【CEDEC】『GNO』がネットワークゲームとして成功を収めた要因とは!?
本日9月5日に開催された「CEDEC 2003」のセミナーのひとつ、「ネットワークゲーム成功事例としてのGNO」では、バンダイの新藤貴行氏、ヴァンガードの磯川豊氏、NTTデータの須江剛氏、大高勝彦氏により、PC向けオンラインゲーム『ガンダム ネットワーク オペレーション(以下GNO)』のゲームコンセプトや開発のプロセスなどが語られた。
『GNO』は、「機動戦士ガンダム」の“一年戦争”をリアルタイムの3カ月の期間で再現した戦略シミュレーションゲーム。オフラインでもオンライン時の編成による戦闘が行われるシステムを採用し、プレイヤーの時間的負担を軽減していることが特徴だ。
このセミナーでは『GNO』が成功を収めた要因として、「他ネットゲームとのジャンルの差別化」、「プレイ時間を束縛しないゲーム設計」、「多人数ゲームとしての必然性」の3つが挙げられた。
まず「他ネットゲームとのジャンルの差別化」についてだが、『GNO』の熱烈な固定ファンを有するキャラクターゲームであること、そしてMMOとしては数少ないシミュレーションゲームであることがひとつある。ハイスペックなPCに依存せず、加えてコアユーザーに限定しない間口の広さも『GNO』が成功を収めた要因とのことだ。
「プレイ時間を束縛しないゲーム設計」については、上記で触れたようにオフラインでも自動戦闘することにより時間的負担を軽減。MMORPGのように長時間のプレイを必要とせず、ゲームに参加することができることは、25歳~35歳の生活的な制約のある「ガンダム」ファンには魅力といえる。また、“一年戦争”が3カ月という期間でサイクルし、ゲームスタート時は階級やパイロットなどの一部データを除いてリセットされるため、当初からプレイしているユーザーと途中参加するユーザーとのバランスが保たれている。
最後の「多人数ゲームとしての必然性」は、1サーバ2,000人の規模で展開するゲームながら、4~5人程度でランキング入りが狙えるというチームシステムで、“大きな集団の中の小さな歯車”ではなく、“小さな家族の大事な一員”としてコミュニティを成立させているということ。運営者から必要要素以上の説明を行わず、コミュニケーションの必然性を発生させているところがポイントだ。また、「ガンダム」という共通の話題により、コミュニケーションの促進としては十分な要素をあわせ持っていることもひとつの魅力だ。
こうした要素が、今もなお『GNO』が多くの「ガンダム」ファンおよびPCゲームユーザーに大きな支持を受けた要因。『GNO』プレイヤーは、経済的な余裕があり、定着率も高いという25歳~35歳が74%を占めているとのことで、当初のコンセプト通りに想定ターゲット層を獲得している。リリース後約1年半ほど経過し、会員数も安定している『GNO』。まだしばらくは、この安定期が続きそうだ。
「ゲームデザイン編」、「システムと開発プロセス編」、「運営とビジネス編」の3つに分けて説明が行われた『GNO』セミナー。『GNO』を成功に導いた細かいゲームコンセプトが語られた。
■関連サイト
・CEDEC
・『ガンダム ネットワーク オペレーション』公式サイト