News

2006年9月22日(金)

トライエースのXbox360参入第1弾『インフィニットアンディスカバリー』に迫る!

 『ヴァルキリープロファイル』や『スターオーシャン』シリーズなど、本格派A・RPGの開発メーカーとして多くのファンを持つトライエース。先日行われた「Xbox 360 メディアブリーフィング」で、Xbox 360向けの新作『インフィニット アンディスカバリー』が発表された。まだまだ情報が少ない本作だが、トライエース代表取締役の五反田義治氏にお話をうかがうことができた。

 10年前から五反田氏が暖めていた企画だという本作。この作品の魅力について聞きつつ、五反田氏の持つ「RPGとはこういうもの」という信念についても答えてもらえたので、以下にそのインタビューをお届けする。

――『インフィニット アンディスカバリー』ですが、現在は画面写真とイメージイラストが1点ずつのみ公開されているという状況です。どのようなタイトルなのか、概要をお話いただけますか?

五反田氏:全体としてはオーソドックスなRPGです。まだ世界観などは詳しく話せないのですが、システム面で新しいものを見せていきたいと思っています。

――10年前から考え続けていた企画ということですが、当初に思いついたのはどのようなコンセプトだったのですか?

五反田氏:実際には10年前というのも少し曖昧ですね。最初に思いついたのは、この作品のコンセプトというよりも、自分の中の“RPG観”というようなもの。この“RPG観”を構成するいろいろな要素を『スターオーシャン』シリーズといった過去の作品などに少しずつ盛り込んできたのです。今回の作品『インフィニット アンディスカバリー』では、これまで少しずつ盛り込んできたそれらの要素をほとんどすべて入れてみようと考えています。

――今お話しされた五反田さんの“RPG観”とは、具体的にはどのような内容なのでしょうか?

五反田氏:トライエース自体が、過去の作品も含めて“リアルタイム”というものをどう表現するかを考え、いろんなパターンで試してきたんです。例えば戦闘をターン制ではなくリアルタイムにすることで、ゆっくり考えることができなくなったり、同じようなシチュエーションが起きなくなったり、システムそのものが持つ多様性を表現できるんです。でも何も考えずに、“リアルタイム”という要素をゲームに落とし込むと、ただアクション制が強いだけのものになってしまう。過去の作品でも、悩みや迷いがありました。

――多様性というと、ストーリーに分岐を持たせるということもあるのでしょうか? また、演出面について何か特別なことは考えていますか?

五反田氏:私にとってRPGは“シチュエーションゲー”だと思うんです。いろいろなシチュエーションを多く体験するということですね。でも、自分たちの最近の作品でも反省しているのですが、このシチュエーションというものを“楽しむ”のではなく、“見せられている”だけという風になってしまっていると思います。ユーザーが入り込んで体験するという部分が薄れているんですね。そこで“勝手にシチュエーションができていく”という作品にしようと思っています。

――他のハードではなく、Xbox 360だからこそできるという部分は、どのようなところでしょうか?

五反田氏:例えばグラフィックの質を落としたり、何かの要素を削っていけば、これまでのハードでも実現できたものかもしれません。確かにゲームは“ゲーム性”という部分が一番重要なのですが、一方でそれ以外の部分をすべて落としてもいいかというと、そうではないと思います。すべての要素がバランスよく融合して、はじめておもしろいゲームができるんです。

――画面写真では、多数のプレイヤーが同時に多数の敵キャラクターと戦っているように見えます。一見すると、MMORPGの画面にも見えますが……?

五反田氏:“リアルタイム”というコンセプトが、ある部分ではオンラインRPGに近いというのはあるかもしれませんね。スタンドアローンのRPGで“リアルタイム”というコンセプトを実現できたタイトルがこれまでになかったのではないかと思っているので、自分たちは、スタンドアローンでこのコンセプトにチャレンジしたいです。

――Xbox 360には、Xbox Liveというオンラインプレイの環境がありますが、システムに取り入れる予定はありますか?

五反田氏:まだ決まっていませんが、ゲーム自体はあくまでスタンドアローンにするつもりです。でも、何かしらの部分で使うかもしれませんね。

――トライエース作品は、これまでお話いただいたシステム面以外でも、世界観やキャラクターにもファンが多いと思います。本作の物語や登場キャラクターなどについても少しお聞きしたいのですが?

五反田氏:今回の世界観はファンタジーですね。あまり詳しくは話せませんが、イラストに描かれている建物も、物語で密接に関わってきます。主人公も自分でクリエイトするのではなく、これまでの作品のように、確固たる主人公がいるという形になります。

――現時点での開発進行度は全体の何%になりますか? また想定されている発売時期はいつ頃なのでしょうか?

五反田氏:開発の進行度は30%ですね。発売時期も現時点では未定で……。作っているときは、やれることを全部やろうと思っているんですが、いざ完成してみるとやりたいことがほとんどやれてなかったということが結構あります(苦笑)。ですから、今作が集大成、ということにはならず、また次の作品に向かうと思いますね。

――最後になりますが、これまでのトライエース作品ファンを含めまして、本作の発売を楽しみにしているユーザーにひとことお願いします。

五反田氏:やはり本作では、ゲームそのものの“プレイのおもしろさ”という部分に力を入れたいですね。これまで体験したことのなかったようなシステムを盛り込んで、プレイして楽しい作品にしたいと思っていますので、完成を待っていてください。

――ありがとうございました。

数々の名作A・RPGを手がけてきたトライエースの五反田氏。同氏の“RPG観”を、すべて盛り込むという『インフィニット アンディスカバリー』の完成に期待したい。



『インフィニット アンディスカバリー』の画面写真とイメージイラスト。システム面はもちろんのこと、世界観やストーリーも練りこまれたものになりそうだ。

(C)2006 Microsoft Corporation. All rights reserved.

データ

▼『インフィニット アンディスカバリー』
■メーカー:マイクロソフト
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:RPG
■発売日:未定
■価格:未定

■関連サイト
トライエース
Xbox.com