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2004年5月11日(火)

米国でも『FF』オーケストラコンサートは大盛況!植松氏のインタビューも掲載!

 米ロサンゼルスのWALT DISNEY CONSERT HALLで現地時間5月10日19:30より、『FINAL FANTSY』のオーケストラコンサートが行われた。北米で初めてとなるこの『FF』コンサートには、本シリーズの楽曲を手がける植松伸夫氏、キャラクターデザインを担当する天野喜孝氏、シリーズの生みの親とも言える坂口博信氏の3人がゲストとして登場。ホールをいっぱいにしたファンたちから大きな歓声があがっていた。
 ここでは、コンサート終了後に行われた植松氏の合同インタビューをお届けしよう。

--まずコンサートを終えた感想をお願いします。

植松伸夫氏(以下、敬称略):「アメリカの人たちにこんなに熱く迎えられるとは思いませんでした。想像以上に盛り上がったので興奮している状態です。」

--今回のコンサートのように、坂口&天野氏とトリオを組んでプロジェクトをやる予定などはありますか?

植松:「坂口さんと天野さんと仕事を始めたのは17年ほど前になります。さすがにそれだけの時間が経つと、それぞれの進む道が分かれてしまったんですが、もし才能のあるお2人が声をかけてくれたなら、断る理由が見つかりませんね。」

--『FF』の中で一番気に入っている曲は何ですか? また好きな作曲家がいましたら、教えてください。

植松:「まず一番気に入っている曲ですが、これまで『FF』用に600曲以上の曲を書いているのでなかなか決められないですね。『I』~『XI』までで好きな曲はたくさんありますが、今回のコンサートでもアンコールの前に演奏した「ファイナルファンタジー」という曲が、シリーズを通しての象徴的なものなので気に入っています。
 好きな作曲家ですが、いろいろな音楽が好きなので一人に絞るのは難しいですね。・・・・・しいて言えば、僕のカーステレオの中にはビートルズとレットアットジョンが必ず入っています。」

--今まででもっとも作曲が難しかった曲は何でしょうか?
植松:「実を言うと僕は『FFVI』が一番好きなんです。あのタイトルの音楽を作るときが一番大変だった・・・・・・というか非常に一生懸命やった印象があります。それは『IV』や『V』で自分の思いもしない方向に『FF』の曲が向かい始めたので、それならオーケストラでもロックでも、民俗音楽でも、自分のやりたい音楽をやろうと開き直って作曲できたタイトルだからだと思います。」

--今後、『FF』シリーズから離れた仕事を何か計画しておられますか?

植松:「計画というとほど具体的はありませんが、それはもちろんいろいろと考えてはいます。音楽関係ならゲーム音楽以外にもいろいろと面白いことができそうですから。待っていてください!」

--海外のゲームの音楽をどう思いますか? また海外の作品で『FF』のような音楽のものが出て、同じようにコンサートを行った場合、今回のように成功すると思いますか?

植松:「日本でのゲーム音楽はここ十数年で大きなマーケットになったんですが、海外ではまだこれからだと思います。正直、現在海外ではゲーム音楽を専属で仕事をしている人を僕は知りません。ゲーム音楽というものを効果音なみのBGM程度にしか思っていない人がいるので、そういった誤解は解いていきたいし、ゲーム音楽でも多くの人々を感動させることができるんだということを実証していきたい。実は去年、ドイツでオーケストラによるゲーム音楽のコンサートが初めて開催されて、『FF』の音楽も演奏してもらったんです。今年もまたゲーム音楽コンサートが行われる予定なので、この町がゲーム音楽をリードしていくかもしれませんね。」

--では、欧州で今回のようなコンサートをやる予定はあるのでしょうか?
植松:「ヨーロッパやアジアなど、できるところから少しずつやっていきたいと思っています。」

--最後にファンへのメッセージをお願いします。

植松:「今回のコンサートのように、日本人の我々とアメリカに住むみなさんが同じ音楽で喜ぶことができたのはとてもすごいことだと思います。僕は世界平和は絶対に可能だと信じていて、それには何かと何かを分けるのではなく、自ら進んですべて溶け合っていこうという姿勢が必要なのだと改めて思いました。」

--ありがとうございました。




作務衣(さむえ)に足袋という姿で合同インタビューに出席した植松氏。海外初となる『FF』オーケストラを終え、その感想をうれしそうに語ってくれた。


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