News

2004年2月8日(日)

『リネージュII』インタビュー!NCSoft金澤辰社長と裵宰賢氏が語る韓国版の世界

 いよいよ2月11日よりオープンベータテストが開始される、PC用MMORPG『リネージュII』。本日は、その『リネージュII』の開発、運営を行っている韓国NCSoftの金澤辰(Kim Tack Jin)社長とプロデューサーの裵宰賢(James Bae)氏に、韓国の『リネージュII』の展開などについてインタビューを実施した。最新版である韓国の状況などが説明されているので、『リネージュII』をプレイする予定の人は要チェックだ。

■大規模アップデート「クロニクル1」が実装された韓国サーバー

――はじめに、韓国版『リネージュII』のアップデートの実装状況についてお聞かせください。

Kim氏「現在韓国の『リネージュII』は、最初の大規模アップデートになる「クロニクル1」の導入を行いました。」

――『リネージュ』シリーズといえば攻城戦が欠かせない要素となっていますが、韓国での攻城戦の様子はどのような感じですか。

Kim氏「25の正式サーバーの中からプレイヤーを選び、テストサーバーを設置して8回の攻城戦テストを実施しました。防御側はNPC傭兵やトラップを仕掛けることが可能に、また攻撃側は攻城戦用のゴーレムを召喚して、城壁や兵器に対して攻撃が可能となっています」
James氏「攻城戦テストについては、ユーザーから大きく2つのフィードバックが行われました。まず1つ目が3DオンラインRPGで、多くのプレイヤーが1カ所に集まって戦闘が可能なのかという点について疑問の声がありました。この点については、数百人対数百人という戦闘でも動作することが可能です。また、もう1点は攻城戦はプレイヤー数がすべてになるのではないかというものでしたが、この点については戦略的要素を含むものとなっています」

――ユーザーの皆さんの様子はいかがでしたか。
Kim氏「全25サーバーの中からプレイヤーを選んだため、1つの血盟による舞台ではなく複数の血盟による連合が結成されていました。その中では共闘するこtもあったり、裏切り行為があったりしたようです」
James氏「攻城戦は1回2時間から3時間程度かかるのですが、負けた人はかなり悔しがっていたようです。一方勝った側は涙が出るほど喜んでいました」
Kim氏「ただ正面切って戦うだけでなく、陽動作戦などさまざまな戦闘パターンを見ることができました。韓国でも映画「ロード オブ ザ リング」の人気が高いのですが、フィードバックの中に“自分が参加できる攻城戦は、映画の中で描かれる攻城戦を見るよりもずっとおもしろかった”というものがあり、この意見には感動しました」

――韓国プレイヤーのレベリング速度はいかがですか。想定した範囲内になっているのでしょうか。
Kim氏「プレリュード(正式サービス開始時、日本のオープンベータテスト開始時の段階)の時点で最高レベルを70、クロニクル1の段階でレベル制限を75へ引き上げましたが、トップのプレイヤーは現在Lv70近いです。多くのプレイヤーはわれわれの想定したスピードでレベルが上がっていますが、一部のハイレベルプレイヤーの速度は予想以上です」

――クロニクル2以降の実装までの間隔はどのくらいを予定していますか。
James氏「6カ月間隔を予定しています」

■日本人はパーティプレイ好き? NC Softの今後の事業展開について

――日本でのクローズドベータテストが終了しましたが、韓国人プレイヤーと日本人プレイヤーのプレイスタイルの違いというものはありますか?
Kim氏「一番目立ったところは、韓国人はソロが可能なキャラを使って、一定レベルまではソロプレイメインという人が多いのですが、日本人はまずパーティを組んでからモンスター狩りに行っていましたね」

――パーティ好きな日本人、など好みなどの違いがありますが、日本人の好みを分析してゲームに取り入れている部分はありますか?
James氏「ゲーム開発の段階から、日本のユーザーに対して注意を払っています。例えばエルフや女性ドワーフのモデリングは、日本人ユーザーを意識したものとなっています。その他、アイテムについてもカタナを高級武器として登場させたりしています」

――日本でもブロードバンドがかなりの普及を見せてきていますが、韓国のようにオンラインゲームが爆発的な広がりを見せない点をどう考えられていますか。
Kim氏「日本にはこれから、もっと大きく発展する可能性を感じています。今後、ブロードバンドユーザーの絶対数は韓国を上回るでしょう。今の日本ではPCはオフィス用品というイメージが強いですが、エンターテイメントを楽しむためのものであることを重要視していきたいと思っています」

――韓国ではオンラインゲーム全盛の中、SCEがPlayStation 2を発売しましたが、コンシューマ市場への参入は考えていますか。
Kim氏「NC Softとしては、PCプラットフォームで日本のゲーム市場に変化を起こしていきたいと考えています。個人的にコンシューマハードでゲームは遊びますが、まずはPCに注力していきます」

――最後に、これからオープンベータテストをプレイする日本のユーザーにコメントをお願いします。
James氏「オンラインゲームは、家庭用ゲームやシングル用のPCゲームにはない、新しい楽しみを持っています。プレイしてみて、その楽しさに触れてみてください」
Kim氏「オンラインゲームは、サービスが開始されてからが本格的な開発開始であると考えています。ユーザーの方と『リネージュII』の未来を共有していきたいと思っていますので、希望などがありましたらぜひ聞かせてください」

――本日はありがとうございました。

『リネージュII』の本家である、韓国NC Soft金澤辰社長(左)とプロデューサーの裵宰賢氏。(右)


データ

『リネージュII』
■メーカー:エヌ・シー・ジャパン
■対応機種:PC(対応OS:Windows98/Me/2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■発売日:未定
■価格:無料
■プレイ料金:未定

『リネージュIIスターターキット オープンベータテスト・バージョン』
■メーカー:エヌ・シー・ジャパン
■対応機種:PC(対応OS:Windows98/Me/2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■発売日:2004年2月10日
■価格:2,980円
※Amazonの販売価格:2,780円(税別)

■『リネージュIIスターターキット
オープンベータテスト・バージョン』の予約・購入はこちら
Amazon

■関連サイト
『リネージュII』公式サイト
エヌ・シー・ジャパン