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2007年11月17日(土)

【今週の1本】大人の雰囲気漂うPSP用アドベンチャーゲーム『アナタヲユルサナイ』

 日ごろのストレスや疲れをどこで解消するか。人によって選択はいろいろあると思いますが、「楽しく食事する」や「お酒を飲む」などの食事関係の回答は結構あるんじゃないでしょうか。kbjは、お酒を飲みに行くことはそんなにないのですが、ちょっと素敵なバーに行くのもたまにはいいな、と最近思うようになりました。そんなきっかけを与えてくれたのが、今回紹介するPSP用AVG『アナタヲユルサナイ』です。プレイヤーは、父“竹内武雄”の設立した探偵事務所に勤める調査員の“竹内理々子”を操作していきます。数々の困難に立ち向かう彼女の活躍を描いた本作の魅力を紹介していくので、ぜひチェックしてみてください。

■縦に表示することで文字が読みやすい!

 まずソフトを起動させて画面に出てくるのは「本作はPSPを縦に持ってプレイします」という注意書きでした。そうなんです! 本作はPSPを縦にかまえるゲームなんです。
 この縦持ち、情報を聞いてイメージした時から、「操作しやすそうだ」と思っていましたが、実際にさわってみてもすごくよかったです。アナログスティックのある方を下にして左手でPSPを持ち、親指で「Rボタン」を押して決定や会話を進め、右手でアナログスティックを使用します。「それなら普通に構え、アナログスティックとボタンで操作すればいいのでは?」と思う人もいるかもしれません。これまでのアドベンチャーゲームは、イラストの下にメッセージを表示するため、長い文章を表示できなかったり、長い文章を表示しようとすると画面の上に文字をかぶせて表示する必要がありました。本作は縦長の画面の上下にメッセージを表示するので、画面が狭くなることはありません。また、画面に人物を大きく表示できるため、現在の状況を理解しやすいゲームになっています。加えて、縦長の画面をいかしたミニイベントも用意されているので、お楽しみに!

PSPを縦持ちにして遊ぶ本作。操作する上で違和感はまったくないのですが、これまでにない持ち方をするので、長時間プレイした後には手首がちょっと疲れたkbjでした。

■細かなシステムも白眉なんです。

 PSP用のアドベンチャーゲームで縦持ちにすることで、ゲームシステムもすごく使いやすくて感動した(ちょっとオーバー?)ので紹介していきます。
 「Lボタン」は、スキップしたい時に使います。一度読んだ文章を、高速で表示するこの機能。現在見ている文章だけでなく、これから表示される文章をUMDから先読みするという、難しいことをサラッとやっているのです。その途中にイベントシーンが入ると、演出などもしっかりと描写しつつ、素早く次のシーンに移行。ビデオで言うところの早送りの機能ですね。最初のプレイで使用することは少ないかもしれませんが、2周目や少し前のデータからやり直す時は楽に進めるでしょう。
 また、画面の下には十字ボタンの使用方法が表示されています。そんなに難しい使用方法ではないのですが、「捜査状況を確認できる、「REPORT」はどのボタンだっけ?」という際に、マニュアルが常に見えるのは親切だと感じました。加えて、過去の「LOG」を読み返したり、「SAVE」や「LOAD」にかかる時間はとても少なく、快適! ここらへんも、遊びやすいユーザーライクな仕様でとても好印象でした。

イベントシーンでは、縦に長いイラストを生かし、キャラクターのさまざまな場所に注目したりもします。選択場所によって、相手を肯定したり、否定したりもするので、意外と気はぬけません。だって探偵ですから!

■個性的で味のあるキャラクターが登場

 探偵のアドベンチャーゲームですが、主人公が女性ということもあってか、ハードボイルドという雰囲気ではないように思えました。しかし、キャラクターの魅力がないわけではありません! これまでにあまりなかった、女性でやや直情的な性格の持ち主である“竹内理々子”は、どこか大人になりきれないところがあり、周りの人とよく衝突します。最初はちょっと利己的で好きになれなかった彼女ですが、シナリオを進めていくうちに、周りの人にも支えられながら、人間的に成長もしていき、感情移入できるようになっていました。
 また彼女以外にも、仕事はできるがゲイの調査員“木崎ユウジ”や、発明が好きな“坂本”など、味のあるキャラクターが多数登場します。特に、登場直後からこれまでにないキャラクター性を出していた“坂本”は、以後出てくるだけで笑うほど、ツボに入ってしまいました。

キャラクターデザインを担当したのは、ファッション性の高いイラストで、男女を問わずに受け入れられている、たかなししん氏。ゲームの随所で、同氏のイラストを存分に堪能できます。

■横をがっちり固める豪華スタッフ

 本作のシニアプロデューサーは、数々のアドベンチャーゲームを手がけてきた麻野一哉氏。音楽を生かす演出を、自らの手で施しているというので、同氏のファンは安心していいのではないでしょうか。そして音楽を担当するのは、『ファイナルファンタジー』シリーズの音楽などを担当した植松伸夫氏。本作に登場する音楽は、物語や世界観にマッチするものが多く、あとから頭の中で反芻してしまう曲が多かったように感じました。特にエンディングで流れる曲は必聴です! 他に個人的にオススメなのは、大人の雰囲気漂うバーで流れるサックスを用いた曲。お酒を飲まずとも、こんな雰囲気のある店なら、たまには疲れを取りに足を運んでみるのもいいのではないでしょうか。ちょっと重めの扉を開けて、新たな世界を楽しんでみたいと思いました(ジャズは結構好きなkbj)。

(C)AQ INTERACTIVE 2007

データ

▼『アナタヲユルサナイ』
■発売元:AQインタラクティブ
■開発:キャビア/ZENER NET WORKS
■対応機種:PSP
■ジャンル:AVG
■発売日:発売中(2007年11月15日)
■価格:5,040円(税込)

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■関連サイト
『アナタヲユルサナイ』公式サイト
AQインタラクティブ