CESAが18歳以上対象に認定されたゲームソフトの販売を自主規制すると発表
本日7月19日、社団法人コンピュータエンターテインメント協会(略称:CESA)は、家庭用ゲームソフトの「年齢別レーティング制度」を活用した販売自主規制についての記者会見を行った。
記者会見には、CESA専務理事を務める堀口大典氏をはじめ、同調査広報委員長を務めるスクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏、同流通委員長を務めるコーエー代表取締役社長CEO兼COOの小松清志氏が出席。6月10日にCESAが家庭用ゲームソフト販売自粛を検討すると発表したことについて、その後の決定事項や具体案などの説明が行われた。
これまで家庭用ゲームソフト業界は、過度な性的、暴力的表現および、反社会的なゲームが販売されないよう、ゲームの「年齢別レーティング制度」を実施する独立機構「コンピュータエンターテインメントレーティング機構(略称:CERO)」を設立するとともに、購入時の目安としてソフトパッケージに「年齢別レーティングマーク」を表示するといった活動を実施。しかしながら、近年の家庭用ゲームソフトの普及にともなう社会的影響力の増大、コンテンツの多様化などを踏まえ、青少年の健全育成に向けた努力に協力すべく、家庭用ゲームソフトの販売について自主的な規制を導入するに至ったとのことだ。
CESAでは今後、全国の家庭用ゲームソフト販売店に協力を働きかけ、CEROレーティング制度に基づき「18歳以上対象」となった家庭用ゲームソフトは、18歳未満のユーザーには自主的に販売を規制することに決定。各販売店には、「明らかに18歳未満とわかる購入希望者については『18歳以上対象商品』であることを説明し、販売しない」、「18歳未満でも親や保護者が同伴し、その同意のうえであれば販売する」、「18歳未満かどうか判断がつかない場合は、販売店側で年齢確認を行う」ことで、年齢区分に合ったユーザーへの販売を徹底していくという。さらに、各ショップ店内では「『年齢区分』を認識しやすい陳列の工夫」、「ポスターやパネルなどを用い、店頭におけるレーティング制度の告知を強化」を推進し、CEROレーティング制度の認知度を高めるとともに、青少年を取り巻く各都道府県の行政、団体に向けても情報発信を定期的に行いたいとしている。
またこれらに加えて、コンテンツアイコン表記を含む、パッケージ表記の改善も検討しているとのことだ。
家庭用ゲームソフト販売自主規制は、全国のゲームショップをはじめ、家電量販店、コンビニエンスストア、eコマースサイトなども対象となっており、7月中旬~8月上旬にかけて進めていく予定。小松氏は、「現在、流通委員会から販売店へお願いをしている状況だが、約95%の店舗から賛同を得ており、できるだけ協力をしてもらえるという目処がついたため、本日の会見にいたった。販売店にも店舗数、販売形態、購買層などさまざまな事情があるため、多少の時間はかかるかもしれないが、販売店のできる範囲で協力をしてもらいたいと考えている」と述べた。
和田氏は、「ゲームソフトが世間に受け入れられ、非常に影響力があることを業界全体が受け止め、問題を認識することが重要。自主規制を敷くことによって、結果的にユーザーの裾野が広がり、ゲーム産業がより発展していくと考えている。今回の取り組みは“ゲームは悪影響を及ぼすものだ”という印象を与えないために、網羅的にできるところからどんどんやっていきたい。対行政という取り組みではなく、自分たちでやることで、行政やユーザーの信用、安心を得たい。東京ゲームショウでも積極的にアピールし、個人的には年内を目処に、家庭用ゲームソフトの販売自主規制を普及させたい。」とコメントしている。
CESAは、CEROレーティング制度で「18歳以上対象」となったゲームソフトの販売を自主規制すると発表。流通の協力を仰ぎ、7月中旬より全国のゲーム取扱い店舗で順次実施するとしている。
和田氏は「販売自主規制は流通側にお願いするという形だが、問題意識を共有することが重要だと思う」とコメント。
CESA流通委員長の小松氏によれば「今回の自主規制については、流通の大部分から賛同を得ている」とのこと。業界全体で消費者や行政に向けて、レーティング制度ならびに対象年齢どおりの販売・購入呼びかけを進めていく方針だ。
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・社団法人コンピュータエンターテインメント協会