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2008年3月26日(水)

【今週の1本】A.AVGの名作がWiiでよみがえる!『トゥームレイダー:アニバーサリー』

 海外ではあまりの人気に映画が2作制作され、ゲーマーのみならずアクション映画ファンの間でも抜群の知名度を誇る『トゥームレイダー』シリーズ。1997年に発売されたPCゲーム版が大ヒットを記録して以来、コンシューマーでもプレイステーション、GBA、PS2とプラットフォームを変えながら数年毎に新作がリリースされる驚異の長寿シリーズだ。
 今回取り上げるWii版『トゥームレイダー: アニバーサリー』は、シリーズ生誕10周年を記念した作品だ。今なおシリーズ中最高傑作と呼び声の高い1作目の世界観をそのままに、体感操作が売りの「Wiiリモコン」+「ヌンチャク」を生かして、生まれ変わったゲームシステム。従来のファンのみならず、今まで本シリーズを知らなかったユーザーにも期待が高まる1作となっている。

 と、ここまで説明したところで、実は『トゥームレイダー』の魅力を知らないライトユーザーは意外と多い……のかも知れない。まあ、もともとハードな難易度であることと、海外産ゲームのせいか日本ではまだまだ知名度が低いのも事実(でも、全世界ではシリーズ累計出荷本数が3000万本を超えるほど有名なんですよ!)。そこで今回はファーストインプレッションの前におさらいを含め、『トゥームレイダー』シリーズがそもそもどんなゲームであるかを紹介してみることにしたい。

■『トゥームレイダー』シリーズとは!?

 『トゥームレイダー』シリーズは、ジャンル的には「アクション・アドベンチャー」に属するゲームだ。トレジャー・ハンターである主人公の“ララ・クロフト”の目的は、世界各地の遺跡に眠る「秘宝」を探し出すこと。冒険の舞台はいずれも危険な罠などの仕掛けが満載の広大なステージとなっており、抜群の身体能力を誇る“ララ”=プレイヤーが知恵を絞りながら謎を解き明かしていく……というのが基本的なゲームプレイの流れとなっている。日本のユーザーなら「アクション・アドベンチャー」と言えば謎解き要素がメインのゲームを連想しがちだが、『トゥームレイダー』シリーズはアクション要素に比重が置かれた作りとなっている。ちなみに本シリーズのタイトル『トゥームレイダー』とは、直訳すると「墓荒らし」になる。こんなワイルドでクールなタイトル名も、その意味を知ると「これは日本にないセンスだよなあ」と思ってしまう。

 “ララ”が行えるアクションは、とにかく華麗で多彩だ。基本的には壁や障害物につかまりながら道なき道を突き進むフリークライミング的なアクションが多いのだが、ジャンプ操作を組み合わせることで「普通の人間では到底進めないような場所でも難なく進めてしまう」のがとにかく気持ちイイ。各マップのレベルデザインが秀逸なのも本シリーズの特徴で、神秘的な大自然ステージがつぎつぎと“ララ”の前に立ちはだかる。一見すると「どうやって進めばいいのかわからない」のだが、注意深く地形を探っていくと……いつの間にか、思いもよらなかったルートを発見することができる! そう、『トゥームレイダー』シリーズは、「バーチャルに冒険気分を楽しめる箱庭感覚の臨場感」がとにかく素晴らしい。

■1作目『トゥームレイダース』にそったストーリー

 シリーズの紹介も済んだところで、いよいよ『トゥームレイダー: アニバーサリー』に挑戦してみる。基本的に『トゥームレイダー』シリーズは“ララ”の活躍を描いた物語で、どれもストーリー的につながっている。ただし今回紹介する『トゥームレイダー:アニバーサリー』は1作目のストーリーにそったものとなっている。

 考古学者の父、“リチャード・クロフト”の元で育った“ララ”は、父の死を機に莫大な遺産を引き継ぎ若くして16もの遺跡発掘に成功する。国際的に天才女性考古学者としてその功績を知られる彼女だが、裏の世界では遺跡に眠る秘宝を探し出すミステリアスな「トレジャー・ハンター」としても知られている。
 そんな“ララ”に、世界有数のIT企業である「ナトラ・テクノロジー」から ペルー遺跡の探索依頼が届く。「ナトラ」の依頼に疑惑の目を向けた“ララ”だが、その依頼内容は亡き父と彼女自身が求めていた「アーティファクト(古代文明の遺物)」。根っからのトレジャーハンターとしての好奇心が勝り、“ララ”は単身ペルーへと旅立つのだが……。

■再び始まる“ララ”の冒険

 先に紹介したように、『トゥームレイダー: アニバーサリー』は1作目を再現していることは述べた通り。ただし単なる再現ではなく、前作『トゥームレイダー: レジェンド』から「グラップル」や「チェック・ポイントシステム」の追加。さらに、Wiiならではの直感的な操作が採用されている。これにより、用意されたステージの作りは1作目を踏襲しているものの、同じ謎解きでも攻略方法が変わり新しい謎解きやアクションが楽しめるようになっている。

 多彩なアクションが用意されているため最初は複雑な操作にとまどうかも知れないが、スタート直後に移動、ダッシュ、ジャンプ、グラブ(つかみ)といった基本的な操作はチュートリアル形式できちんと指南してくれる。ゲームを進めるうちに、誰でも“ララ”を自在に操作できるようになるはずだ。もちろんこのあたりはシリーズに共通する基本的操作なので、すでに経験者であればすぐにわかるはず。

■Wiiリモコンで“ララ”を操れ!

 こうした一連の操作の中でも、Wii版の大きな特徴は「Wiiリモコン+ヌンチャクを使った新しいアクション操作」だろう。具体的に言えば、ある仕掛けを動かすための「レバー」を操作する時はアクションボタンではなく「Wiiのコントローラをひねる、引く、押す」といった直感的な操作に切り替わった。また、特定のポイントで使用可能になるグラップル(ワイヤー)は、ヌンチャクを振って「ワイヤーを引っかける」という、よりアクション性が求められる操作に変更された。さらに言えば通常のアクションパートだけでなく、「ハケを使ってホコリを落として石碑のアークを浮き上がらせる」、「怪しい壁をピッケルで叩く」と言った謎解きパートにもWiiならではの「体感操作」がところどころに導入されているのである。従来の『トゥームレイダー』を遊んだことのあるユーザーには「何もココまで体感操作をさせなくても……」という気はするのだが、実際にやってみるとちょっとした息抜きになっておもしろい。

 「コレは素直に新しいな」と感じたのは、“ララ”の代表的な攻撃方法でありトレードマークの「二丁拳銃」の使い方。本作ではWiiリモコンを画面に向けると、ターゲットロックが画面内に表示されるようになっている。通常“ララ”の銃攻撃はBボタンで行うのだが、このポインティングデバイスでより「敵を狙い撃つ」という動作が素早く行えるようになっている。四方八方から襲ってくる敵(狼やコウモリ、はては古代の恐竜などさまざま!)を倒したい時にカメラアングル操作が追いつかなくても、これなら直接敵を攻撃できる。また、Zボタンで敵をロックオンした状態でタイミング良く敵の突進を避けながら攻撃をして、敵の急所に大ダメージが与えられる「アドレナリン・ドッジ」も、ある程度操作に慣れると意図的に狙えるようになる。通常の謎解きアクションに加え、こうした細かなテクニックが追求できる楽しさが用意されている点が、Wii版ならではの長所と言えるだろう。

■やっぱり高めな難易度だけど……

 ステージを進めて感じるのは、「この難しさ、このやり応えこそこそ『トゥームレイダー』だ!」という実感だ。ゲームの流れは基本的に「各所に用意された仕掛けを作動させて新たな攻略ルートを見つけ出す」ことの繰り返しとなるため、1度解法がわかるとサクサク進めることができる。だがそのルートを見つけるまでは、とにかくトライ&エラーの繰り返しだ。何度も何度もマップを探索し、失敗し、迷いながらたった1人で遺跡の謎に挑む。だがそのぶん、ステージ内に仕掛けられたパズルのような謎が解けた時の喜びもひとしお。やり込むうちに思いもよらぬショートカットや隠されたアイテムを発見することもあり、プレイヤーの上達度によって楽しさはどんどん広がっていく。人によっては自力で攻略しようとすると1ヶ月以上はかかるかもしれない。だが、この歯ごたえこそ本シリーズの醍醐味。じっくり冒険家の気分を味わいたい方に、オススメしたい作品である。



最初のステージ前で華麗なアクションを披露する“ララ”。たくさんの謎が待つ古代遺跡に“ララ”が挑む!





Wiiリモコンを画面に向けて、敵を直接ターゲットできる。「アドレナリン・ドッジ」が発動すると、一定時間動きがスローになり急所が狙いやすくなる。





Wiiリモコンを使う謎解きの1つがこちら。ハケを使ってほこりをはらって、浮き出た模様を紙に写し取る。この模様が謎解きの鍵になる。



「Wiiリモコン」+「ヌンチャク」の体感操作で、一味違った“ララ”の冒険が楽しめる。

Lara Croft Tomb Raider: Anniversary Edition (C) 2007 Eidos Interactive Ltd. Developed by Crystal Dynamics, Inc. Published by Eidos, Inc. 2007. Lara Croft Tomb Raider: Anniversary Edition, Lara Croft, Tomb Raider, the Tomb Raider logo, Eidos and the Eidos logo, Crystal Dynamics and the Crystal Dynamics logo are all trademarks of Eidos Interactive Ltd. All other trademarks are the property of their respective owners.

データ

▼『トゥームレイダー: アニバーサリー』
■メーカー:スパイク
■対応機種:Xbox 360/Wii/PS2/PSP
■ジャンル:A.AVG
■発売日:2008年3月27日
■価格:Xbox 360版7,140円(税込)/Wii版・PS2版6,090円(税込)/PSP版5,040円(税込)

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■関連サイト
公式サイト
スパイク
「電撃スパイクGames」