2005年7月29日(金)
『ガンパレード・マーチ』といえば、原作の発売後にアニメ化や小説化が行われるなど、現在でも根強いファンを持つ人気タイトル。“幻獣”と呼ばれる生物との戦いが続く1999年の熊本の戦車高校を舞台に、個性的な26人のキャラクターによる学園生活が展開した。
ゲームに明確な目標は設定されておらず、プレイヤー次第でどこまでも自由に遊ぶことが可能。『式神の城』シリーズや『絢爛舞踏祭』などの世界ともつながりを持っており、これらの周辺作品を取り巻く「世界の謎」を追いかけるという楽しみ方も、ファンの間では話題となった。
今回発表された『ガンパレード・オーケストラ』は、『白の章』、『緑の章』、『青の章』の3作品で構成される。2005年末の『白の章』発売を皮切りに順次、各章がリリースされる予定。以下、登場キャラクターと舞台設定を中心に、『白の章』の世界観を紹介しよう。
■ストーリー・舞台
第108警護師団はほとんど車両を持たないがゆえに機動力がない部隊である。 勢い、警備が中心となっている二線級部隊であり、主として北海道との連絡線を防衛することを任務としていた。 北海道には精鋭師団が揃っており、海には護衛艦隊が警備にあたっていた。第108警護師団は、文字どおり安全地帯での二線級部隊だったのである。 そして、そこを狙われた。 九州作戦が頓挫した幻獣は、次なる目標を策源地である北海道と本州を繋ぐ青森に絞り、強襲をかけてきたのである。 青森は各地で分断され、108警護師団は小部隊ごとに分散したまま混乱の中で各自防戦することになる。 春になれば家に帰れるだろうと思っていた少年兵達は、雪を敵とし、あるいは味方として幻獣達と戦いを開始した。 ヒロイン天国小隊は、女性が強い歩兵部隊である。 強い女、優しい女、可憐な女、女みたいな男、…様々な女と女でない者が織り成すストーリーが展開する。 |
上記の導入ストーリーにあるように、『白の章』の舞台となるのは青森市。九州から青森へとターゲットを移した“幻獣”を相手に戦う、第108警護師団の少年兵たちの活躍が描かれるという。
詳細な時間設定は明らかにされていないが、「“幻獣”が九州を落とせなかった」という事実とスクリーンショット(下記参照)から察するに、『ガンパレード・マーチ』のストーリーから約半年後、1999年12月からの数カ月間の物語になりそうだ。
■キャラクター紹介
石田 咲良 (いしだ さら) | 横山 亜美 (よこやま あみ) | 小島 航 (こじま こう) |
秀才でナルシスト、そして高いカリスマ性を持っている。その才能を買われて、第108警護師団の指揮官を担当。15歳。 | 3歳から剣道の英才教育を受けている。少年漫画が好きで、「ぶっとばします」が口癖という意外な一面も。16歳。 | 女性と見間違えられるほどの美少年。強い正義感を持っており、指揮官の“咲良”とはそりがあわないらしい。17歳。 |
村田 彩華 (むらた さやか) | 竹内 優斗 (たけうち ゆうと) | 谷口 竜馬 (たにぐち りょうま) |
幼い頃には“天才”と呼ばれていたが、受験では連戦連敗の苦渋を味わった。周囲から頼りにされる人物。21歳。 | 「翼のあるものなら何でも乗りこなせる」という立派な才能を持ったパイロット。人がよく、常にニコニコしている。18歳。 | “航”の幼なじみで、ガッチリとした体と長いもみあげが特徴。好きな言葉は「謹厳実直」。17歳。 |
鈴木 真央 (すずき まほ) | 佐藤 尚也 (さとう なおや) | 渡部 愛梨沙 (わたなべ ありさ) |
かわいらしい容姿と芯の強さを持ち合わせている。戦争疎開中に、ある秘密を抱えることになる。15歳。 | “真央”のボーイフレンドで、彼女を守ることを心に誓っている。第108警護師団の最年少。13歳。 | “尚也”を追って前線まで来た一途な少女。無防備なところがあり、サービスカットをよく見せてくれるとか。13歳。 |
野口 直也 (のぐち なおや) | 山口 葉月 (やまぐち はづき) | 岩崎 仲俊 (いわさき なかとし) |
平々凡々な人生を歩んできた人物。本人としては平凡と見られるのがイヤらしく、嘘つきになってしまった。18歳。 | 2人の弟妹と“岩崎 仲俊”、そしてたくさんのペットの面倒を見ている。性格はおっちょこちょいでおおらか。16歳。 | 幼い頃から“葉月”の家の世話になっている。“工藤 百華”に恋愛中で、“葉月”に相談を持ちかけることも。16歳。 |
工藤 百華 (くどう ももか) | 菅原 乃恵留 (すがわら のえる) | 吉田 遥 (よしだ はるか) |
心優しい伯父と2人で暮らしている。学園一の美少女とささやかれているが、彼女には重大な秘密が…。16歳。 | スポーツが好きだが発作を抱えており、貧血で倒れることが多々ある。“彩華”のことを尊敬している。15歳。 | 家から離れるために学兵になり、現在は“葉月”の家に居候中。ゲームが趣味で、異常なまでに勘が鋭い。14歳。 |
上田 虎雄 (うえだ とらお) | 小島 空 (こじま そら) | ハードボイルドペンギン |
“ハードボイルドペンギン”と会話できる唯一の人物。外国生まれを理由に、周囲からはいじめを受けている。16歳。 | 小隊の教師を務める“航”の兄。かわいいもの好きで髪を三つ編みにするなど、少し変わった性格の持ち主。24歳。 | シブさが魅力のペンギン。パリ帰りで、かつてヨコハマで探偵事務所を営んでいた経験を持つ。年齢不詳。 |
■登場メカ、幻獣
第108警護師団の隊員が搭乗する人型戦車と、新登場の幻獣の一部を紹介。栄光号と光輝号は、『ガンパレード・マーチ』に登場した士魂号とは異なり、カラーリングが施されている。兵装の種類も豊富で、多彩なセッティンうを楽しむことができそうだ。また、今回は戦闘シーンのスクリーンショットは公開されていないが、各機体の動きがどのようなグラフィックで表現されるのかにも注目したい。
零式栄光号 | 零式光輝号 |
『ガンパレード・マーチ』の99式士魂号(M)の後継機。肩部の軽装甲化や近接防御兵器の搭載など、さまざまな改良が施されている。量産が難しく、一部のエリート部隊と、戦線が突破されそうな部隊にのみ火消し役として配備されるという。また、士魂号同様に、各種の装甲や兵装を変更することが可能。例として、機動部隊仕様では主に零式機関砲、超高度小剣を武器とする。 | 「整備性のいい人型戦車を」という前線の要求から、栄光号とともに開発された量産型の機体。栄光号とは異なり、一般の部隊にも多数配備されている。自動制御をほとんどやめており、操縦をサポートするための兵装運用官が同乗する複座型。機体内部の広さは単座型と同じなので、狭い空間に2人のパイロットが乗ることになる。また、パイロットの身長制限が設定されていることも大きな特徴だ。 |
幻獣アンフィスバエナ |
青森を強襲した新世代の“幻獣”のうちの1体。4本の腕と2本の足を持っており、高い機動力で戦場を動き回る。主力武器は中距離レーザーだが、近接武器として「バカボム」と呼ばれるパンチを使用。 |
■スクリーンショット
気になるゲーム画面だが、グラフィック表現は異なるものの、基本的には前作に近い雰囲気となっている。移動時の画面上には、時間や場所だけでなく、体力や気力、発言力といった表示も確認できる。発言力とは、前作『ガンパレード・マーチ』でも重要だったパラメーター。他のキャラクターとの会話の際に、何かしらの提案をすることで一定量を消費した。会話の結果がキャラクターに影響を与え、表情や仕草がさまざまに変化するというシステムは健在のようだ。
会話シーンでは、『ガンパレード・マーチ』同様に各キャラクターのバストアップが表示される。左写真の“咲良”の照れた顔のように、プレイヤーとの関係や会話の結果によって変わる表情のバリエーションにも注目。 |
青森が舞台の本作らしく、雪が降り積もった屋上。夕焼けや夜空など、時間の経過にあわせて背景も変化する。前作の屋上は恋人になるための告白の場所だったが、本作ではどうなるのだろうか。 |
学園の敷地内には、ハンガーや通信室といった施設があるようだ。さまざまな場所でステータスアップのための訓練ができそうだが、果たして……。 |
なお、『ガンパレード・オーケストラ』はすでにアニメ化が決定しており、2005年末のゲーム発売に先駆けて放映が開始される予定。ゲームの続報とあわせて、アニメの放映開始も期待して待っていよう。
データ
(C)2005 Sony Computer Entertainment Inc./Bandai・BANDAI VISUAL
■関連サイト
・『ガンパレード・オーケストラ』公式サイト
・SCEJソフト情報ページ