「なぜ天広氏が起用されたのか」! サイバーフロントで『プリメ4』トークショー
サイバーフロント/ジェネックスのブースでは、ガイナックスの創立20周年を記念してトークショーが開催された。トークショーには『プリンセスメーカー』シリーズの産みの親である赤井孝美氏と、ガイナックスの代表取締役・武田康廣氏が出演。アニメを作って、評判を把握した上でゲームを作るガイナックスのスタイルや、ジェネックスより発売される新作『プリンセスメーカー4』(以下『プリメ4』)などについてトークを展開していた。
『プリメ4』が製作されることになった経緯について赤井氏は、「最後に出た『プリメ』から、すでに4~5年が経過しています。ゲームの世界で4~5年といったら、もう200年前と言ってもいいくらいのものでして(笑)。折しも『プリメ』シリーズの誕生から15年目という節目でもありますし、元々の世界観である「ファンタジー」へ立ち返って、新作を製作することになったのです」とコメント。これまでのシリーズでキャラクターデザインや原画を務めてきた赤井氏だが、今回の『プリメ4』はキャラクターデザインと原画に『シスタープリンセス』などでおなじみの天広直人氏が起用されている。このことについて赤井氏は「自分たちの方でも、舞台を現代に設定した『プリメ』を根強く作ってたりしたんですが(笑)、今回の『4』は舞台がファンタジーに設定されています。ここで私が絵を描くと、また同じことをやってしまうんじゃないかな、と思っていたんですよ。そこで、いつまでも赤井孝美ではなく、絵柄からして変わった方が面白いのかな、ということで天広さんにお願いすることになりました。作品の“顔”となるビジュアル部分を、独特の世界を構築してらっしゃる天広さんにお願いすることで、思い切って新しいことができると判断しました」と話した。これを受け、武田氏は「新しいスタッフで作ってはいますが、監修として赤井が入ることで、作品に魂が入るんですよ」と赤井氏の立場を説明。赤井氏は「自分が担当しているのは、全体的な監修……“ムード”の調整ですね。せっかく新しいスタッフが入っているのに、あれこれ言って縛ってしまってはつまらないですから。でも、『プリメ』らしさというか、ムードのようなものはあると思うんです。そこで、「ああ、こういう感触は『プリメ』だね」「そういうのは『プリメ』とはちょっと違うかな」という調整をさせてもらってます」と語り、新しいスタッフによる『プリメ4』の製作に意欲をのぞかせた。
続いて赤井氏は、ビジュアルの天広氏や新たな『プリメ』について「天広さんは、絵が持っている軽やかさというか、とにかく線1本1本が繊細で軽くて、綺麗ですよね。昔からのファンの中には「天広さんの絵は綺麗だしイイんだけど、『プリメ』は違うんじゃないか?」という不安もあるかもしれませんが、実はこの不安が大事。まったく新しい『プリメ』がどうなるのか、プレイしたらどうなるのか。そして、これに対してファンがどう反応するのか。ある意味、不安と同時に楽しみでもあるんです」と、期待をにじませていた。
最後に赤井氏は「ガイナックスも20周年ということで、経った時間の割には今後も子供っぽく仕事をしていくと思います(笑)。どうぞよろしくお願いします」と語り、さまざまな話題に触れたトークショーを締めくくる。2005年に向けて、ガイナックス関連のトピックスが盛り上がりを見せるのは間違いないだろう。
なおサイバーフロント/ジェネックスのブースでは、天広氏のラフやイラストを満喫できる『プリメ4』のプロモーションムービーや、次のような作品のデモンストレーションを実施している。
・『ちゅ~かな雀士 てんほー牌娘』(PS2)
・『新世紀エヴァンゲリオン(仮)』(PS2)
・『プリンセスメーカー2』(PS2)
・『星海の戦旗(仮)』(PS2)
・『ファンタスティックフォーチュン2☆☆☆(トリプルスター)』(PS2)
・『ころん』(PSP)
これらの情報を一気にチェックできる新聞「日刊サイバジェネ」を無料配布しているので、ブースに足を運んだらぜひゲットしてほしい。
『プリンセスメーカー4』の特大看板が設置されていた、サイバーフロント/ジェネックスブース。天広氏によるイラストが目印だ。
ガイナックスの歴代作品や、何かと物議をかもした『電脳学園』シリーズ、そして『プリメ4』と、さまざまな話題でトークを進めた武田氏(右)と赤井氏(中央)。注目の『プリメ4』は、2005年春にPS2で発売予定だ。
サイバーフロント/ジェネックスのブースで無料配布されている「日刊サイバジェネ」。ガイナックスの関連ソフトを中心に、各種タイトルの詳細を確認できる。かないみかさんや田村ゆかりさん、生天目仁美さん(以上50音順)といった豪華な声優陣が魅力の『ちゅ~かな雀士 てんほー牌娘』(PS2)も注目を集めそうだ。
(C)GAINAX 2004 (C)Genex 2004 Illustrated by 天広直人
■関連サイト
・サイバーフロント