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2007年10月9日(火)

萌え格闘ゲーム『アルカナハート』生誕秘話を開発者からバーンと聞いちゃうよ!その3

 10月11日に発売予定のPS2用FTG『アルカナハート』について、開発スタッフにインタビューを行った。

 『アルカナハート』は、同名の人気業務用格闘ゲームと、その新バージョン『アルカナハートFULL!』のPS2移植作品。アーケードでは不可能だった、旧バージョンと新バージョンのキャラクター同士による対戦が楽しめる。
 この他にも、ストーリーモードの音声がフルボイスになっていたり、ギャラリーモードが追加されていたりと、移植にあたってさまざまな点がパワーアップしている。

 1回目2回目に続き、開発秘話を話してくださったのは、アーケード版『アルカナハート』と『アルカナハートFULL!』の開発を担当したエクサム企画統括・さくらいとおる氏。ゲームの企画立ち上げの話から、かなりディープな制作秘話まで、さまざまな情報を語っていただいた。

――“リリカ”は、どういう経緯で誕生したのですか?

さくらい氏:スポーツ系でアクティブな女の子を出したいというのが最初ですね。そこから二転三転し……彼女は難産でした。キャラクターとしてまとまったのは終盤だったなあ。最終的に、悪魔っ子を付け足して、今の彼女になりました。始まりはスパッツです。スパッツからスポーツ少女という部分をどれだけ広げていけるかがポイントかと。

――「始まりはスパッツ」というのは、キャラクターのキャッチとしては響きがいいですね(笑)。角についてはいかがでしょう?

さくらい氏:デザイナーが「ただのツインテールでは弱い!」と思ったらしく、ある日持ってきた彼女のイラストに角が生えていました。「これがウリですっ!」と言っていたので、こうなりました(笑)。

――格闘の動きとしては足技がメインですね。

さくらい氏:ですね。このデザインにした時から、そうしようと思って制作していました。“このは”とは違うスピード系で、“冴姫”とは違う足技系です。その2つを「トリッキー」というスポーツ的な要素でまとめました。あとは、悪魔っ子で羽根が生えているので、空中の技が多くなっています。

――次は“リーゼロッテ”です。これはもうゴスロリですね。

さくらい氏:はい、ゴスロリ少女から始まりました。最初は人形がなく、さっきも言った通り両手にククリを持っていたんですが、武器格闘から今の企画に変更する時に「さすがにこの武器はキツいよね」という話になりました。ですが今度は「こんな小さな女の子が武器も持たずにどうやって戦うんだ」という話になり「かわりに何か武器の代わりになるものがあれば」と。それで「ちょっと影のあるゴスロリ少女が球体間接人形を持ち歩いている」という話が出てきたんですよ。この人形は、最初は足があって、クモのように4本の手足で地面をカチャカチャ歩くという設定だったのですが、ある日、足がなくなっていたんですよ。

――足は飾りだったと(笑)。

さくらい氏:偉い人にはわか――じゃなくて(笑)。本当は理由は、足の無い上半身だけの人形が地面を手で這うように動く方が気持ち悪いだろう、ということです。その後、プランナーから「この人形を収納しておいて、出したら分離して攻撃するという要素を入れたらどうか?」という話を受け、鞄に収納する設定を追加しました。

――“頼子”は魔女っ子ですね。

さくらい氏:彼女も魔女っ子の前に、転々としましたね。眼鏡っ子と三つ編みからスタートして、学園の先生にしよう、といったことを経由している時に、「格闘ゲーム的に「伸びる」キャラクターがいなきゃダメだ」ということになりまして(笑)。そうかと言って、女の子の手足が伸びるのはもう誰が考えたってダメじゃないですか。そこで、伸びるものを持つということになって“ミケ”の登場となりました。“ミケ”がかなり好戦的な性格になった分だけ、頼子の気弱さが強調されていって、戦う気のないキャラクターとなりました。

――続いて、スクール水着で戦う“きら”ですが。

さくらい氏:最初にキャラクターのイラストを並べていった時に「スク水はどうしても欲しいよね!」という話だったんです。が、水着のキャラクターが殴ったり蹴ったりするのはおかしいじゃないですか? でもいろいろな服を並べた時に、スクール水着を外すわけにはいかないと!

――……ええ。そうですね。外せませんね(苦笑)。

さくらい氏:どうやってスクール水着のキャラクターで戦うのかを考えたんですが、泳いでいれば水着を着ていてもいいじゃないですか? じゃあ常に泳がせる必要があるということで、常に“きら”の周りに水があればいいという発想で“スライム”がつき、そのデカい“スライム”が攻撃をすることで、パワーキャラを作れると同時にデカキャラも作れると思ったんです。

――おおお。なるほど。

さくらい氏:すべてにおいて、理にかなったスク水キャラができると。そうなったら外すわけにはいかない、どうしても出したいという作り方でしたね。この作り方はなかなか画期的だったと、今でも思います!

――“フィオナ”はメイドに手甲がついたキャラクターですね。

さくらい氏:メイドはいまだに強い要素ですしね。そこから始まって、デザイナーがデカい剣のキャラクターを出したいということで持たせました。そんなに困ったことはないキャラクターでしたね。“冴姫”と関係を持たせた上で、あとは“ミルドレッド”との絡みでわかりやすく「お姉さま、大好き」というアプローチを入れました。

――では最後の“ミルドレッド”というのは、“フィオナ”との組み合わせで考えられたと?

さくらい氏:そうですね。“神依”と“このは”の関係と同じで、仕える人がいないとメイドの意味がないですからね。最初のコンセプトは宝塚系でした。当初は軍服みたいな服だったんですが……何があったのかな?(笑) 萌えなかったのかな? 身体のラインを見せる服にして胸を見せたいとか、デザイナーからさまざまなこだわり要望が出てきまして、軍服から変えました。ラスボスなので、ここだけファンタジー要素を入れた服にして、ちょっと他のキャラクターと差をつけようというのもあります。他のキャラクターよりは年上なので、スタイルもいいという考えです。胸だけでなく、足の美しさも見ていただきたいです。

――なるほど。これで全キャラクターの生い立ちが出ましたね。次回は『アルカナハート』が実際に稼動した時の様子や、PS2版の要素についてお聞きしていきたいと思います。

(C)EXAMU Inc. /AQI

データ

▼『アルカナハート』
■発売元:AQインタラクティブ
■開発:エコールソフトウェア
■対応機種:PS2
■ジャンル:FTG
■発売日:2007年10月11日
■価格:6,090円(税込)

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■関連サイト
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