本日2月6日、バンダイは都内秋葉原にてPS2用ソフト『.hack//G.U.』シリーズのプロジェクト発表会を行った。
『.hack//G.U.』は、ゲームソフトやTVアニメ、コミック、映像ソフトなど、さまざまな媒体で展開されたバンダイの人気コンテンツ『.hack』シリーズの新作。全3巻にわたるゲームソフトが今年中に発売される他、4月にはTVアニメ「.hack//Roots」およびラジオ番組の放送開始、携帯電話向けサイトのオープン、本作をメインに取り上げた専門誌「.hack//G.U.The World」の発売など、さまざまなコンテンツでメディアミックス展開が行われる予定だ。
本日行われた発表会では、これらの展開を「.hack//G.U.コングロマリット」と題して、バンダイ常務取締役の鵜之澤伸氏がそのプロジェクト内容を説明。鵜之澤氏は、「前作『.hack』発売以前は、バンダイのオリジナルタイトルとしてのヒット作はありませんでした。当時、ナムコでは『ゼノサーガ』というオリジナルRPGシリーズの展開を同時期にスタートし、個人的に仮想敵国として位置づけていましたが、これからは同じ会社としてがんばっていきます」と、まずはバンダイナムコグループのゲームコンテンツ事業統合会社「バンダイナムコゲームス」について触れた。
完全新作となる『.hack//G.U.』に関しては、「前作は全4巻の構成で1作あたりのボリュームが少ないという意見をいただいていましたが、今回は全3巻。全体を通したシナリオも前作の2倍近くになっています。実は、前作はスタート時点では1巻だけのRPG作品として考えていたんですが、制作が進むにつれて関わるスタッフも増え、ボリュームも大きくなったために4巻にわけて発売することに決めました。その流れの中でメディアミックス展開が決まったんですが、『.hack//G.U.』でははじめからさまざまな展開を含むプロジェクトとして進めています」と語った。『.hack//G.U.』プロジェクトの展開は、下記の通り。
■『.hack//G.U. Vol.1 再誕』2006年5月発売予定
■『.hack//G.U. Vol.2 君想フ声』2006年9月発売予定
■『.hack//G.U. Vol.3 歩くような速さで』2006年12月発売予定
2017年のごく近い未来、世界最大規模のオンラインゲーム「The World」を舞台にしたPS2用ソフト。全3巻にわたって、主人公“ハセヲ”と彼に関わる人々の壮大なストーリーが描かれる。
■「.hack//Roots」
2006年4月5日より、テレビ東京系で順次放送開始となるTVアニメ。『.hack//G.U. Vol.1 再誕』から8カ月前、“ハセヲ”がはじめて「The World」にアクセスするところから物語がはじまる。テレビ東京での放映時間は、毎週水曜深夜1:30~。
■「.hack//G.U.」Radio
TVアニメ放映にあわせ、2006年4月から文化放送でスタートするラジオ番組。パーソナリティに声優の櫻井孝宏氏(“ハセヲ”役)、榎本温子さんを迎え、『.hack』シリーズの情報を発信していく。
■「.hack//G.U.The World」
2005年11月より隔月発売されている『.hack//G.U.』の専門誌(角川書店刊)。ゲーム情報だけでなく、コミックや小説など、さまざまなコンテンツが用意されている。
■「.hack//G.U.」Card Game
『.hack//G.U.』の物語の舞台となるオンラインゲーム「The World」をモチーフにしたカードゲーム。2006年6月より発売予定。
■「.hack//G.U.」Net&Mobile Contents
『.hack//G.U.』の携帯電話向けサイトが、2006年3月にオープン。「.hack」の世界のすべてがわかる総合案内所として、これまでに展開されている各コンテンツが紹介される。
■「.hack//G.U.」SHOP&Free Paper
「.hack応援店」となったゲーム販売店に、最新情報やプロモーションムービーを流す「.hack Access Point」を設置。2006年4月からは、FreePaper「.hackey」が配布される。
続いて発表会には、『.hack//G.U.』の開発を担当しているスタッフとして、バンダイビデオゲーム事業部リーダーで統合プロデューサーの内山大輔氏、同サブリーダーでゲームプロデューサーの原田真史氏、サイバーコネクトツー代表取締役社長でゲームディレクターの松山洋氏が登場。前作『.hack』と本作の変更点やゲームシステムを紹介した。
『.hack//G.U.』の主人公は、「The World」をプレイする17歳の少年。さまざまな武器を使いこなす錬装士のゲームキャラクター“ハセヲ”を使って「The World」を楽しんでいたが、ゲームの中で出会った女性キャラクター“志乃”が謎のキャラクター“三爪痕(トライエッジ)”にPK(プレイヤーキル)されてしまい、同時に現実世界の“志乃”のプレイヤーも意識不明の重態に。この事件をきっかけに、“ハセヲ”は“三爪痕”への復讐を誓い、PKK(プレイヤーキラーキラー)を繰り返すようになるが……。
本作の操作は、現実世界のPC上で各種ソフトを動かす「デスクトップ」と、「The World」の中を冒険する「ゲーム内」に分かれている。「デスクトップ」では、他プレイヤーとのメールのやり取りやBBS(掲示板)の参照、ネットニュースの閲覧などを行うことができる。なかでもネットニュースでは、アニメーションで表現された「オンラインジャック」という情報番組が放送されており、「The World」で起こる事件と現実世界の事件がシンクロしていく過程を見ることができるという。
前作との変更点としては、戦闘システムに「スキルトリガー」や「レンゲキ」といったアクション要素が追加されているとのこと。ガードやタメ攻撃、連打攻撃といった要素も盛り込まれており、気の抜けない戦闘が楽しめるようになっている。
さらに、主人公の“ハセヲ”は「憑神(アバター)」と呼ばれる特殊能力を持っており、この力を発動することで「The World」のデータの歪みを正すことができる。しかし「アバター」はキャラクターデータの暴走が生み出す禁断の力で、使うことで何が起こるかわからないという危うさも持っているとのことだ。
また、会場ではシリーズ第1作『.hack//G.U. Vol.1 再誕』にターミナルDisc「THE END OF The World」が同梱されることが発表された。
「THE END OF The World」は、「The World」の開発者の没後に発見された記録ディスクという設定で、中には前作から『.hack//G.U.』へとつながる一連の謎を解き明かす映像が収録されている。このディスクにはプロテクトがかかっており、『.hack//G.U.』各タイトルを進めていくことで中身を参照することができるようになる。
ゲームソフト第1巻『.hack//G.U. Vol.1 再誕』の発売を5月に控え、さまざまなコンテンツのメディアミックス展開が始動した『.hack//G.U.』。3月2日には、前作の廉価版『.hack//Vol.1×Vol.2 PlayStation2 the Best』および『.hack//Vol.3×Vol.4 PlayStation2 the Best』が発売されるので、まだ遊んだことがないという人はぜひプレイして新作の発売に備えよう。
架空のオンラインゲーム「The World」を舞台にしたRPG『.hack//G.U.』。他プレイヤーとのコミュニケーションや協力プレイといった、MMORPGならではの楽しみを体験できる。
前作と比べて戦闘システムが大きく変化。アクション要素が増して、攻撃やガード、仲間への支持出しのタイミングが重要になっている。
主人公“ハセヲ”(画像上)と、物語の鍵を握る謎のPK“トライエッジ”(画像下)。“トライエッジ”にPKされたキャラクターは、データがなくなるとともに、そのプレイヤーも意識を失ってしまう。
『.hack//G.U.』では、「.hack//G.U.コングロマリット」としてさまざまな企業がプロジェクトに参加。発表会には、各企業の担当者が多数出席した。
(C)2006 BANDAI
データ
▼『.hack//G.U. Vol.1 再誕』
■メーカー:バンダイ
■対応機種:PS2
■ジャンル:RPG
■発売日:2006年5月
■価格:未定
▼『.hack//G.U. Vol.2 君想フ声』
■メーカー:バンダイ
■対応機種:PS2
■ジャンル:RPG
■発売日:2006年9月
■価格:未定
▼『.hack//G.U. Vol.3 歩くような速さで』
■メーカー:バンダイ
■対応機種:PS2
■ジャンル:RPG
■発売日:2006年12月
■価格:未定
■関連サイト
・『.hack』シリーズ総合サイト
・バンダイビデオゲーム
・バンダイ