころの1つ。 |
▲本作では敵組織が三つ巴の様相を見せている。ヒーローだけではなく、敵側のかけあいもおもしろいです。 |
ここからは、前作からの変更点を紹介。どれも重要となっているので、前作未プレイの人も要チェックです。
本作では前作と違い、強力な必殺技である“ヒーロースキル”やスキルを1段階強化する“ドライブ”の使用に必要なヒーローゲージが戦闘後に持ち越せなくなっています。このため、前作のようにボス戦の前にヒーローゲージをためておき、戦闘開始直後に一気に攻める、といった戦法がとれなくなっているのです。このヒーローゲージのストック不可を補う要素として追加されたのが“ヒーローラッシュ”です。
▲各キャラクターに設定されたヒーローゲージ。攻撃を当てたり、受けたりすると上昇し、初期段階では3つまでストックできる。 |
▲ヒーローゲージ3つを消費して発動できるヒーロースキル。 |
▲ドライブはヒーローゲージ1つで発動可能だ。 |
画面左上のラッシュゲージをためて発動するのが“ヒーローラッシュ”。ヒーローラッシュが発動すると味方の能力が上昇するだけでなく、ヒーロースキルをヒーローゲージ1つで使用可能になります。戦闘中にヒーローゲージを3つ以上ためるのは難しいので、ヒーローラッシュ→ヒーロースキルと使っていくのが基本となるかと。
▲ラッシュゲージはターン経過で増加。最大3レベルまでチャージされ、レベル分だけラッシュターンが維持される。ボスの攻撃を耐えつつレベル3までためるのは大変だが、その分レベル3のラッシュは破壊力抜群! |
戦闘で役立つヒーローラッシュですが、終了後にはエネミーが強化される“エネミーラッシュ”が発動するので注意が必要。ヒーロースキルの連発でエネミーを倒し切れる場合は問題ありませんが、そうでない場合は味方の防御力や回避力を上げたり、エネミーの攻撃力を下げたりすることも重要になります。
▲エネミーラッシュ発動時の攻撃は強烈。状況によっては1ターンで全滅してしまうこともあるので注意しよう。ヒーローラッシュ終了後に各キャラクターの“ブレイブスキル”が発動することがあるが、誰のスキルが発動するかはわからないので過信は禁物。 |
前作のようなゴリ押し戦法が難しくなっており、特にボス戦はキチンとした戦略が必要となっています。ヒーロースキルで倒し切れずに反撃のエネミーラッシュで全滅したり、ラッシュゲージをためている間に味方が倒されてヒーローゲージを失ったりするなどなど、本作の戦闘は一筋縄でいかないことも多いのです。
本作はもともと高かった難易度が前作から上がっているのですが、ある程度攻撃を受けてから必殺技でトドメを刺すという流れはヒーロー物のお約束とも言えます。ピンチになってから繰り出す必殺技や土壇場からの逆転劇は、前作とは違った爽快感と達成感を演出しています。
前作は攻撃属性が物理、射撃、斬撃の3つあり、ヒーローが使用する攻撃スキルはどれかの属性が設定されていました。その中でも、斬撃属性はステータス補正の関係からダメージを伸ばしにくく、斬撃属性のスキルを主体とするキャラクターはやや使いにくかったという印象です。
本作の攻撃スキルは、攻撃属性は物理とENの2つに変更され、さらに攻撃タイプとして打撃、射撃、斬撃の3タイプが設定されています。また、各キャラクターには物理攻撃力とEN攻撃力が設定され、2つの能力値によって対応する攻撃属性の威力が増減します。
これらの変更により、前作で斬撃属性を主体としていた仮面ライダーBLACK RXやウルトラマンメビウスなどのキャラクターたちの使い勝手がアップ! より自分好みのパーティでプレイしやすくなっていると感じました。
▲ゴッドガンダムのマシンキャノンは“物理属性の射撃タイプ”。物理攻撃力を上げると威力がアップし、射撃が弱点のエネミーに有効だ。 |
▲ゴッドスラッシュ・タイフーンは“EN攻撃の斬撃タイプ”で、威力を上げるにはEN攻撃力を伸ばす必要がある。 |
難易度の高さに目がいきがちな本作ですが、裏を返すとダンジョンRPGとしての完成度が高いと言えます。しっかり探索して準備・対策を練れば進める難易度は絶妙です。また、前作に登場していたライドダンジョンをばっさり削ったり、斬撃属性を修正したり、ユーザーの意見を反映して、手を加えているのは正直うれしいです。
もちろんキャラゲーとしても押さえるべきところはキチンと押さえられており、各作品のファンも納得のデキとなっています。シナリオは、シリーズの垣根を超えた物語が展開し、相変わらずワクワクします。さらにそれぞれのタイトルらしさやお約束もしっかり入っているので、サブクエストもどんどんプレイしたくなります。
ダンジョンRPGと聞くと少し敷居が高く感じますが、基本的な部分は普通のRPGとほとんど変わりません。ダンジョンRPGやキャラクターものが好きな人はもちろん、ダンジョンRPG未経験の人にもプレイしてもらいたい作品です。
(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 (C)石森プロ・東映 (C)創通・サンライズ (C)円谷プロ
データ