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2007年10月16日(火)

【今週の1本】熱いシナリオに震えろッ!PSP『ワイルドアームズクロスファイア』

 ピュ~ピュルリラ~、ピュルリピュ~ピュピュ~ピュピュ~。はーい、美麗な口笛がモニター越しにも伝わったことでしょう。なんだかPSPのオススメソフトを紹介するって話があったので、8月9日に発売された『ワイルドアームズ クロスファイア(以下、XF)』の魅力について、口笛とともにお届けしようと考えているkbjです。ピューピュルリラー。……意外と口笛をタイプするのが面倒になってきたので、これ以降は脳内で補完していただければ。うん。ごめんなさい、なんだ。

■PSPでS・RPGだけど『ワイルドアームズ』なんだッ!

 『XF』について、まず始めに伝えなければいけないこと。それはハードが携帯機のPSPに、ジャンルがS・RPGになったということでしょう。実はコレ、シリーズ初であり、開発のメディア・ビジョン エンタテインメントにとっても初めての試みだったりします。シリーズにとって新たなチャレンジとなった『XF』。ではでは月並みな表現ではありますが、新しく生まれ変わった『ワイルドアームズ』の魅力を具体的に追って行きましょ。

■熱いキャラとシナリオは健在! 「金子節」に鳥肌立てろッ

 そんなわけで、まずは世界観と物語を紹介。今回の舞台も、荒廃が進む星・ファルガイア。シリーズのファンにはおなじみの惑星ですね。っとと、ここで勘違いが起きるとイカンのでフォローしたいのですが、『ワイルドアームズ』シリーズは共通の世界名、キーワードなどで展開しているのですが、物語&キャラクターの直接的なつながりはありません。ので、『XF』からプレイしても問題なし! むしろいろいろ新しくなった今が入り時!? ま、シリーズを知っていればニヤリな演出もあったりするんですが、ええ。

 さて、そんな『XF』の主人公は、17歳の可憐な少女“クラリッサ”。母親の仇を追って、エレシウス王国という国にたどり着いた彼女は、なんとその国の第一王女と瓜二つだったのです! エレシウス王国は現在、国王が病に倒れ、第一王女は事故に巻き込まれて行方不明というトホホな状態。そんな折、国政を乗っ取ったのが「元老院」という組織です。この元老院の圧政に苦しむ民衆を見かねた“クラリッサ”。彼女は、ある事件をきっかけに、自分こそが行方不明になった第一王女だと名乗るのでした! 王国を揺るがす大きなウソをついてしまった彼女と、国を我が物にせんとする元老院の戦いが『XF』で語られます。

 ちょっと解説じみた文章が続いてしまったのですが、ここからが本題だったり。シリーズ生みの親であるメディア・ビジョン、金子彰史氏。同氏は『XF』では、プロデューサーとシナリオを担当しています。女の子が主人公だろうと、ジャンルがS・RPGになろうと、金子氏の独特なセリフ回し、少年誌顔負けの熱い展開は変わってませんッ! 「今のセリフ、ブルッと鳥肌立ったぜコノヤロー!!」とPSPを持つ手に力がこもった男が私です。2周目の同じシーンでも同じことしてたのが私です。はい。

■S・RPGとしての完成度も高いのです

 先に書いたように、開発のメディア・ビジョンにとって、初のS・RPGとなる『XF』。となると「システム面は平気なの?」と不安になるS・RPGユーザーも多いかと思いますが、そんな心配はいらないのです。HEX(6角形のマス)を採用した戦術性の高いマップ、多彩なクラス(職業)とスキルなど、他のS・RPGに引けを取らない完成度の高さ

 本作のキモであるクラスについて、もう少しツッコンでみましょう。クラスは特定のキャラクターだけに用意された専用クラスと、誰でもなれる汎用クラスがあります。ゲームの進行度によって汎用クラスは増え(16種)、戦闘に突入する前なら自由にクラスを変えることができます。また、各クラスで修得したスキルは、他のクラスに変更した時にもセットすることが可能。『XF』のマップは少々やっかいで、トラップが配置されていたり、パズル要素の盛り込まれたマップも多々あり、よ~く考えてクラス&スキルを組み合わせないと、クリア難易度がドーンと変わります。

 「S・RPG初心者には難しすぎる?」とお思いのアナタ、その点も心配無用。女軍師の“ラブライナ”さんによる、「DER(ダイレクト・イベント・レポート)」がアナタをお助けします。この「DER」、平たく言うと「戦闘開始前の状況報告」。そのマップの地形・配置された敵・仕掛けなどから、34歳の自称・できる女“ラブライナ”さんが、そのマップのポイントを教えてくれます。このアドバイスを聞いた後にもクラスチェンジをすることができるので、「状況を把握して、自分で戦術を考える」というS・RPGならではの楽しみを学びながら、ゲームを進めることができるのです。

■テンポよく遊べる、それって結構重要ですよ

 ストーリー、システム、と紹介してきましたが、『XF』を語る上でもう1つ紹介したい魅力が、テンポのよさです。どっしりTVの前に構えてプレイする据え置きハードと違い、ちょっとの移動時間、空き時間にプレイしたいと思う携帯機だからこそ、このゲーム進行のテンポのよさは重要だと思うのです。『XF』は、その辺もバッチリ。マップスタート前の読み込みはありますが、スキルの効果演出、敵側の行動決定、ステータス画面の呼び出しなどが非常にスムーズに行われるので、戦闘中にストレスが溜まることはほとんどないはずです。

 PSPという携帯機の手軽さ、テンポよく進んでいく戦闘、奥深いキャラ育成&作戦立案、そして熱いストーリー。コレまで紹介してきた魅力が、このゲームの「没頭・没入感」に集約されます。えー、小難しく言わないなら、あらゆる要素が重なりあって、PSPの画面にグイグイッとプレイヤーを引き込む1本になってます。秋の夜長に新型PSP、そのお供に上質なS・RPGの『XF』はいかがでしょーか?

 あ、最後に1つ宣伝をば。9月27日に発売された電撃「マ)王最新号より、『XF』の短期集中連載コミックがスタートしましたッ! 作画は『ひぐらしのなく頃に 鬼隠し編(スクウェア・エニックス刊)』などでおなじみの鈴羅木かりん先生。ゲーム本編の魅力を掘り下げる形で、オリジナルエピソードなどをコミックで楽しむことができます。しかも今号は、秘蔵のゲーム版設定資料企画も載ってますよー。ゲームをプレイしたファンの方はもちろん、これからプレイするという人も、コミック版『XF』をどーぞよろしくお願いしますッ!



シリーズ伝統の熱いシナリオ&キャラクターは継承し、初のS・RPGとしてリリースされた『XF』。システムはシンプルかつ奥深い、PSPにピッタリのじっくり遊べる本格派に仕上がっています。

主人公の“クラリッサ”。親の仇を追ってエレシウス王国にやってきたのですが、国の惨状を目の当たりにして、国を救うために一念発起。本当にイイ子なんですよ……。

“クラリッサ”の率いる騎士団「ブランクイーゼル」に所属する面々。クールな戦士・“フィアース”、熱血少年・“レヴィン”、ちょっと変わり者の肉体派・“ログナー”。男キャラもカッコイイどころがそろってますよ。



ストーリーの盛り上がりどころに挿入されるイベントCGも多数用意されています。

戦闘中は素早い順にキャラクターが行動します。画面上に行動順が表示されるので、先を読んで行動を選択しましょう。



敵を囲むことで発動するフォーメーションアーツや、各クラス特有のスキルを使って、戦局を有利に運ぶことが重要。敵も同様にスキルなどを使ってくるので注意!



本作のキモとなる「DER」。“ラブライナ”さんが、マップごとにさまざまなアドバイスをくれます。S・RPG初心者でもゲームを進めていくにつれて、戦術を練る力が上がっていくはずです。

記事や画面写真では伝わりませんが、なるけみちこさんが作曲、織田かおりさんが歌うオープニング&エンディング曲がとってもイイんです。オープニング曲は公式サイトで配信中のムービーでも聴くことができるので、チェックしてみてください。

そしてコレが電撃「マ)王で連載中のコミック版イラスト。鈴羅木かりん先生が描くもう1つの『XF』の魅力をぜひぜひ楽しんでください!

(C)Sony Computer Entertainment Inc. All rights reserved.

データ

▼『ワイルドアームズ クロスファイア』
■メーカー:SCE
■対応機種:PSP
■ジャンル:S・RPG
■発売日:発売中(2007年8月9日)
■価格:4,980円(税込)

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▼「電撃「マ)王11月号」
■価格:690円(税込)
■発売日:発売中(2007年9月27日)
※毎月27日発売(次号は10月27日発売予定)

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■関連サイト
『ワイルドアームズ クロスファイア』公式サイト
『ワイルドアームズ クロスファイア』非公式サイト
「電撃「マ)王」公式サイト
SCE