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2007年12月19日(水)

すばらしい「かみさま」になる秘訣とは?『PATAPON(パタポン)』インタビュー!

 明日12月20日にSCEから発売されるPSP用ソフト『PATAPON(パタポン)』。その制作に携わったゲーム・デザイナー小谷浩之氏にインタビューを行った。

 本作は、4種類のドラムを打ち鳴らすことで、「パタポン」というキャラクターたちに指令を下していく「コマンドカーニバル」という新感覚ゲーム。太鼓の鳴らし方を変えることで「進め」、「戦え」、「守れ」などさまざまな命令を出すことができ、ゲーム内で「かみさま」となるプレイヤーは、それらのコマンドを駆使して「パタポン」たちを「セカイの果て」へと導いていくことになる。以下に、『PATAPON』を制作するにいたった経緯や、制作中のエピソードなどを掲載していくので、ぜひご覧いただきたい。

――まずはじめに、本作が生まれたきっかけについてお話ください。

小谷氏:まず最初に、インターリンクという海外のアーティストのエージェントをやっている会社を通じて「パタポン」の生みの親と出会いました。その人は、フランスで「オリートランド」というWebサイトを運営しているFlashクリエイターで、そのページに強烈に目を引き付けてやまないキャラクターがいたんです。

――それが「パタポン」との出会いというわけですね。

小谷氏:そうです。それが、まだ名前のないころの「パタポン」でした。それを見た瞬間、もう一目ぼれでしたね。まさに「君の瞳に恋してる」というか。その時すぐに、このゲームのイメージが頭の中で思い浮かんだんですよ。で、その恋を成就させようという熱意でゲームを作り上げました。

――それまでは、まったく本作の構想はなかったんですか?

小谷氏:「パタポン」が動いている姿を見た瞬間でしたね。とてもプリミティブな彼らが活躍している世界や、その空気みたいなものをFlashから感じ取って、本作が生まれました。

――続いて、制作を振り返ってみて、印象的な出来事や苦労したなぁという点があったら教えてください。

小谷氏:苦労の山でしたね(笑)。まず本作を作るにあたって原点にあったのが「今までにないゲームを作ろう」というものだったので、最初は何を基準にして考えればいいのかわからないという状況でした。ただ、どうしても「パタポン」たちが戦う原始的な姿、そして荒野に響く太鼓の音――そういったイメージが最初にあって……。それこそが国境さえも超えて、たくさんの人たちの魂を揺さぶってくれるんじゃないかな、と。それを伝えるためには、ただ単にキャラクターのよさを引き出すだけでは足りなくて、彼らが内に秘めている何かを見せてやらなきゃいけない。そこをゲームにしなければいけないという思いがありました。

――そこで、今のゲームのような形になったんでしょうか?

小谷氏:いいえ、すぐに今のような形になったというわけではないんです。ただ、その時点で音を使ったインターフェイスを作ろうということは決めていました。でも、これまでにあったリズムゲームのように、指示された音を正確に入力していくのではなく、ユーザーが主体的に音を打ち込んでいくことでゲーム世界をいろいろ変えていけるものを目指そうということは考えていました。それが第1歩でしたね。

――確かにそういった部分は、今遊べるものにもしっかりと表れていますね。

小谷氏:そこからすぐに、太鼓を使って彼らに命令を出していくアイデアはすぐに思いついたんですね。そこからインターフェイスを考えたわけですが、最初はとても複雑で……「パタポン語」とでも言うべきものになっていましたね。

――「パタポン語」ですか?

小谷氏:はい。例えば「歩け」のコマンドに「急いで」という要素を付与することで「走れ」になったりだとか、この「急いで」というコマンドには「強く」という意味を持たせてあって、他の指令に組み合わせても使うことができたりだとか、1つの言語のような感じですね。今となっては、どんなコマンドがあったか正確に思い出せないんですが。それはそれで楽しかった記憶があるんですが、とにかく煩雑で……。アイデアを説明する時に、僕自身もコマンドを思い出せなかったりしたんですよね(笑)。それをどう乗り越えたらいいかという部分には相当悩みましたね。

――では、どんなキッカケがあって、現在のような入力形態になったのでしょうか?

小谷氏:それには、「パタポン」という名前が生まれた経緯が関係してくるので、そちらから話しましょう。企画が動き出してからしばらくして、「オリートランド」の作者であるRolitoさんとコミュニケーションする機会をいただきまして。まだ名前がなかった彼らに、ぜひゲームの引きになるような名前を考えてもらえないかって相談していたんですよ。そうしたらいろいろと考えてくれて、その中に“PATAPON”という名前があったんですよ。「どういう意味なんですか?」と聞いたら、古いフランス語で、「子ども」という意味なんだよって教えてくれて、それがとてもピッタリだったんで、決めてしまいました。

――他にはどんな名前があったんでしょうか?

小谷氏:それがですね、全然覚えていないんですよ(笑)。“PATAPON”という名前を目にした瞬間、他の名前はもう考えられませんでしたね。たくさん名前を考えてもらったんですけど。で、「パタポン」の名前を決めた瞬間に、頭の中で何かがつながったんですね。「そうだ「パタ」と「ポン」を、コマンドの音にしよう!」って思いついたんですね。一番使うコマンドに共通して「パタ」と「ポン」を使って、「~~しなさいよ、パタポン」みたいな感じにすればすぐに覚えてもらえそうだなと感じたんです。その時に、「進め」が「パタパタパタポン」で「攻撃」を「ポンポンパタポン」にしようというのはもう決めていました。この体系で行けば、プレイヤーがあまり悩まずにすむだろうなと。

――それは、インターフェイスを使って操作する時に、ということですね。

小谷氏:ええ。プレイヤーが覚えようと思わなくても、覚えてしまうようなインターフェイスというのを目指して作りました。ここが一番大変でしたね。クリエイターがイメージしているものをユーザーに伝えようとすると、絶対に壁みたいなものがあるので、そこを乗り越えるのがゲームを作る時にいつもいつも悩むところですね。

――次に、『PATAPON』の魅力はどこにあるか、どこを楽しんでもらいたいと思って作ったのかを教えていただけますか?

小谷氏:『PATAPON』というタイトルに決まる前は、このゲームを『ウォー・カーニバル』と呼んだりしていました。タイトルに「戦争」っていう言葉があって、実際に戦いもしているのに、殺伐としていなくて、まるで「お祭り」のような楽しい雰囲気というのが、本作の魅力ですね。

――お話を聞いていますと、ひらめきや直感を大事にしてゲームを作っているということが伝わってきますね。

小谷氏:それは、僕のいいところでもあり、悪いところでもありますが(笑)。ひらめきを大事にするといった部分は、『XI[sai]』や『スカイガンナー』の開発に携わっていたころから変わっていませんね。インスピレーションを、いかにしてゲームに落とし込んでいくかという感じでゲームを制作しています。

――確かに、『PATAPON』も短絡的に言ってしまえば「音ゲー」になってしまうんでしょうが、いわゆる「音ゲー」とは違うものに仕上がっていますよね。

小谷氏:あまりジャンルを意識してゲームを作らないんですよ。そこは、後から誰かが決めてくれればいいやって感じがあります。

――では、小谷さんからユーザーに向けてメッセージをお願いします。

小谷氏:今みたいにインターネットが発達していなくて、まだ情報誌もあまり揃ってないようなころって、ゲームの発売をワクワクして待っていたと思うんですよ。で、いざ発売になったら、1つ1ついろいろなことを試して発見していくという楽しみがあった。それを味わってもらいたいですね。『PATAPON』には、ゲームを体験していく中で、わからなかったことがわかっていく楽しみがたくさん仕込んであります。この作品には、驚きが満ちているんで、誰かに聞いて進めてしまうようなもったいないことはせずに、自分のアイデアで「パタポン」たちを操って、すばらしい「かみさま」になってもらえるとうれしいですね。

――ありがとうございました!








(C)Sony Computer Entertainment Inc. (C)Rolito/Interlink.

データ

▼『PATAPON』
■メーカー:SCE
■対応機種:PSP
■ジャンル:ETC
■発売日:2007年12月20日
■価格:4,980円(税込)

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■関連サイト
『PATAPON』公式サイト
『PATAPON』勝手に応援サイト
SCE


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