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2003年8月22日(金)

『ウルティマ』最新作『ウルティマXオデッセイ』はMMORPG!冒険中心の作品に!

 米エレクトロニック・アーツは本日8月22日、『ウルティマ』シリーズ最新作、『ウルティマX オデッセイ』(『UXO』)の制作発表を行った。

 『UXO』は、これまで『ウルティマ』および『ウルティマ オンライン』(以下、『UO』)を手がけてきた、オリジン・システムズ社開発のMMORPG。Unrealエンジンを採用したフル3Dグラフィック、レベル制の成長システムや、プライベートエリアの採用などにより、ブリタニアでの生活をシミュレートする『UO』とは、まったく異なる作品になっている。実際、EAでは本作を『UO』の姉妹作と位置付けており、続編ではないことを強調していた。

 『UXO』の世界は、『ウルティマ IX: アセンション』のラスト、アバタールとガーディアンの対決の結末以降を描いている。『IX』では決着がついたかにみえた戦いだが、実際はガーディアンは滅んでおらず、それどころかアバタールに不利な展開に。そこでアバタールは、人々(プレイヤー)の力を借りるため、彼らをアバタールとするための新たな世界を創造した。『UXO』でプレイヤーは、この世界に生まれて、アバタールになるために8つの徳を積んでいくことになる。

 世界はブリタニアではないが、ブリタニアで生きたアバタールが創造したため、過去の『ウルティマ』の名所やキャラクターが登場するとのこと。また、ゾーン数は55にも達し、森林や雪山、都市などバラエティに富んだ風景が広がっている。

森林、雪山、洞窟、渓流など多彩なフィールドが用意されている。Unrealエンジンを使用しており、遠方の表現や高台から下を見下ろした景色などが非常に美しい。


 プレイヤーは、この世界で「ヒューマン」「エルフ」「オーク」「ガーゴイル」「ピクシー」「フォーダ」(ネズミのような種族)のいずれかの種族を選択して冒険していく。なお、種族間の能力差はなく、見た目で選んで問題ない。顔立ちも青年、成人、老人と用意されており、青年については日本人が馴染みやすいグラフィックにするとのことだ。

各種族のデザインアート。6つの種族の男女を、それぞれ青年、成人、老人の中から選択できる。左下はガーゴイルの女性、右下はフォーダだ。


 また、本作ではゲームシステム面で、非常に特徴的な要素を多数搭載している。以下で、それらを詳しく説明しよう。

■オデッセイ・アドベンチャー・システム&プライベートエリア

 本作では、NPCからさまざまなクエストが提供されるようになっており、プレイヤーはこれをクリアすることで、後述する徳を高めて成長していく。これらのクエストは、選択肢による分岐が設けられているものがほとんどで、どの解法を取るかによって、上昇する徳が変化するとのこと。

 また、クエスト中は、次世代MMORPGの多くが搭載するといわれている「プライベートエリア」システムが使用される。プライベートエリアとは、見た目は通常のエリアとまったく同じだが、プレイヤー自身やパーティメンバー以外が存在しないエリアを生成するシステムで、これによって関係するプレイヤー以外の干渉を防ぐことができる。

 従来のMMORPGでは、ボスモンスターの出現を多くのプレイヤーが待つなど、クエストの進行が他のプレイヤーの行動に影響されることが少なくなかったが、プライベートエリア制によって、誰にも邪魔をされずにクエストに集中することが可能になっている。

 なお、このプライベートエリアはクエストだけではなく、ギルド戦など対人戦用のエリアも用意されるとのことだ。

「!」マークが表示されたNPCと会話をすると、クエストが発生する。選択肢はあくまで複数の解法を提示するもので、どちらを選んでも目的を達成できれば成功。選択肢を選んだ結果、即失敗というものはないそうだ。


■戦闘

 『UXO』の戦闘は、オートアタックシステムではなく、よりアクション要素の強いシステムが採用された。戦闘時は「Momentum(モーメンタム)」と呼ばれる、攻撃用のパワーゲージと防御用のパワーゲージの2つが表示され、このバランスに気をつけながら戦うことになる。

 さらに、アビリティと呼ばれる特殊行動や、攻撃と防御のMomentumの両方がたまった際に発動できる必殺技もあり、インタラクティブな戦闘を楽しむことができるだろう。

戦闘はオートアタックではなく、攻撃と防御のタイミングを計って戦うようになっている。
Momentumを100%までためれば、必殺技のようなものも使用できる。


■Path(パス)とDiscipline(ディシプリン)
 本作では、従来のRPGにおける職業・クラスに相当するものとして、Pathと呼ばれるシステムが用意されている。Pathには、Path of Blade、Path of Arcane、Path of Nature、Path of Knowledgeの4つがあり、プレイヤーはこのいずれかのPathを選択して、キャラクターを育てていく。

 また、Pathをさらに細分化する要素として、Disciplineというものがある。これは、一種のスキルツリーのようなもので、各Disciplineごとに数十個のアビリティが用意されている。そして、プレイヤーはレベルアップで獲得したポイントを各アビリティに割り振ることで習得していく。この際、特定のDisciplineのアビリティを集中的に習得していけば、早い段階でハイレベルなアビリティの習得が可能になるし、複数のDisciplineのアビリティをまんべんなく習得していくこともできるのだ。なお、PathとDisciplineの対応は以下の通り。

・Path of the Bladeに属するDiscipline
Barbarian、Knight、Blade Master
・Path of Arcaneに属するDiscipline
Mage、Sorcerer、Tinker
・Path of Natureに属するDiscipline
Shepherd、Druid、Ranger
・Path of Knowledgeに属するDiscipline
Bard、Necromancer、Paladin

■徳

 『ウルティマ』シリーズの根幹ともいえる徳の要素は、本作においても健在。プレイヤーはクエストを達成することで、「慈悲(Compassion)」「誠実(Honesty)」などの徳を高め、アバタールを目指すことになる。

 なお、徳にも固有のアビリティがあり、徳を高めることで習得することが可能。さらに、徳を消費することで武器や防具などに、特殊な属性を付与することもできるという。また、アイテム自体にレベルシステムが備わっており、同じアイテムを長期にわたって使用することで、さまざまなステータスが付与されるとのこと。

■Ascensionシステム

 徳と非常に関連性が深く、また非常に特徴的なシステムにAscension(昇華)システムがある。このシステムは、メインキャラクターの徳がキャップに達すると、フォロワーと呼ばれる2ndキャラクターを作ることが可能になるというもの。そして、フォロワーの徳をキャップまで育てることで、メインキャラクターのキャップ値が上昇していく。フォロワーは、徳に対応した7人を育成することができ、これをすべて育て上げることで、メインキャラクターのキャップ限界が最高値になり、8つの徳を極めたデミゴッド(半神)へと、昇華することができる。

 シングルRPG『ウルティマ』シリーズの流れを汲みつつ、まったく新しいMMORPGとして登場する本作。気になる発売時期は、英語版、日本語版ともに今冬を予定している。また、βテストのスケジュールについては、今後発表するとのことだ。


データ

▼『ウルティマX オデッセイ』
■メーカー:エレクトロニック・アーツ
■対応機種:PC(対応OS:Windows)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■発売日:今冬
■価格:未定
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■関連サイト
『ウルティマX オデッセイ』公式サイト
エレクトロニック・アーツ