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2008年2月26日(火)

第14回電撃小説大賞・銀賞作品「under」著者の瀬那和章先生にインタビュー!

 第14回電撃小説大賞で銀賞を受賞した「under 異界ノスタルジア(以下、under)」の著者、瀬那和章先生にインタビューを行った。



 「under」は、失踪中の兄から届いた手紙によって、世界のバランスを保つ「異界使い」の存在を知った主人公“霧崎唯人”が、兄の行方を追ううちにさまざまな事件へと巻き込まれていく物語。ホラーテイストの不気味なストーリーだけでなく、異能力を使ったバトルにも注目だ。以下で、瀬那先生のインタビューを掲載するのでチェックしてほしい。


――まず最初に、作品を作ろうと思ったキッカケを教えてください。

瀬那先生:とにかく「これまで自分がチャレンジしたことのなかったジャンルを書いてみよう」と思ったのがキッカケでした。今回の作品は、今まで書いたことのなかったホラーテイストになっています。

――いつごろから文章を書き始めたのでしょうか?

瀬那先生:小説を書くようになったのは、小学校の図書室で「ナルニア国物語」を読んだのがキッカケですね。「こんなにおもしろい小説があったのか」と思う反面、子どもには理解できない部分や納得できない部分があり、「自分ならこんな風にするのに」と考えたのが始まりでした。

――「under」を書く上でのコンセプトを教えていただけますか?

瀬那先生:細かいポイントはたくさんありますが、「これを伝えたい!」というようなメインコンセプトはありません。あとがきにも書いているのですが、強いていうならば、ドキドキワクワクできるエンターテイメントであることです。

――制作中に苦労した点などはありますか?

瀬那先生:世の中には素晴らしいキャラクターが大勢いるので、埋もれないような特徴を考えるのに苦労しました。「under」には、個性的で愛らしく、うっとうしいキャラクターたちがたくさん登場しますので、楽しんでいただきたいです。

――執筆にあたって取材はしましたか? 参考になった過去の経験などもあれば教えてください。

瀬那先生:今回の作品では、場所の取材は一切していません。逆に、特徴の少ない、どこにでもありそうな町をイメージして書きました。参考になっている過去の経験は剣道ですね。主人公の“唯人”と同じく、私も高校のころ剣道部だったので、“唯人”の戦い方や動きには、当時流した汗が生きている気がします。

――右足が2本あったり、目玉がなかったりと、いびつな形をしている「漂流者」ですが、デザインをするにあたって参考にしたものなどはありますか?

瀬那先生:デザインする上で、参考にしたものは特にありません。人とかけ離れたクリーチャーよりも、人間の部分を残した生々しい怪物の方が、実際にいたら気持ち悪いだろうなと思い、想像して書きました。

――異能力が使えるとしたらどんな能力を使いたいですか? 登場キャラクターの能力の中で、ご自身で使ってみたい能力、またはお気に入りの能力があれば教えてください。

瀬那先生:もしこの世界に本当に異界があって、異界使いたちがいるとしたら、私はそんなことを一生知らず、かかわらずに生きていきたいですね(笑)。気に入っているのは“レム”の能力です。半分のお面やルービックキューブなどのキーアイテムが、uさんの表紙イラストを見た時に「“レム”とマッチしていていいなぁ」と思いました。

――作中で“レム”が『バイオハザード』を遊んでいますが、普段ゲームをされるのでしょうか。好きなゲームがあれば教えてください。

瀬那先生:ゲームは大好きです(笑)。ただ、最近はあまりゲームをしなくなったので、古いゲームばかりになってしまいますが『ゼノギアス』、『ワイルドアームズ』、『テイルズ オブ』シリーズなど雰囲気のあるRPGが好きですね。『バイオハザード』も、もちろん好きです!

――本作のイラストをご覧になった時の感想を聞かせてください。

瀬那先生:「表紙の“レム”がかわいい!」、これが一番の感想ですね。頭の中のキャラクターたちがイラストになっているのを見て、あぁ、本になるんだ、というのがやっと実感できました。どのキャラクターも私の想像以上に描いてくださってイラストレーターのuさんには大感謝です。武器やタトゥ、そして異界の風景がとても美しく感動しました。

――作品の中で一番思い入れのあるシーンやキャラクターは?

瀬那先生:一番思い入れのあるシーンは、魔女が登場するところですね。あと、事務所で紅茶を飲んだり掛け合いをしている場面も好きです。思い入れのあるキャラクターは、“ノイン”と“レム”ですね。この親子の距離感が、とても気に入っています。

――作品の見どころを教えてください。

瀬那先生:ストーリーや世界観ももちろん見どころですが、注目していただきたいのは登場人物たちが織り成すドラマですね。どんな物語を書く時でも、そこに人間があることを一番大切にしています。彼らの背負う悲しみ、痛みや喜びを感じていただければうれしいです。

――尊敬する作家や、好きな作品は?

瀬那先生:尊敬する作家は、上遠野浩平先生、渡瀬草一郎先生、秋山瑞人先生です。今回、帯に上遠野先生からコメントをいただき、本当に感動しました。小説以外の作品では、スタジオジブリの映画、「攻殻機動隊」シリーズや「カウボーイビバップ」などが好きです。

――どんな時にアイデアを思いつきますか? また、ネタにつまった時の気分転換法はどういったことをされていますか?

瀬那先生:アイデアは外を出歩いている時などに、こちらの都合などお構いなしに落ちてくることが多いです。ただ、すぐ忘れてしまうので、メモ帳を持ち歩くことを心がけています。気分転換法はコーヒーを飲むことと、それまでに書いたものを繰り返し読むことです。

――先生はどんな趣味をお持ちですか?

瀬那先生:趣味は、アウトドアだとダイビングやスノボやバスケットをしていますが、いずれも悲しいほどに下手くそです……。インドアでは、読書、料理、お酒、雑貨、電気、本屋めぐりです。あと、演劇もたまに見に行きます。特に下北沢のような狭い舞台で見る劇は、荒削りな熱気が伝わってきて、情熱が停滞気味の時にはパワーをもらえます。

――行ってみたい場所などはありますか?

瀬那先生:古代遺跡やヨーロッパのお城をめぐりたいですね。素敵なファンタジーを思いつきそうな気がします。

――プロフィールによると、瀬那先生はお酒が好きとのことですが、お酒にまつわるおもしろいエピソードなどありましたら教えていただけますでしょうか。

瀬那先生:おもしろいかどうかはわかりませんが、失敗談なら「たくさん」あります。なんでもない道端に鞄を置いて帰ったり、下の階のベランダにタマネギを落として謝りに行ったり、窓からリバース、恩師の家で寝ながらリバース――と、いろいろやらかしてきました……。酔っ払いたちの小説を書いたこともあります。タイトルは「お酒と恋とよくある古傷」。怖くて読み直すことが出来ない一作です。

――作品を読む上での心構えなどをお聞かせ願いますか?

瀬那先生:えー、では、「under」についての注意書きを。作中にはグロテスクな描写やお下品な台詞が多数出てきます、ご気分を害された方がいらっしゃいましたらご容赦ください。作中にはジャンキーが出てきます、当然ですが私は麻薬を嫌悪しています。決して肯定的に受け取らないでください。作中には、ある物を盗む癖があるいけない子がでてきます。決して真似しないでください。以上のことを心のはしっこに留めて楽しんでいただければ幸いです。

――最後に、読者にメッセージをお願いします。

瀬那先生:精いっぱい、新しいものを、おもしろいものを、考え悩み考え悩み書いたつもりです。まだまだ未熟者ですが、「under」の世界を楽しんでいただければ、これ以上の幸せはありません。よろしくお願いします!

――ありがとうございました。


(C)MediaWorks

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