「2004年CESAゲーム白書」が発刊。市場縮小に対して、ゲーム利用者は増加
社団法人コンピュータエンターテインメント協会(略称:CESA)は、2003年のゲーム業界動向をまとめた報告書「2004年CESAゲーム白書」を発刊した。CESA公式サイトおよび全国の政府刊行物サービス・センター、書籍通販サイト「専門書の杜」で販売が開始されている。価格は6,300円(税込)。
「CESAゲーム白書」は、コンピュータエンターテイメント産業に関わる各種のデータを集計した報告書。国内外におけるソフトウェア、ハードウェアの総出荷額をはじめ、消費者動向といった調査結果が掲載されている。8号目となる今回は、新たに「ゲーム初心者講座」、「CESAゲームアーカイブス」などを追加した他、従来別冊で発刊していた「英訳版」を統合し、より利便性の高い内容となっている。
「2004CESAゲーム白書」によると、2003年のソフトウェアとハードウェアの総出荷額は1兆1,344億円。国内外におけるソフトウェアの総出荷額は4,299億円(うち、国内は2,306億円)、ハードウェアの総出荷額は7,045億円(うち、国内は1,184億円)となっている。
2003年の国内ゲーム市場規模は4,462億円で、このうちソフトウェアの国内市場規模は8.2%減の3,091億円、ハードウェアの国内市場規模は16.7%減の1,372億円と、昨年に続いて市場が縮小傾向であることが示されている。
また、首都圏ならびに京阪神地域に在住する3~59歳の一般生活者を対象とした調査結果(有効回収数1,070サンプル)も掲載。この調査によると、「現在も継続的にゲームに接している」と回答した人は37.6%で、2002年調査結果の25.6%から増加。このパーセンテージを全人口に拡大推計した算出結果は3,444万人になるという。
出荷実績は前年を下回っているのに対し、ゲーム利用者が増加しているという結果について、CESAは「ネットワークゲームや携帯電話ゲームコンテンツの市場成長が考えられる」と指摘。これらの新規分野を含めた実態把握については、新たに発足した「オンラインコミュニティ特別委員会」などと協力して、集計結果をカバーしていく計画だ。
その他、2003年に出荷実績のあったメーカー37社を対象に行った「プラットフォーム別のゲームソフト開発費」も公開。この調査によると、開発費平均金額で最も高額だったのはPS2用ソフトで3,900万円(2002年は5,900万円)、最も低額だったのはPS用ソフトの500万円(2002年は1,400万円)とのこと。いずれも開発費が大幅に削減されている結果については、現行のプラットフォームが発売されて一定期間が経過したこともあり、開発者たちのスキル向上、新規開発ツールならびにミドルウェアなどによる作業効率の円滑化が進み、省コストに繋がったと考えられる。
■関連サイト
・「2004年CESAゲーム白書」紹介ページ
・社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)