カプコンは6月13日から15日の3日間、秋葉原 ラオックスアソビットシティで「ストリートファイター15周年記念イベント」の第1弾“Fighting~闘士達の肖像”展を開催。本日6月14日は、開発スタッフによるトークショー「ストリートファイターの夜明け」およびサイン会、人気キャラクター“春麗”をフィーチャーした飲茶ショップ「昇龍軒」、さらに「コスプレコンテスト」など、さまざまなイベントが行われた。
まず、トークショー「ストリートファイターの夜明け」には、カプコン第一開発部部長の船水紀孝氏、キャラクターデザインを担当した安田朗氏(あきまん)、カプコンの公式“春麗”スタッフこと浦沢賀奈さんが登場。当日朝から並んで抽選券を手にした200人の好運なファンが参加し、会場内は15年という年月を感じさせない熱気で溢れていた。以下、トークショーで語られた内容を抜粋していこう。
■シリーズを通して、一番好きなキャラは?
安田朗氏(以下、敬称略):『ストII』のときに、自分でドットを打った春麗ですね。ほとんどのキャラの元ドットを打ってはいるんですけど、全てのドットを打ったキャラは春麗だけなんですよ。ただ、他のキャラの監修等に時間を食われてしまったので、春麗に時間を費やせたのは開発期間8カ月のうち2カ月だけでしたね。だから春麗だけキャラの容量が少ないんです(笑)。
船水紀孝氏(以下、敬称略):苦労したということで憶えているのはザンギエフですね。「強すぎる」という声を受けてバランスを調整したら「弱すぎる」って言われたり(笑)。
■FTGを作る上でこだわった点は?
船水:とにかく多くのユーザーさんにプレイしてもらって、それで意見を聞いていきました。ロケテスト会場に“御意見ノート”を置いたりしてましたね。「アッパー昇竜拳」なんかもそこから生まれたもののひとつです。最初はバグだったんですけど、こういった要素をどんどん採り入れていった結果、現在のFTGにおけるコンボの原形みたいなものになっていったんだと思います。
■キャラの絵を描く上で気を付けたことは?
安田:上手な絵を描くというのよりは、まず動きのリズムに重点を置きました。ゲームなんだから動かして爽快感がなければダメなんですよね。キャラのアクションパターン数を削っても、リズムの方を大事にしました。
■実写版の映画「ストリートファイター」について
船水&安田:見ていません(笑)。
■劇場用アニメ「ストリートファイターII」について
船水:映画館に足を運んで見ましたし、LDも買いました。ちょうど「もう『ストII』はいいかな」なんて思ってたときに劇場用アニメを見て、それで『ストリートファイターZERO』を作ろうと思ったんです。
■カプコン公式“春麗”スタッフになったきっかけは?
浦沢賀奈さん:カプコンに入社したら春麗の衣裳が用意されていた……みたいな感じですね。当時「その衣裳のまんま仕事もしてるんですか?」ってよく聞かれましたけど、そんなわけないですよ。念のため(笑)。春麗は多くの人に愛されているキャラなので、ファンの方をげんなりさせないようにと考えていましたね。私自身、学生時代から春麗が好きだったし、春麗の衣裳を着たイベントなどでは、たくさんの人との出会いがあったのもいい思い出です。
■『ストリートファイター』15周年について
安田:愛しているけど憎いです(笑)。数え切れないほどいろんなことがありましたね。15年も経っているのに、こんなにお客さんがイベントに集まってくれるっていうのは、本当にありがたいことだと思います。
船水:自分がゲームを作っているときに小学生だった子が、同じ会社で一緒に仕事しているっていうのには歳月を感じますね。でも20代のほとんどをこのシリーズにつぎ込んだので、「返せ!」っていう気もしますけど(笑)。
トークショーのあとに行われた「サイン会」は、抽選で選ばれた100人だけが参加可能の予定だったが、船水氏らがファンの熱意に応じ、トークショーに参加した人のほとんどがサインを受け取れることになった。これもひとえに、ファンに支えら続けてきた15年に対する感謝の表れと言えるだろう。
その後「コスプレコンテスト」が開催され、こちらも大盛況。まるで『ストII』コスプレ全盛時代に戻ったかのようだった。それぞれの衣裳の出来もかなりなもので、キャラを忠実に再現している参加者が多かった。集まった観客と参加者の、キャラへの“愛”が十分に感じられる素晴らしいイベントとなっていた。
上記のイベントは本日のみだが、原画展と飲茶ショップ「昇龍軒」は明日も開催される。貴重な原画の数々を堪能しつつ、春麗のコスチュームを着た店員が待つ「昇龍軒」に足を運んでみてほしい。
トークショー開始直前の会場内。ファンの期待感で室温も上がっているように感じた。
会場限定の携帯ペイントサービス。今、『ストII』シリーズの携帯にできるのはココだけ!
会場内に設置された試遊台。昔を懐かしむように、みんなプレイしていた。
トークショーのメインである船水氏(左)と安田氏(右)。「あまり憶えてない(笑)」と言いつつ、しっかり当時の話をしてくれました。
サイン会の抽選は浦沢さんのサイコロによって決められた。
サイン会は、熱い思いを語る人や、船水さんとガッチリ握手をする人などで熱気に溢れていた。
本当に貴重な原画の数々を、惜しげもなく展示している。印刷物になったものではわからない、微妙なタッチまで確認できる。
原画展会場内に再現された「スタッフルーム」。当時の作業の様子が感じられる。
「昇竜軒」では、こんなキュートな春麗たちが、あなたのご来店をお待ちしています!
「コスプレコンテスト」に参加した面々。大きい写真で見せてあげられないのが、本当に残念です。
賞に選ばれた3名と審査員との集合写真。さくらのコスチュームを着た女の子(中央)は、大人気だった。
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データ
■「ストリートファイター15周年記念イベント “Fighting~闘士達の肖像”展」
【開催期間】2003年6月13日~6月15日
【開催時間】10:00~20:00(各日)
【開催場所】秋葉原 ラオックス アソビットシティ8F(イベントスペース)
【入場料】500円
■関連サイト
・「ストリートファイター15周年」公式サイト
・カプコン