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2018年6月6日(水)

『BLAZBLUE(ブレイブルー)』10周年を森Pや植田佳奈さんが振り返る。新作『ダークウォー』の情報も!?

文:AO

 今年で10周年を迎える『BLAZBLUE(ブレイブルー)』シリーズの生誕10周年アニバーサリーコラボイベントが、5月27日に都内・池袋のゲームシアター×カフェ&ダイニング“STORIA”で開催されました。本記事ではイベントの模様をレポートします。

“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”

 本イベントは『ブレイブルー』シリーズ10周年を記念したファン交流会イベント。会場には、抽選に当選した多くのファンの方々が来場しました。開発陣&ゲストには、森利道さん(プロデューサー)、遠藤良平さん(ディレクター)、小澤陸さん(プランナー)、植田佳奈さん(声優/レイチェル=アルカード役)が登壇し、シリーズの振り返りトークショーや来場者さんたちとの対戦会を行いました。

“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”
“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”

『ブレイブルー』シリーズの歴史を振り返る!

 まずは、開発陣による歴代『ブレイブルー』シリーズの振り返りトークショーがスタート。制作中にあったさまざまなエピソードが語られました!

『BLAZBLUE CALAMITY TRIGGER』(アーケード、2008年11月)

※カッコ内のデータは初出プラットフォームと発売日、または稼働日です。

“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”

 最初に語られたのは、シリーズの初期作である『ブレイブルー カラミティトリガー』。当時は、2D対戦格闘ゲーム初となる16:9画面が話題になりました。植田佳奈さんは初めてレイチェル役を演じた10年前のことを懐かしそうに語ります。やはり、見た目が幼い女の子だから演じる時のギャップに驚いたとのことでした。

 『ブレイブルー』シリーズを応援するWEB番組“ぶるらじ”もこの時からスタート。当時はとにかくスケジュールが大変で、制作は困難を極めたそうです。編集はたった1人でやっていたとのこと! 声優陣の杉田智和さん(ラグナ=ザ=ブラッドエッジ役)、近藤佳奈子さん(ノエル=ヴァーミリオン役)、柿原徹也さん(ジン=キサラギ役)との付き合いもこの時期から始まったそうです。

『BLAZBLUE CONTINUUM SHIFT』(アーケード、2009年11月)

“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”

 シリーズ第2弾となる『ブレイブルー コンティニュアムシフト』。2年間にわたりバージョンアップが繰り返された作品で、最終的には前作から5キャラクターが追加されました。遠藤さんはここから作品に携わり始めたものの、膨大なストーリーモードの作業に頭を抱えていたそうです。当時の無茶ぶりを語る遠藤さんに、森さんはしきりに「ごめん!」と謝っていました(笑)。

 また、植田さんがナレーションを担当した“全編フルボイスのチュートリアルモード”もかなり膨大。収録に8時間近くかかったそうで、植田さんの「20年間声優をやっていて、一番辛かった仕事かも!」というコメントに森さんも平謝りでした。そうした出来事を踏まえて、次の作品からは複数人でナレーションを分担することになったそうです。

『BLAZBLUE CONTINUUM SHIFT II』(アーケード、2010年12月)

“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”

 『ブレイブルー コンティニュアムシフト』のバージョンアップ版として発売された作品。小澤さんが入社したのもこの時期だそうで、TGSで試遊台のゲーム機が熱で動かなくなった時、扇風機で熱を冷ましたと苦労話を語ってくれました。想像するだけで大変そうです!

『BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA』(アーケード、2012年11月)

“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”

 シリーズ5作目となる『ブレイブルー クロノファンタズマ』。“オーバードライブ”をはじめ、システムが大幅に変更されたことで、前作までとは大きく異なる戦いを楽しめるようになりました。

 2013年には、アークシステムワークス主催の1大イベントARC SYSTEM WORKS FESTIVAL(通称:あーくふぇす)も開催されました。パシフィコ横浜に来場した方も多かったのではないでしょうか? やはり、その時もスケジュールが押していたらしく、森さんから苦労話がこぼれます。

 特に大変だった場面は、大会に参加してくれた全プレイヤーさんの紹介とのこと。台本では20分の予定だったそうですが、最終的には1時間半以上もかかってしまったそうです。やはり、大規模なイベントはスケジュール管理が難しいのでしょうね。そんな思い出を振り返りつつ、植田さんは「楽しかったから、またやりたい!」と森さんを激励していました!

 世界最大の格闘ゲームイベント“EVO”に『ブレイブルー クロノファンタズマ』が参戦したのもこの年。森さんや小澤さんも現地のアメリカに旅立ち、選手たちの応援に駆けつけたそうです。その時、日本語配信で実況できる人がいないとのことで急きょ、会場の様子を撮影していた小澤さんが実況することになったそうです。本当にありがとうございました!

 ちなみに、その年の決勝戦は『ブレイブルー』シリーズの強豪同士という組み合わせ。絶体絶命のピンチから大逆転が起こり、EVO2014のベストバウトとして挙げられるほどの名試合でした。筆者も当時、仕事を投げ出して観戦していたことを覚えています!

 その余りにもドラマティックな試合に森さんは号泣。その姿をカメラで撮影され、地上波でTV放映されたことを懐かしんでいました。植田さんも「森さんがずっと泣いていて、インタビューにも全然答えられていなかった」と当時の状況を語ります。植田さんは、その試合に衝撃を受け、以降は毎年EVOの観戦に行っているそう。今年のEVOでは、どんな名試合が繰り広げられるか楽しみですね。

『BLAZBLUE CENTRALFICTION』(アーケード、2015年11月)

“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”

 そして、話題は現行タイトルである『ブレイブルー セントラルフィクション』に。主人公・ラグナの最終章となる作品だけに、会場はネタバレトークで大盛り上がり! プレイしたことがある人ならご存じだと思いますが、植田さんのレイチェルと主人公のラグナは、物語の終盤に重要なシーンがあります。

 植田さんはそのシーンの収録について、「照れてしまい、なかなか収録が進まなかった」とコメント。普段はアフレコ後に感情を切り替えられるタイプだそうですが、その時ばかりは感情移入してしまい、恥ずかしくて杉田智和さんの顔をまともに見られない時期があったそうです。ちなみに杉田智和さんは、そんな彼女をからかうような悪ノリを見せていたのだとか(笑)。

 その後、森さんはジン役の柿原さんの演技を語ります。最終章で見せた演技に感動して思わず涙を流してしまったそうですが、森さんが収録後に声をかけると柿原さんは「だろ?」とドヤ顔で返答。そのエピソードで会場は大爆笑に包まれました(笑)。

『BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE』(PS4/Switch/PC、2018年5月31日)

“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”

 発売日が迫る『ブレイブルー クロスタッグバトル』の話題も! 発売前の作品なので詳しくは語られませんでしたが、時系列的には『ブレイブルー セントラルフィクション』の終盤よりも前のお話とのことです。

特別企画・歴代レイチェル振り返り

 シリーズ作品の振り返りが終了すると、特別企画として歴代のレイチェルを振り返るコーナーがスタート。全5作品で描き下ろされたイラストを見比べながら、トークが展開しました。

 流れの中で小澤さんは「ゲオルグ13世(※)は、なぜカエルなんですか?」と質問。森さんによると、当初は黒猫が動き回る予定だったのに、なぜかグラフィッカーの方がカエルを描いてきたそうです。森さんいわく「あまりにも動きがよかったので、そのまま採用しました!」とのこと。開発段階では何が起きるかわからないものなんですね(笑)。

※カエルを設置するレイチェルの必殺技。相手の近くに行くと放電する。

“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”
“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”
▲『BBCT』『BBCP』は森さんがイラストを担当。『BBCS』『BBCF』は加藤勇樹さん、『BBTAG』は樋口このみさんが担当されています。植田さんは、アンニュイな表情の『BBTAG』レイチェルがお気に入りだそうです!

森さんVS.来場者の対戦イベント!

“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”

 トーク終了後は、来場者VS.森さんの対戦会が始まりました。対戦種目は『ブレイブルー カラミティトリガー』、『ブレイブルー セントラルフィクション』、『ブレイブルー クロスタッグバトル』の3タイトル。

 いざ開始……と思われたところ、たまたまイベントに来場していたGODSGARDEN(ゴッズガーデン)のなかおさんの姿を発見する開発陣。そのまま実況者として登壇していただき、対戦会がスタート! 来場者の皆さんとの熱いバトルが繰り広げられました。

“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”
▲GODSGARDEN(ゴッズガーデン)のなかおさん。『ブレイブルー』シリーズの実況者としても活躍しています。
“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”
▲『BBCT』はラグナ対決。現在とのシステムの違いに両者とも困惑していました(笑)。
“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”
▲『BBCF』対決では、挑戦者がスサノオ、森さんがナオトを使用。最後はなんと挑戦者の方が、一撃必殺のアストラルヒートでフィニッシュを決めました!
“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”
▲『BBTAG』では森さんが初勝利! 本人によると『BBTAG』はかなり練習しているとのことです。

フリートークで最新作の情報をチラ見せ!?

“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”

 最後のコーナーは、開発陣のフリートーク。来場者の質問に一問一答形式で答え、ユーザーの皆さんと交流を深めていました。そしてなんと、フリートーク中に森さんが事前登録中のアプリ『ブレイブルー オルタナティブ ダークウォー』の新情報をチラ見せ!

 開発中の画像を見せてくれましたが、あまりにも一瞬で内容はわからず……! 森さんたちの話を聞くに、どうもキャラクター数は過去最高を軽く更新しそうな感じがします。このままでは生殺しなので、早めに新情報を公開してほしいものですね! ちなみに、来場者から寄せられた質問と回答がこちらです。

――タロ=ササガエに声が付く予定はありますか?

 付きます。現在、オファー中なので楽しみに待っていてください。どこで出るかは……まだ言えません!

――今後も公式から何らかの大会は開催されますか?

 します! 以前から言っている通り、1on1の大会はやめる気がないので、今後もご期待ください。もちろん『BBTAG』の大会も考えていますよ。

――アニメが見たいです……!

 僕らもやりたいです……! がんばって作れるように精進していきます!

――テルミやスサノオの曲が入ったサウンドトラックはいつ出ますか?

 ちゃんと予定はあるので、もうしばらくお待ちください!

 『ブレイブルー オルタナティブ ダークウォー』の開発秘話を交えつつ、来場者の質問に答える森さん。最後は来場者の皆さんと記念撮影して、大盛り上がりの中イベントは終了しました!

“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”
“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”
▲イベントでは、10周年を記念した特別メニューが振る舞われました。ちなみにコラボメニューのネーミングの大半は森さんが考えたそうです!
“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”
▲好評につきコラボカフェの期間延長が決定。6月15日まで開催中なので、興味のある方は足を運んでみましょう!
“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”
“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”
“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”
“ブレイブルーシリーズ生誕10周年アニバーサリーコラボイベント”
▲コラボカフェ開催期間中は、コラボメニューの他に各種グッズも販売されています。イベント中にもグッズを注文している方が数多く見られました。

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データ

▼『ブレイブルー クロスタッグバトル』
■メーカー:アークシステムワークス
■対応機種:PC
■ジャンル:対戦格闘
■配信日:2018年5月31日
■価格:5,800円(税込)

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