今回より始まりました新企画「電撃オンライン ファーストインプレッション」。このコーナーは、DOLスタッフが新作タイトルをプレイしてみた感想などを書いていくというもので、いわゆるレビューとは違った形で新作タイトル購入の際の参考にしてもらえたら、と思います。
というわけで、栄えある第1回を担当する村田(仮)です。こんにちは。初回となる今回紹介するのは、先日発売されたばかりのPS2用ソフト『オーディンスフィア』。制作は、セガサターンで発売され、隠れた名作として人気を博したアクションRPG
『プリンセスクラウン(以下、プリクラ)』を手掛けた神谷盛治氏が率いるヴァニラウェアということで、ファンなら期待が高まるところです。ちなみに『プリクラ』は、PSPにも移植されているので、興味のある人はこちらもプレイしてみるといいでしょう。
■父の寵愛を求め健気に戦う(以下略)
「5つの災厄」と世界の終焉が記された予言が残る「エリオン大陸」を舞台に、5人の主人公の物語が描かれていくという『オーディンスフィア』。最初の主人公は、パパ大好きっ娘なお姫様“グウェンドリン”さんです。彼女がいる王国「ラグナネイブル」は、超強い武器「サイファー」がご家庭でも簡単に作り出せるようになる「魔力の結晶炉コルドロン」を巡って、妖精の国「リングフォールド」と戦争中。軽い調子で書いていますが、「ラグナネイブル」は「拠点を捨てて突撃」なんて指示がサラリと出てくるほどテンパってます。
姉“グリゼルダ”の死、父の寵愛が受けられない苦しみ、寵愛を求めて戦場へ出ることの葛藤などなど、戦況の悪化もあいまって序盤から重い展開が続きます。「健気なお姫様」という言葉に反応する人なら、ここら辺だけでご飯3杯はいけるんじゃないでしょうか。
■なんだか壇とかスポットライトが見えるような気がする
ゲームをスタートするとさっそくイベントシーンです。「舞台美術のような背景を目指した」という本作ですが、音声の処理やキャラのしぐさなどからも1つの演劇を見ているような気分になってきます。
「ストーリーは後で見るから、まずキャラクターを動かしたい」という、村田(仮)のようなせっかちさんのために(?)、シーンスキップも搭載! さらに、
スタートメニューから好きなシーンを見直すことも可能になっているなど、まさに至れり尽せり。本作では、5人のキャラクターの物語が絡み合うとのことですので、ストーリーを頭の中で整理するのにも役立つことでしょう。
■ついついステージをうろうろ
続いてチュートリアルの開始。「フォゾン」吸収など特殊な動作もありますが、全体的にシビアな操作はなく、基本的にボタン連打でどうにかなりそうです。個人的に、“グウェンドリン”さんの滑空しているときの方向転換がかわいらしく、わけもなくステージをうろうろしてしまいます。
さて本作では、面白いことに
モンスターを倒しても経験値が手に入りません。レベルは、HPとサイファー(武器の攻撃力や魔法に影響)の2つに分けられており、前者は食料を食べることで、後者はモンスターを倒した際などに放出される「フォゾン」を吸収することで上がっていきます。特に「フォゾン」は、回復アイテムを実らせたりする「種」の育成にも使えるので、放出された「フォゾン」を自分で吸収するか、「種」の養分にするか考えどころです。それによって戦術も変わってきますしね。
■ボス、でかっ!
「魔力の結晶炉コルドロン」奪取のために戦場へ向かう“グウェンドリン”さん。本作のマップは、それぞれいくつかのステージに分かれており、ステージごとに登場するモンスターを全滅させると次のステージへ移動という流れです。マップの各所にはショップなども存在します。
そうこうしているうちに「コルドロン」の元へ到着。と、ここで「リングフォールド」の女王“エルファリア”が登場。“エルファリア”が連れてきた竜“ベリアル”との対決になるのですが、どう見ても勝てません。姫様敗北で国は滅亡。再建のために旅に出るわけですか。そんなわけで戦闘。はいはい、死亡。画面に下に表示されるボスのゲージを見てみると結構減っていて、普通に勝てそうな気もします。あとでロードしてやり直してみよう……って普通にボス戦からやり直し。え? もしかしてこれ倒すんですか?
10回近く死んだので、アイテムをケチるのをやめてみたところ、わりと普通に倒せました。経験値の源になるほか、回復率があまりよくないので、アイテムはバンバン使っていった方がいいのかもしれません。実際、マップ中でもあちこちで購入できますし。
■まとめ
といったところでまとめに入りたいと思います。今回のプレイ時間は2時間程度。アイテムの使用頻度など、他のゲームと勝手が違うところもあるため、「サクサク進んだ」というと嘘になりますが、死んでもすぐにステージの最初からやり直させてくれるので、ストレスなくプレイできます。
個人的に残念なのは、『プリクラ』に比べて食料を食べるモーションが簡略化されているというところでしょうか。本作が特別に悪いということはないのですが、前作に登場する“グラドリエル”さんの食べるしぐさは、ゲーム史に残っていいんじゃないかと思うほどのすばらしさだったので。というかむしろ残れ。口元に手を当てる上品さと、丸かじりという行儀の悪さが対立しながらもお互いの持ち味を損なうことなく……。ごめんなさい。適当に書いています。まぁ、それくらいよいデキだったということで。
そんな個人的な話を脇に置いておくのなら、シンプルな操作に独特のシステムなど、独特な世界観のRPGが好きな人ならプレイしておいて損はないのではないでしょうか。たびたび『プリクラ』と比較しておいてなんですが、別段ストーリがつながっているわけでもないので、初めての人でもすんなりお話に入っていけると思いますし。それから、演劇を意識したイベントシーンや個性的な登場人物など、キャラクターやストーリーを重視する人にもお勧めしたいところです。難易度設定もプレイヤーの力量にあわせていつでも変更できるので、「アクションはちょっと……」という人も安心です。(村田(仮))
“アリス”という少女が読んでいる物語、という設定の『オーディンスフィア』。『プリクラ』をプレイした人なら懐かしい気分に浸れるかもしれません。
“グウェンドリン”パパ登場。というかすごい生き物きちゃった! これから暴走でもしていきなりラストバトルですか? 見かけに反して(?)、声や話し方から察するにいい人そうです。
舞台演劇を強く意識していると思われる本作のイベントシーン。よく考えたらシーンの切り替わりには、「第○章 ×幕」といったフレーズが表示されているわけですが。
いつでも見たいシーンが見直せるリプレイ機能も搭載。おかげで写真撮影も楽チンです。誰もそんなことは聞いていませんか。
戦闘シーン。結構キャラクターが大きく表示されます。画面が派手になりますし、細かなしぐさもよくわかるので、個人的にはうれしいところです。
戦闘シーン。結構キャラクターが大きく表示されます。画面が派手になりますし、細かなしぐさもよくわかるので、個人的には嬉しいところです。
各マップにはいくつかルートがあり、選択はプレイヤー次第。もちろん来た道を戻ることも出来ます。ちなみに「B」は「BOSS」であって、決して「BONUS」ではありません。勘違いするとひどい目にあいます。というか、あいました。
当然ボスも大きく表示。初見で勝てないと判断してしまったのも仕方のないことだと思いませんか?
「エリオン大陸」では各国ごとに通貨が5種類あり、アイテム購入の際にもどの通貨を使用するか選択することになります。後々、どの通貨を多く持っているかで損したり得したりってのがあるんでしょうかね?
組み敷かれる“グウェンドリン”さん。なんとなくエロいような気がしたので、載せてみました。
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データ
▼『オーディンスフィア』
■メーカー:アトラス
■対応機種:PS2
■ジャンル:RPG
■発売日:発売中(2007年5月17日)
■価格:7,329円(税込)
※PlayStation.comの販売価格:6,596円(税込)
※Amazonの販売価格:6,230円(税込)
■『オーディンスフィア』の購入はこちら
■関連サイト
・『オーディンスフィア』公式サイト
・電撃オンライン内『オーディンスフィア』紹介ページ