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2008年2月25日(月)

【ゲーム業界リポートPart2】ネクストジェネレーション編「企画が形になるのが楽しい」

ゲーム作りのスペシャリストを育成する専門学校で、「ゲームクリエイター」という夢を実現するために奮闘する生徒たち。果たして彼らは、どんな思いを持ってゲーム作りを学んでいるのか。それぞれの分野に学ぶゲームクリエイター候補生たちの熱い気持ちとゲームに対する情熱に迫る!

 新潟県出身の小池貴郁さんは、東京で一人暮らしをしながらゲームプランナーを目指して勉強中だ。都会に憧れていた部分もあり、早くに東京での生活にも慣れた。現在は、アミューズメントメディア総合学院で、冬の共同制作に奮闘中だ。

「ずっと東京に出てきたいと思っていたので、いまはすごく楽しいですね。実家にいる頃は、家事も全くやっていませんでしたが、今は土日に掃除や洗濯をやる日々です。こっちで友達もできたし、アミューズメントメディア総合学院も雰囲気がいいので、遅くまで残ってみんなと課題をやったりしてます」

小池貴郁
1988年8月8日生まれ
新潟県出身
 そんな小池さんが、初めてゲームに触れたのは小学校の低学年。従兄弟からもらったファミコンがきっかけだ。

「当時は、すでにスーパーファミコンの時代でしたけど(笑)。本体と一緒にソフトをたくさんもらった記憶があります。よく遊んだのは、『ファミコンジャンプ』や『ドラゴンボール』かな。定番の『ドラクエ』は、なかったです。その後は、スーパーファミコン、プレイステーション、プレイステーション2と、一通り遊んできました。周囲の友だちもゲーム好きが多かったけど、その中で飛び抜けてゲームが好きという訳ではありませんでしたね」

 新潟時代に、ゲームクリエイターを目指すきっかけとなるソフトとの出会いもあった。

「小学生のころから図工が好きだったりと、モノを作る意識はあったと思います。そのころに友だちに借りた『RPGツクールII』を遊んで、ゲームを作るっておもしろいなあと感じたんです。そこが原点といえば原点ですね」

 高校の進路指導では、学校の先生から「就職するのは難しいのでは?」と反対されたり、両親も難色を示した時期もあったが、最終的には両親も「自分が本当にやりたいなら」と許してくれた。そして実際にゲームクリエイターを目指す日々が始まり、1年がたった。ゲーム作りを学ぶのと同時に人間的にも成長している実感もある。

「企画書の書き方やスケジュール管理などゲーム作りに必要なことを学んでますが、新潟にいたころに比べて、責任感が出てきたかなと思います。今チームを組んで共同制作をやっているのですが、そのメンバーは自分がプランナーとして声をかけて集めました。これまでは、どちらかというと事前に準備するというタイプじゃなかった。夏休みの宿題の最終日にやってました(笑)。でも、共同制作でいいものを作るためには、今のチームのメンバーが必要だと思って、みんなより早く行動しました。本当は、人見知りなんですけどね」

 自分の作りたい目標に向かって、精一杯の努力をする。それは学生の共同制作でも同じこと。共同制作で実際にゲーム作りを体験することで、さまざまなことを吸収していることがわかる発言だ。講師の方の話によると、小池くんのチームは、制作も順調に進んでいるそうだ。プランナーの魅力についても、実際に制作の中で実感している。

「ゲームプランナーの仕事は、自分の頭の中にある企画を形にできるのが魅力です。共同制作を体験してみて、ゲームができる過程にたずさわっているだけでも楽しいし、それを仕切れるのがいいですね。細かいニュアンスなどをプログラマーやグラフィッカーに伝えるのは難しいけど、ゲームがちゃんとした形になっていくのが本当にうれしいです」

 両耳にピアスをつけて今風のファッションに身を包む小池さんは、そのルックスからは想像できないほど、ゲームに対して真面目だ。今は学院の友だちと『マジック・ザ・ギャザリング』やボードゲームの『カタン』をやっている時間が一番楽しいと語る。誰かの家に集まって、何時間もゲームをしていることもあるそうだ。そして同級生とは、将来について語り合うこともある。

「将来の夢については、入りたい会社とか話したりしますね。先輩たちの活躍や就職状況は、自分たちも頑張れば希望があるんだと励みになっています。入学当初に先輩の作ったゲームを遊んだ時は、「こんなゲームを1年で作れるの?」と不安だったけど、実際に経験を積んで、できるかもしれないと思えるところまで来れたと思ってます」

 経験を積むことで成長を実感している小池さんが、本当の意味でのゲームクリエイターになる日は、意外と近いかも知れない。


製作協力:アミューズメントメディア総合学院

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