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2017年6月19日(月)

『ディシディアFF NT』は最初から全キャラ使用可能。アップデートはAC版先行

文:電撃オンライン

 スクウェア・エニックスより、2018年初頭発売予定のPS4用ソフト『DISSIDIA FINAL FANTASY NT(ディシディア ファイナルファンタジー エヌティー)』に関するインタビューをお届けします。

『DISSIDIA FINAL FANTASY NT(ディシディア ファイナルファンタジー エヌティー)』
『DISSIDIA FINAL FANTASY NT(ディシディア ファイナルファンタジー エヌティー)』

 本作は、歴代『FF』シリーズのキャラクターが登場するアーケード版『DISSIDIA FINAL FANTASY』の世界観、ゲームシステムをベースに、家庭用オリジナルの要素が追加された3VS3のパーティアクションバトルゲームです。

『DISSIDIA FINAL FANTASY NT(ディシディア ファイナルファンタジー エヌティー)』
『DISSIDIA FINAL FANTASY NT(ディシディア ファイナルファンタジー エヌティー)』
▲パーティの仲間を支援する“EXスキル”や呼び出して共闘することができる“召喚獣”など、RPGのバトルがパーティアクションバトルに昇華されています。

 インタビューのお相手は、本シリーズの制作指揮を執る間一朗プロデューサー(ハザマP)と鯨岡武生ディレクター。PS4での操作性やゲームシステム、アップデートの方針などさまざまな質問に答えてもらいました。

→『ディシディアFF NT』E3 2017現地インタビューはこちら

『DISSIDIA FINAL FANTASY NT(ディシディア ファイナルファンタジー エヌティー)』
▲鯨岡武生ディレクター(写真左)と間一朗プロデューサー(写真右)。

対戦を中心に遊びが展開する『ディシディアFF NT』

――アーケード版の稼働から約1年半が経過し、ついに発表されたPS4版ですが、制作はいつごろから?

鯨岡武生さん(以下、鯨岡):本格的にスタートしたのは、昨年の初めごろでしょうか。マッチングシステムをPSN(プレイステーションネットワーク)用に移行する作業を始め、昨年6月ごろにはPS4だけで対戦ができるようになっていました。現在は全体図を固めているところで、まだ公開できるものは少ないのですが、どこかのタイミングでどっさり情報を出せると思います。ゲームのコアとなる部分については、アーケード版と同様にバトルとなります。

間一朗さん(以下、ハザマ):あとは、PS4版ならではの要素をどこまで詰められるかですね。ゲームセンターに足を運ぶことがハードルになっているユーザーさんもいるわけでして、そういう方々が自宅で腰を据えて楽しめるよう、手を尽くしています。

――タイトルロゴがアーケード版から一新されましたね。

鯨岡:はい。“DISSIDIA”の部分のデザインも変わりましたし、スピリタスとマーテリアを天野喜孝先生に描き下ろしてもらいました。PSP版ユーザーにはなじみ深い、カオスとコスモスをなぞらえるような構図になっています。そして、一番大きな変更点は“NT”という文字の追加ですね。

――この“NT”を追加した理由と、文字に込められた意味とは?

鯨岡:もともと、アーケード版とPS4版で区別をつけるための記号が欲しかったんです。わかりやすく言えば、『ディシディアFF “for PS4”』みたいな。その記号を考えるなかで、さまざまな意味を含んだ言葉の略称として“NT”をロゴに入れ込むことになりました。

ハザマ:詳細をお話しすると“NT”は本作のクリエイティブプロデューサーであり、キャラクターデザインを担当する野村が付けたサブタイトルの頭文字をとったものとなります。弊社ローカライズに相談をしたところそのサブタイトルは新しい物語、新しい挑戦、新しい試練といったいろいろな意味を連想できると言われ、野村と再度話をして『ディシディアFF』のさらなる展開を指し示す、記号としての意味を込めたものとしました。

――発売は2018年初頭とのことですが、これは全世界同時ですか?

鯨岡:完全同日ということではありませんが、世界で一斉に遊んでいただけるように発売する予定です。

――ユーザーのなかにはPS4版を待ち望んでいた人も多いと思うので、今回の発表は大きかったと思います。

ハザマ:かねてから「少なくとも稼働から1年はアーケードに注力する。PS4版はそれから」という主旨の発言をしていましたので、ユーザーさんからしたらPS4版はいつ発表されるのか気になっていたかと思います。アーケード版もPS4版も、プロデューサーは自分で、ディレクターは鯨岡という完全両立状態なので大忙しです。

鯨岡:PS4版を出すことはある意味最初から決まっていたようなものですが、まずはアーケード版に集中することが大事でした。昨年の1周年記念イベントの時、このゲームのユーザーの熱量をあらためて受け、そろそろPS4版に手を出すころなのかなと感じたのを覚えています。

――もともとアーケード版はPS4をベースに制作されていることもあって、家庭用への移行はわりとスムーズな感じなのでしょうか?

鯨岡:全体的にはスムーズですね。ただ、先ほども言ったように、通信形態が異なる関係でマッチングシステムなどをいろいろ変える必要がありました。

――操作に関してはPS4のコントローラで違和感なくできそうですね。

鯨岡:ご存じの通り、アーケード版のコントローラがあの形ですから(笑)。シンボルチャットだけはどうしてもアレンジが必要で、今まさに頭を悩ませているところです。現在制作中のバージョンでは、十字キーでチャットメニューを開いてから○×△□ボタンでチャットを行えるんですが、これだとアーケード版に比べてチャット数が少なくなってしまうので、こちらは増やせるように。敵をタッチして「○○を狙う」という指定チャットについてもチャットのカスタム枠を潰さなくて済むようにアップグレードしていきます。

『DISSIDIA FINAL FANTASY NT(ディシディア ファイナルファンタジー エヌティー)』
▲現在の開発バージョンでは、画面右下に方向キー+吹き出しのアイコンが表示されています。今後どのようにアップグレードされるのかが気になるところ。

――ボイスチャット機能については?

鯨岡:もちろん対応しています。ボイスチャットを使えば、ゲームセンターのように隣同士でプレイしているような感覚で遊べますね。

――PS4版というと、ストーリーモードといったオリジナル要素の追加も気になりますが?

鯨岡:『ディシディアFF NT』には、ストーリーモードはありません。そこがPSP版と一番違う点ですね。PSP版の時はストーリーを追っていくRPG的な作りでしたが、『ディシディアFF NT』はあくまで対戦が中心になります。その対戦を繰り返していくなかで、ストーリーが紐解かれていく仕掛けになっています。あとはPS4版ならではの遊び方として、普通の対戦とは違う要素を入れる予定です。

ハザマ:いつもと違うルールで対戦できるモードがあるんですが、ものすごく楽しいんですよ。普段は使わないようなEXスキルが、そのモードだとめちゃくちゃ重要になるんです。

鯨岡:あるルールだと“挑発”が重要だとか。詳細はもう少しお待ちいただければと思います。

『DISSIDIA FINAL FANTASY NT(ディシディア ファイナルファンタジー エヌティー)』
▲EXスキル“挑発”が重要なルールでは、同系統の固有EXスキル“ホーリーチェーン”を持つウォーリア オブ ライトが活躍しそう。

――アーケード版だと“神々の闘争”や『シアトリズムFF オールスターカーニバル』との連動などがありますが、こうしたイベント的なものはPS4版にもあるのでしょうか?

鯨岡:アーケード版と同じイベントをやるわけではありませんが、PSNのネットワークを使用したゲームを盛り上げるためのイベントは何かしらやりたいなと思っています。

アップデートはアーケード版が先行!

――アーケード版とPS4版の運営はどういう流れになるのでしょうか?

鯨岡:まずアーケード版については、現状の流れのままで運営を続けていきます。キャラの追加や調整のペースも今までと同じで、PS4版が発売されたからといってアーケード版の動きがなくなることはないので安心してください。

――アップデートはアーケード版が先行していくということでしょうか?

鯨岡:そうですね。最新の対戦環境のリリースは、アーケード版が先行していきます。PS4版のアップデートについてはその後一定期間を置いてからとなりますね。したがって、PS4版に参戦しているキャラがアーケード版にいないということはありませんし、その逆ももちろんありません。そして6月7日(水)の公式放送でも伝えましたが、アーケード版では8月から怒涛の4カ月連続のキャラ追加を予定しています。

ハザマ:夏の大会中は対戦環境をロックする必要があり、キャラ追加のペースがいつもと変わってしまいましたが、その分8月からは毎月新キャラを出していきますのでご期待ください。

『DISSIDIA FINAL FANTASY NT(ディシディア ファイナルファンタジー エヌティー)』
『DISSIDIA FINAL FANTASY NT(ディシディア ファイナルファンタジー エヌティー)』
『DISSIDIA FINAL FANTASY NT(ディシディア ファイナルファンタジー エヌティー)』 『DISSIDIA FINAL FANTASY NT(ディシディア ファイナルファンタジー エヌティー)』
▲アーケード版の現在の参戦数は23キャラなので、4人増えると約1.2倍に!

――アーケード版で行ったアップデートをPS4版に適用する際、そこでまた調整が入る可能性はありますか?

鯨岡:基本的にはアーケード版と同じものをPS4版にも適用することになる予定です。

――アーケード版のキャラ追加は“神々の闘争”のイベントを経て行われていますが、PS4版ではどうなりますか?

鯨岡:PS4版では“神々の闘争”はありません。発売日の時点でアーケード版に存在するキャラクターについては、PS4版では最初から遊ぶことができます。

――その他PS4版で予定している要素はありますか?

鯨岡:アーケード版との連動は考えています。ただ、あくまでアーケード版からPS4版への一方通行です。PS4版をプレイすることでアーケード版にアドバンテージがあるというのは、今のところ考えていません。連動要素にしても、BGMといったゲーム性に影響しないもの、アーケード版のプレイヤーとPS4版から始めるプレイヤーのマッチングに関して何かしらの形で調整できるようなものを検討しています。

――アーケード版についてもお聞かせください。最新のアップデートで『FFIII』の浮遊大陸が新ステージとして追加されましたね。

鯨岡:PSP版にあった闇の世界からガラッとロケーションを変えました。ステージの広さはコーネリアに近い感じで、場所によってはかなりの高低差があります。ステージ変化が起きると景色が一変して、見晴らしがとてもよくなります。

――公式全国オンライン大会のメインビジュアルが公開されましたが、まさか『FFII』の2人になるとは思いませんでした。

鯨岡:2回目の公式全国大会なので『FFII』の2人にしました。次回大会が開かれるとしたら、『FFIII』の2人になるんですかね(笑)。

――それまでには暗闇の雲の参戦も期待できそうですね。

鯨岡:当然、どこかのタイミングでは参戦することになるでしょう。ライバルサイドのキャラをいつまでもお待たせするわけにはいきませんから。

ハザマ:以前から、今後の追加キャラはしばらくライバルサイドでPSP版にもいたキャラとお伝えしていたので、今後の追加キャラも予想がつくのではないでしょうか。PS4版を出すにあたって、参戦キャラはある程度そろっているのが理想ですよね。

『DISSIDIA FINAL FANTASY NT(ディシディア ファイナルファンタジー エヌティー)』
▲2017年に入ってからはクジャ、皇帝、エクスデスが参戦しましたが、これに続くキャラは一体誰なのでしょうか……?

――アーケード版の新キャラ追加やPS4版などで、開発はさらに忙しくなりそうですね。

鯨岡:オンライン全国大会も始まりますし、すでに目が回りそうです(笑)。

ハザマ:今だから言えますけど、今年のゴールデンウィークはほぼ仕事でした。『ディシディアFF NT』の展開のために、鯨岡を連れて北米出張に行っていたんです。PS4版の発表前でしたので、その時は公には言えませんでしたが。

鯨岡:ゴールデンウィークの連休を丸々使うことになりました。あのことは一生忘れません!

ハザマ:アーケード版のほうでオンライン全国大会や毎月キャラ追加をしていたら、PS4版の発売まであっという間のことでしょう。今から戦々恐々としています。

鯨岡:発売予定の2018年初頭が何月になるのか……(笑)。E3には出展させてもらいましたが、日本でもみなさんが触れる機会を作りたいと思っています。これまで以上にドタバタが予想されますが、今後も全力で『ディシディアFF』を運営していきますので、アーケード版とPS4版ともに、よろしくお願いします!

(C) KOEI TECMO GAMES/SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA
ILLUSTRATION:(C)2017 YOSHITAKA AMANO

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