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2005年6月7日(火)

DSや「Revolution(仮)」の今後の展開が明らかに!任天堂経営方針説明会

 任天堂は本日6月7日都内ホテルにおいて、報道関係者やアナリストなどを集め、2005年度の経営方針説明会を行った。

 説明会には、代表取締役社長の岩田聡氏をはじめ、専務取締役の宮本茂氏、波多野信治氏ら同社役員が出席。岩田社長のプレゼンによって、DSや「E3 2005」でスペックが初公開された据置型ゲーム機「Revolution(仮)」の展開などについて詳細な説明が行われた。

●任天堂の基本戦略
 岩田社長は同社の基本戦略を語る前置きとして、以前より話題にのぼっている「ゲーム離れ現象」に触れ、「以前は遊んでいたけど最近は時間がない、最近のゲームは複雑で難しいという人がいると思う。そういう人たちに再びゲームを楽しんでもらえるゲームを開発していく、こういった問題を解決していくことが任天堂の使命であると考えている」と話した。続けて日本と北米のビデオゲーム産業の市場データを比較し、北米は市場の成長は続いているが、売れるソフトと売れないソフトの差別化が進むなど、日本のゲーム市場が変化する前の様子に似ていることから、「いつまでも健全な成長をしていくとは思えない(岩田氏)」と指摘する。
 このような状況を踏まえ、岩田社長は「世界中の1人でも多くのユーザーに任天堂の製品を受け入れて楽しんだり驚いたりしてもらうことでゲーム人口の拡大を図る、また誰もが同じスタートラインに立ち、特別な知識がなくても楽しめる新しくユニークな商品を提案することで、ビデオゲームの定義を広げていくことの2点を任天堂の方向性として明確にした」と述べた。中でも「ビデオゲームの定義を広げる」という点については、「ゲームが規定のジャンルに縛られるのではなく、枠組み自体が広がり、これまでゲームとは呼ばれなかった遊びを枠の中に取り入れる試みが必要」と説明した。
経営方針説明会は岩田社長によるプレゼン形式で進行。どのような方向性、信念を持って、DSや「Revolution(仮)」を展開していくかが説明された。

●ニンテンドー DSの今後
 ゲーム人口の拡大、ビデオゲームの定義を広げていくことの答えとして任天堂が導き出したのが、2004年末に発売した携帯型ゲーム機「ニンテンドー DS」。DSは15,000円という同社携帯ゲーム機の歴史上でもっとも高価であったにも関わらず、発売半年で国内だけで250万台を越える販売台数を達成しており、この実績は従来のゲームユーザーを満足させながら、新しいユーザーへのアピールを実現しているものと言える。
 岩田社長は上記の方向性を意識して開発した代表的なタイトルとして、『nintendogs』、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』を紹介するとともに、「クラブニンテンドー」によって集計したユーザー比率のデータを公開。DSソフト全体の男女別比率は、男性が約8割、女性が約2割。これに対し、『nintendogs』は女性比率が約4割と、他のタイトルと比較すると非常に女性ユーザーが多いことがわかる。また年齢別に見ると、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』は25歳~34歳の比率が非常に高いという結果となっており、これについて岩田社長は「このデータは、今まであまりゲームで遊ばなかった人がアクティブに動いたという証明だと思う。新しいトライをし、新しい客層にアピールすることができた」と述べている。
 DSの展開については、「コアゲーマー層にも満足してもらえるようなゲームらしいゲームと、『nintendogs』、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』をはじめとする新機軸のラインナップ「Touch! Ganerations」のような、ユーザー層を拡大する新しいタイプのゲームをバランスよく投入していきたい」とのこと。なお、『nintendogs』の新たな試みとして、6月21日より「nintendogs すれちがい中継所」の設置を全国のゲームショップ店頭や駅などで展開が予定されている。
公開されたDS用ソフトのユーザー比率データ。『nintendogs』は4割近くが女性ユーザー、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』は25歳以上のユーザーが半分以上を占めるなど、非常に興味深いデータとなっている。

 また、この説明会では「E3 2005」で発表したDSの無料通信ネットワーク「Nintendo WiFi Connecion」の詳細も発表された。年末までに対応ソフト『マリオカートDS』、『どうぶつの森』の発売が予定されており、これにあわせて国内に1,000カ所の無料アクセスポイントを設置するとのこと。通信費や月額利用料といった追加料金は発生せず、通信対象を友人や知人のみに制限する機能を搭載するとしている。「Nintendo WiFi Connecion」について岩田社長は、「従来型オンラインゲームには“接続の手続きが面倒で難しい”、“月額利用料などの経済的負担”、“初心者の精神的なハードルの高さ”といった課題を抱えており、その結果オンラインゲームの体験率は決して高くないことがデータで証明されている。その問題をよく理解しているだけに、これらの課題をしっかり解決しなければ幅広いユーザーに遊んでもらえないという認識を持っている」と話し、対応ソフト購入者の9割以上がオンラインに接続したことがあるという環境作りを目指したいとしている。
複雑な接続手続きや利用料金といった従来のオンラインゲームが抱える課題を解決したうえで展開される「Nintendo WiFi Connecion」。対応ソフト購入者の9割に体験してもらうことを目標としている。

●据置型ゲーム機の今後
 任天堂は、ハード性能を向上させ、ゲームをより豪華でリアルにすることだけでは、「ゲーム離れ現象」への答えにはならないと認識しているとのこと。岩田社長は「一般家庭において、敵視されず、家族みんなが興味を持つものという位置づけを実現したい」と述べており、「ゲーム機を敵視するお母さんたちを味方につける」ために、コンパクトさ、静かで消費電力が少ないことなどを重視し、「Revolution(仮)」の開発を進めているという。GCとの互換性については、ソフトはもちろん、コントローラ(ウェーブバード含む)、メモリーカード、タルコンガ、マイク、マットコントローラなどがそのまま使用できる。そして、これまでのソフト資産が活用できる「バーチャルコンソール」に関しては、ファミコン、スーパーファミコン、Nintendo64のすべてのソフトに対応する予定。有償のダウンロード販売が基本であるが、キャンペーンなどさまざまな用途で活用することも視野に入れているとのことだ。
 また、岩田社長は「現在の市場ではあらゆるゲームソフトが大作化する傾向にあり、豪華でプレイ時間が長くなる作品が多い」と指摘。次世代機では開発費の高騰により、あらゆるソフトが値上がりすることが危惧されているが、「Revolution(仮)」では『ゼルダの伝説』のような大型商品と、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』のような毎日10分程度遊べるようなコンパクトな商品の両方が成立するダイナミックレンジの広い市場の実現を目指すとしている。
 現時点では公開されていない「Revolution(仮)」のコントローラや機能、発売日、価格、ソフトラインナップなどは2005年内の発表を予定しているとのこと。説明会で岩田社長は何度も「すばらしい高性能スペックが未来を切り開くことは否定しないが、任天堂はあえて異なる道を行く。大切なのはアイデアだと思う」と話していただけに、今後の動向から目が離せないところだ。


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