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2005年8月22日(月)

スクウェア・エニックスとタイトー、株式公開買付けについての共同会見を開催

 スクウェア・エニックスがタイトーの株式を公開買付けによって取得することを発表したことにともない、本日8月22日18:00より都内ホテルで両社による共同記者会見が開かれた。

 会見には、スクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏、タイトー代表取締役社長の西垣保男氏が出席。今回の発表について、両社長による説明および、来場者からの質疑応答が行われた。

 和田氏は、「ゲーム業界は、次世代機の登場による転換期を迎えている他、ネットワークとコンテンツの融合など多種多様な提携といった動きが大きくなってきている。スクウェア・エニックスとしては、そのような産業構造の変化に対応するための仕上げにかかりたい、ということで今回の株式公開買付けにいたった。業界で起こっている産業構造の変化にどう対応するかという点では、スクウェアとエニックスが合併した時と問題意識は変わっていない」とその経緯を説明。続けて、タイトーをパートナーに選んだ理由を、「展開している業務がかぶっておらず、完全なる相互補完により、シナジーがもっとも効果的にあらわれるのではないかという期待を込めている。また、タイトーさんは、真摯でまじめな企業文化を持つ会社。同じグループとして活動する際に非常に力強い支えになると思い、一緒に事業を展開していきたいと考えた」と語った。

 一方の西垣氏は、「業界が産業構造の大きな変化を迎えていることについて、スクウェア・エニックスと同様の認識を持ち、一企業としてどうとらえるかを考察していたところ、春頃に和田氏から話があった。両社の企業文化に関しても、同種の匂いを感じており、お互いの信頼関係の中で新しい世界に向かって進んでいけると考えている」とコメント。タイミングについても「“待ち人来る”といった感じで、いいご縁だと思っている」と話していた。

 今後の展開については、「今後は上限100%まで、株式の買付けを行っていく。しかしながら、両社の業態や文化はかなり異なっているので、合併はせずに別会社としてお互いに収益の極大化を計っていく予定(和田氏)」とのこと。今回の共同記者会見についても、「同じグループになる最短手段として、我々はTOB(株式公開買付け)を選択した。経営陣をはじめ、従業員、筆頭株主が同じ方向を向いていることがもっとも重要であるということから、両社共同の記者会見を開くにいたった(和田氏)」とコメントしており、両社の絆の強さをアピールしていた。

 質疑応答では、両社長が繰り返す「産業構造の変化」について触れられ、和田氏がその詳細を説明。「昨今では、ゲーム、CD、携帯電話用コンテンツ、カーナビなど、スペックが非常に高くなり、コンテンツサービスの提供が多様化になってしまった。そのため、ユーザーからどのように収益を得るかということが、根本的に変わってくる。私は、複数のプラットフォームを組み合わせ、その組み合わせがどのようになるかによって、新しいサービスやコンテンツのあり方が考えられるのではないかという意識を持っている。このような産業構造の変化に対応するには、総合化が非常に重要であるということから、タイトーの子会社化を決定した」と話していた。株式取得後の具体的な展開例などは明らかにされなかったが、現段階では、アミューズメント施設とモバイルコンテンツのコラボレーションなどが検討されている模様。両社は、展開の詳細が決まり次第、随時発表していくとしている。

スクウェア・エニックスの和田社長は、共同会見で経緯を説明。「タイトーさんを我々のグループに迎えたいと思い、その実現の最短手段としてTOB(株式公開買付け)を選択した」とコメントした。

タイトーの西垣社長は、「長い歴史を持つゲームセンターも変わる時期に来ている。スクウェア・エニックスさんのセンスを取り入れて、AM事業が変化する実験などを行いたい」と意欲を語った。

両社の連携を示すとおり、和田氏と西垣氏はがっちりと握手。お互いの会社名やブランド名は、そのままとのことだ。


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■関連サイト
スクウェア・エニックス ニュースリリース(pdf形式)
スクウェア・エニックス
タイトー