5月10日(日本時間5月11日)、米ロサンゼルスにおいてスクウェア・エニックスがマスコミ向けの発表会を行った。これは、5月12日(日本時間5月13日)から開催される世界最大のゲーム展示会「E3 2004」に先駆けて、スクウェア・エニックスの新作タイトルを世界に向けて発表するというもの。
発表会はまず代表取締役社長・和田洋一氏のプレゼンテーションからスタートし、『ファイナルファンタジーXII』の初公開映像がスクリーンいっぱいに流された。和田社長は『FFXII』の内容について「非常に精巧な銀細工のようなコンテンツ」であると形容。E3の会場ではプレイアブルのゲームを展示することも明らかにされており、こちらの内容は電撃オンラインでも追ってレポートしていく予定だ。
続いて、日本ではすでに発売されている『フロントミッション4』、『スターオーシャン Till the End of Time(SO3)』、『鋼の錬金術師 -翔べない天使-』3タイトルの映像が披露され、各タイトルのプロデューサーがゲーム内容を解説。北米版の仕様については、『フロントミッション4』では「フルセット」と呼ばれるシステムが追加。これは「ゲームの後半になるとカスタマイズの時間がかかりすぎる」という日本のユーザーの要望に応えた改良点で、スナイパー、アサルトなどのセッティングをフルセットで購入できるシステムとなっている。また『SO3』も北米版ではVSモード、全戦闘キャラクターの衣装替えなど、当初企画されていたがオリジナル版では入れることができなかった要素が追加され、ディスク2枚組で完全版ともいえる内容になっているとのことだ。さらに『鋼の錬金術師』は、10月から北米でアニメ放映がスタートすることも明らかにされた。
そしてここからがサプライズタイム! 初公開の情報が続々公開された。まず「サムライアクション・イズ・バック!」のキャッチフレーズとともに披露されたのはPS2用ソフト『MUSASHI SAMURAI LEGEND』の映像だ。これは1998年に発売されたPS『Brave Fencer 武蔵伝』の続編で、時田貴司氏がプロデュースを担当し、キャラクターデザインは野村哲也氏、オープニングアニメーションはガイナックス、テーマソングはザ・サーフコースターズという豪華なスタッフが手がける大作アクションゲーム。ディレクターの吉本陽一氏によると、NPCを抱えることができる「お姫様だっこシステム」、敵の技を見切って自分のものにする「見切りシステム」、通常のトゥーンシェイドとは一味違う「マンガシェイド」など、斬新な要素がいくつも採用され、切れ味のよい爽快感あふれるゲームになっているとのこと。北米では今冬の発売が予定されている。
続いて全世界で400万本を売り上げた超人気RPG『キングダム ハーツ』シリーズの新作2タイトル、GBA用の『KINGDOM HEARTS CHAIN OF MEMORIES』とPS2『KINGDOM HEARTS II』の映像が公開された。ディレクターの野村哲也氏によると、『CHAIN OF MEMORIES』は前作のエンディング直後から始まる続編で、記憶をめぐる新しい戦いの物語。そして『KINGDOM HEARTS II』は前作から1年後が舞台。多くの謎が絡み合った再会と別れがテーマとのことだ。
そして次に『ファイナルファンタジーXI』プロデューサーの田中弘道氏が壇上へ。『FFXI』について「世界初のマルチプラットホームベースのMMORPGとして正式サービスインから2年。オンラインゲームとして前人無踏の50万人の有料ユーザーを獲得している」と、データを挙げてプレゼンテーションを行った。米国ではまもなく『Chains of Promathia』の追加を実施。年内を目標にヨーロッパでの正式サービスインも準備しているとのこと。
発表会の最後には、和田社長が再びステージに上がり、いくつかの驚くべき事実を発表した。それはPC用オンラインゲーム『EVERQUEST II』の日本でのサービスをスクウェア・エニックスが担当するということ。また、ニンテンドー・ディーエス用のソフトをハード発売と同時にリリースすること(このタイトルは明後日からE3会場でプレイできる予定)。
そして、携帯電話向けのコンテンツとして『ファイナルファンタジーVII』のシリーズ作品をリリースするということだ。和田社長は『FFVII』について「いちばん愛された『ファイナルファンタジー』」と紹介した上で、『FFVII』より前の時代の物語を携帯電話用コンテンツ『FINAL FANTASY VII BEFORE CRISIS』としてリリースすることを発表。日本国内ではNTTドコモ FOMA900iシリーズ対応で、8月よりベータ版、9月よりサービスインが予定されている。また『FFVII』の2年後の世界は映像コンテンツ「FINAL FANTASY ADVENT CHILDREN』としてリリースされることも決定しており、今後『FFVII』の世界が多角的に展開される予定が明らかにされた。
和田社長は、ゲームに対する同社の理念として「品質に徹底的にこだわり、最先端のオリジナルタイトルをリリースしていくという方針はまったく変わっていないが、今後はオンラインゲーム、携帯電話用ゲームなど厚みを増した展開を進めていく」とコメント。なお、今回の発表会は基本的に米国向けの内容のため、各タイトルの日本でのリリース時期等は明らかにされていない。それぞれの詳細については、続報に期待していてもらいたい。
オンラインゲームの登場によってコミュニティ的な側面が重要視されていると語る和田社長。『FFXI』はPS2/PC、日本/米国といった環境の差を越えて支持されている稀有なコンテンツであることをアピールした。
6年ぶりのシリーズ続編をひっさげて登場した時田氏。『パラサイト・イヴ』制作時はここロサンゼルスに1年半滞在していたとのこと。
『武蔵伝』シリーズ第2弾として衝撃的に発表された『MUSASHI』は、爽快感溢れるアクションが魅力の冒険活劇だ。
第一線で活躍しているアーティストたちのコラボレーションが実現した『MUSASHI』。今のところ北米のみの発売となっているが、日本でもぜひ発売してほしい!
『キングダムハーツ』プロデューサーの橋本氏がスピーチ。ディレクターの野村氏は『KINGDOM HEARTS II』について「前作よりはるかにおもしろくなることを約束したいと思います」と宣言した。
発表会では、『キングダム ハーツ』シリーズの新作2タイトルの最新映像が公開(上の画像2枚は『KINGDOM HEARTS II』、下1枚は『CHAIN OF MEMORIES』)。『II』には、『FFX』の人気キャラクター“アーロン”が登場することも判明!
田中弘道氏が壇上に上がり『ファイナルファンタジーXI プロマシアの呪縛』の映像をはじめて公開した。
『FFVII』にいたるまでの6年間を描いたという『BEFORE CRISIS』。「神羅カンパニー」の総務部調査課である少数エリート精鋭部隊「タークス」にまつわるストーリーとなっている。
『BEFORE CRISIS』の画像は、携帯電話コンテンツとは思えないハイクオリティなもの。
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データ
▼『ファイナルファンタジーXII』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PS2
■ジャンル:RPG
■発売日:2004年冬~2005年春
■価格:未定
▼『MUSASHI SAMURAI LEGEND』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PS2
■ジャンル:ACT
■発売日:今冬予定(北米のみ。日本での発売は未定)
■価格:未定
▼『KINGDOM HEARTS II』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PS2
■ジャンル:RPG
■発売日:未定
■価格:未定
▼『KINGDOM HEARTS CHAIN OF MEMORIES』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:GBA
■ジャンル:RPG
■発売日:未定
■価格:未定
▼『FINAL FANTASY XI プロマシアの呪縛』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PS2/PC(対応OS:Window98/98SE/Me/2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■発売日:2004年秋
■価格:未定
※パッケージ概要は未定。
※『プロマシアの呪縛』は『FINAL FANTASY XI』の拡張データです。
▼『EVERQUEST II』日本語版
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PC(対応OS:Windows)
■ジャンル:MMORPG
■発売日:2005年
■価格:未定
▼『FINAL FANTASY VII BEFORE CRISIS』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:NTTドコモ FOMA900iシリーズ
■ジャンル:RPG
■発売日:2004年9月予定
■価格:未定
■関連サイト
・スクウェア・エニックス