青山劇場にて8月22日まで公演される「サクラ大戦・歌謡ショウファイナル公演『新・愛ゆえに』」。10年にわたって行われてきた「歌謡ショウ」も、今回の「新・愛ゆえに」でいよいよその幕を閉じる。
「歌謡ショウ」は、毎年夏に公演されてきた『サクラ大戦』出演声優らによる舞台劇。1997年の「愛ゆえに」から10年、東京厚生年金会館、青山劇場を中心に行われ、舞台と客席の一体感を創出した新しい舞台劇としてファンに感動を与えてきた。
今回の公演は、帝国歌劇団・花組の日常を描いた舞台劇(1幕・2幕)と、ミュージカル仕立ての「新・愛ゆえに」(3幕)の3部構成。毎回新しい試みがなされ、これまでにもアイリスが宙を舞ったり、光武が出てきたりとゲームやアニメの“サクラ大戦”を再現した演出が用意されてきた「歌謡ショウ」だが、今回も演出面においては、ゲームの世界が巧みに再現されている。特に今回は、その物語性からゲームの世界をちらつかせる部分が多々あったといえる。
舞台の物語は、米田一基と藤枝かえでが賢人機関と交渉を重ねている中、元賢人機関の科学者であった暗闇博士が帝都崩壊をもくろみ、人造人間として生み出したモンスターを帝都に放つところから物語が始まる。今回は、帝国歌劇団(華撃団)・花組と不死身のモンスターの戦いが、2幕にわたって描かれており、花組の舞台裏を描いている楽屋シーンのコントで会場を笑いに包み込んだと思えば、「さくらが死ぬ」というシリアスな場面もあったり、はたまた目の離せない殺陣アクションがあったりと見どころ満載。3幕に上演される「新・愛ゆえに」を含め、新曲が多数用意され、また、凝った舞台セットや田中公平氏の生オーケストラ演奏も舞台を盛り上げる要因となり、まさにファイナルにふさわしい集大成的な舞台に仕上がっていた。「新・愛ゆえに」の公演時間は、通せば3時間30分弱という長丁場。以下、その公演内容をダイジェストでお届けしていこう。
| | | 前説はおなじみのお掃除お兄さん(広井王子氏)と親方(中嶋聡彦氏)。最後の「ゲキテイ!」に備えて振り付け練習も。 | 今回の前説にはダンディ団も登場。来場者たちに公演にあたっての注意事項は「前説ソング」なる歌で! | 開幕は花組による「イッツ・ショウタイム」。毎回新しい何かを見せてくれる花組たちだが、今回は見事なタップダンスを披露してくれた。 | |
| | 薔薇組による瀕死の白鳥。会場内は大きな笑いに包まれる。 | 「朝日のように」、「花を抱きよせ」、「神の光」、「浜風ジョニー」、「あなたが楽しければ」の5曲が矢継ぎ早に披露される。 | |
| | | ところ変わって、舞台を終えた花組が後片付けの最中という楽屋シーン。あのカンナ妄想が“乙女の夢”に! 今回は何が飛び出す!? | 第1幕の最後は花組とモンスター一味とでダンスバトル。殺陣と踊りを盛り込んだ戦いは必見! | |
| | 幕間にはおなじみの3分間ショッピング。さて、今回の紅蘭の発明品は!? | 第2幕では、真宮寺さくらがモンスターの襲撃を受け、命を落としてしまう。医療ポッドでさくらの治療を試みる花組だが……。 | |
| | 最大の見せ場となるモンスターとの戦い。回転する足場、トランポリンなどの舞台セットを駆使した、激しい殺陣アクションを繰り広げるファイナルバトル。大神隊長や復活を果たしたさくらが目の離せない見せ場が盛りだくさん! | |
| | | 「新・愛ゆえに」は第1回公演「愛ゆえに」の再演。オンドレ(さくら)とクレモンティーヌ(マリア)の悲劇を描いている。新曲により新たに生まれ変わった劇中劇に注目だ。 | |
| そして感動のフィナーレ。舞台と客席の一体感も、この歌謡ショウならではのもの。最後はファンも一緒に「ゲキテイ!」。 | |
今回の「サクラ大戦・歌謡ショウ ファイナル公演『新・愛ゆえに』」は、8月20日公演と千秋楽公演が期間限定でブロードバンド配信される他、2006年12月にDVD-BOXが10,500円(税込)発売されることが決定している。それぞれの詳細は下記の通りとなっているので、劇場で足を運べなかった人はブロードバンド配信やDVDで、花組たちの最後のファイナル公演となる花組のファイナル公演を観ておくといいだろう。
データ
■「サクラ大戦ドットコム」ブロードバンド配信メニュー
・「サクラ大戦歌謡ショウ『新・愛ゆえに』 8月20日夜公演!」
【配信期間】2006年8月21日13:00~9月10日17:00 ※期間限定配信
【利用料】1,000円(税込)
【内容】8月20日夜公演を収録した本格的舞台映像などを予定。
【内容量】約3時間 ※当日の公演状況で内容量が変動。
・「サクラ大戦歌謡ショウ『新・愛ゆえに』千秋楽公演!」
【配信期間】2006年8月28日13:00~9月10日17:00 ※期間限定配信
【利用料】1,000円(税込)
【内容】チケットの入手が困難な8月20日千秋楽公演の舞台映像をあますことなくすべて収録。
【内容量】約3時間 ※当日の公演状況で内容量が変動。
▼「サクラ大戦・歌謡ショウ ファイナル公演『新・愛ゆえに』」DVD-BOX
■発売時期:2006年12月
■価格:10,500円(税込)
■「サクラ大戦・歌謡ショウ ファイナル公演『新・愛ゆえに』」出演者※敬称略
<帝国歌劇団>
横山智佐(真宮寺さくら)/高乃麗(マリア・タチバナ)/西原久美子(アイリス)/渕崎ゆり子(李紅蘭)/田中真弓(桐島カンナ)/伊倉一恵(レニ・ミルヒシュトラーセ)/折笠愛(藤枝かえで)/陶山章央(大神一郎)
<薔薇組>
矢尾一樹(清流院琴音)/松野太紀(丘菊之丞)
<ダンディ団>
園岡新太郎(ダンディ・団耕助)/西村陽一(西村ヤン太郎)/武田滋裕(ベロムーチョ武田)
<ゲスト>
富沢美智恵/真矢武/池田勝/千葉繁/国本武春/三ツ矢雄二
<スペシャルゲスト(日替わりゲスト)>
郷里大輔(太田斧彦/薔薇組 15日・16日出演)
岡村明美(藤井かすみ/帝劇三人娘 18日・20日出演)
増田ゆき(榊原由里/帝劇三人娘 18日・20日出演)
氷上恭子(高村椿/帝劇三人娘 18日・20日出演)
螢雪次郎(金田金四郎)
■関連サイト
・「サクラ大戦・歌謡ショウ ファイナル公演『新・愛ゆえに』」公式サイト
・サクラ大戦ドットコム
・セガ