コーエーは、12月16日に東京・恵比寿ガーデンルームでPS2/PC用MMORPG『信長の野望 Online』拡張パック第3弾発表会を開催した。
この日の発表会は、2006年12月に導入された「破天の章」に続く『信長の野望 Online』拡張パック第3弾について行われたもの。1,000以上の応募の中から抽選で選ばれた、100名のユーザーが参加した。
まずはじめに、コーエー代表取締役執行役員社長・松原健二氏からの挨拶が行われた。松原氏は、『信長の野望 Online』が昨年まで自身もプロデューサーとして関わっていた思い入れの深い作品であることを語り、拡張パック第3弾の名称が「争覇の章」となることを明らかにした。
松原氏の挨拶が終わると、本作の運営プロデューサー・山中肇氏と、開発ディレクター・渡辺知宏氏がステージに上がって、「争覇の章」のポイントとなる「九州三国志」、「大決戦」、「中・上級者向けクエスト」、「戦国絵巻」、「上覧武術大会」の5つについて紹介を行った。
「九州三国志」は、九州の覇権を争う“大友”、“龍造寺”、“島津”の3大名の実装で、これは今までの勢力とは別の形で扱われる。プレイヤーは3大名のいずれかに加担し、九州の有名な戦場を舞台とした「耳川」、「沖田畷」、「今山」などのフィールド型ダンジョン、「府内城」、「佐賀城」、「鹿児島城」などの城型ダンジョンを攻略し、最終ダンジョン「高千穂」の奥で火の化身“カグツチ”が守る「天の逆鉾」を入手するのが目的となる。組する大名は、自分の所属大名とは関係なく選ぶことができるとのことだ。
また、「九州三国志」に登場する“雷神”、“風神”、“弁財天”、“イソタケル”を相手にしたボス戦では、本作で初となる2徒党協力プレイが可能となる。2徒党協力プレイでは、2体のボス敵に対して1徒党ずつ1体のボスと対峙し、ボス敵の協力を阻みながら戦っていくなど頭脳的な編成が、攻略ポイントになりそうだ。
続いての「大決戦」は、従来の合戦とはまた別に行われる大規模戦闘。各軍合わせて100名のプレイヤーが事前に決められた日時に1つの戦場に集結し、3時間という短時間で決着をつけることになる。プレイヤーは自発的に行動する味方武将を助けつつ、敵のプレイヤーや武将と戦闘を繰り広げていく。「大決戦」では、敵武将も自発的に攻め込んでくるため、敵の襲来から味方をいかに守るかも重要になる。
また「大決戦」導入にともない、所属勢力の外交方針をプレイヤーからの投票によって決定する形に改善される。友好度は撤廃され、お互いの意思による同盟締結が可能になる他、相手の意思に関わらず侵攻できるようになるとのこと。
さらに、“真田昌幸”や“直江兼続”など、所属勢力ごとではなく国ごとに所属する武将が追加される。例えば、越後を所有する勢力が信濃を攻め取った場合、信濃に所属する“真田昌幸”、“村上義清”などの武将がその勢力に加わることになる。
なお、従来の合戦は「陣取り戦」として残るという。「大決戦」は最大国力に関わる合戦となり、「陣取り戦」は領土をめぐる戦いとなり、互いに役割の異なる合戦となる。
「中・上級者向けクエスト」は、新参者ゾーン「隠れ里」を出て、勢力に仕官するようになった中級者プレイヤー以降向けのクエスト。勢力に仕官した後の流れを楽しみながら覚えられ、キャラクターを高レベルまで育てる助けとなるようなクエストが多数追加されるとのことだ。上級者クエストには、「剣聖」や「不老不死の薬」をテーマに歴史を舞台とした、オリジナルの長編クエストなどが用意されている。こちらのクエストでは、入手した武器を進化させることができるなどのメリットがあるという。
「戦国絵巻」は、キャラクターがゲーム中で訪れた名所・伝承を挿絵の形で書き記し、いつでも閲覧できるようになるコレクション要素を含んだ新機能。名所・伝承の他にも、ゲーム中に登場する数多くの武将やモンスターも、会話や撃破を行うことで記録されるようになる。「戦国絵巻」は、他のプレイヤーのものも閲覧可能で、どんな武将を撃破してきたかなど自らの足跡を知らせることができる。
5つ目の「上覧武術大会」は、全ワールドから参加可能な対人戦イベント。大会は、1カ月に一回、2週間にわたって開催され、「完全自由」、「配布装備のみ」、「ランダム徒党による個人勝率」など複数のレギュレーションが用意されている。レギュレーションごとに優勝者を決定し、賞品として次の大会まで占有できる強力なアイテム「天下一品」が贈られる。なお、「上覧武術大会」で開催される試合を、他のプレイヤーが観戦することも可能だ。
他にも、ユーザーから要望の多かった「両替商の拡張」をはじめ、「左手装備の開放」、「知行の強化」など多数の要素が追加されることが明らかにされた。また、新グラフィックの装備アイテム、旗指物・立物、キャラクターの顔グラフィックなども追加される。さらに新エリア実装にともない、“大友”、“龍造寺”、“島津”をイメージした音楽など、さまざまなBGMが増えるとのことだ。
なお「争覇の章」は、今後2008年1月にビジネスモデルの発表を行い、2月のテストワールドリリースを経て、3月に正式サービスを開始するという。
「争覇の章」の概要が紹介された後は、「『信On』検定」や「パネルディスカッション」が行われた。「『信On』検定」では、本作の開発や運営のチームが作ったという全30問が出題され、招待されたユーザーを楽しませた。山中氏が「難しくなりすぎないよう、サービス問題も入れました」と語るように、平均点は19.3点と好成績。1位となったユーザーが4名現れたために決勝が行われ、4名全員に賞品が贈られた他、優勝者には松原氏から直接、優勝賞品の新色PSPと映画「茶々 天涯の貴妃」前売券が手渡された。
「パネルディスカッション」では、普段から『信長の野望 Online』を扱っているゲーム雑誌4誌からゲストを招き、山中氏と渡辺氏がユーザーからの質問に答えた。おもに「争覇の章」での新要素に関する質問が多かったが、「ユーザー間の貧富格差」や「生産の知行依存」などの話では、ゲストの切り込んだ質問に山中氏と渡辺氏が押されてしまう場面もあった。なおこれらの問題には、「中級者クエスト」などによる成長促進や、知行の成長を改善することで対処していきたいと答えている。また、「ワールド統合」に話がおよぶとユーザーによる賛否の投票が行われ、圧倒的多数のユーザーが「ワールド統合」に賛成だと答えていた。
最後は、山中氏と渡辺氏からの「5年間(『信On』を)やってきたというのは感慨深い。これからもよろしくお願いします」という挨拶で発表会は締めくくられた。
「破天の章」で実装された職業「傾奇者」を強くしてほしい、というゲストからの言葉には会場からも笑いが。「職業のバランスは、傾奇者だけでなく全体の調整を行う必要があるので難航しているが、現在調整中です」と山中氏の回答があった。
左から渡辺知宏氏、松原健二氏、山中肇氏。『信長の野望 Online』は松原氏が初プロデュースを行った作品ということもあり、非常に思い入れの深い作品であると語っていた。
「『信On』検定」は質問に4択で答える形で行われた。問題は、「開かない門」に関するマニアックなものや、選択肢に江戸時代後期の人間である井伊直弼(『信On』には当然登場しない)が含まれるサービス問題など、バラエティに富んだものだった。
初の実装となる「2徒党による協力プレイ」。渡辺氏も「2徒党間のコミュニケーションが行えるように考えている」と語り、徒党間の連携がボスを倒す鍵となりそうだ。
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データ
▼『信長の野望 Online ~破天の章~』パッケージ版
■メーカー:コーエー
■対応機種:PS2/PC(Windows98/Me/2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■発売日:2006年12月13日
■価格:7,140円(税込)
▼『信長の野望 Online』
■メーカー:コーエー
■対応機種:PS2/PC(Windows98/Me/2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■サービス開始日:2004年6月12日
■プレイ料金:1,260円(税込)/30日間
※キャラクタースロットを追加する場合は1,575円(税込)/30日間
■関連サイト
・『信長の野望Online』公式サイト
・GAMECITY
・コーエー