2008年10月4日(土)
10月より読売テレビをはじめ全国のUHF局で放送スタートとなるTVアニメ「ケメコデラックス!」。本作に出演する斎藤千和さん&喜多村英梨さんにインタビューを行った。
「ケメコデラックス!」は、現在「月刊コミック電撃大王」で連載中の、いわさきまさかず先生原作のコミックをアニメ化したもの。アニメでは、10年前に出会った少女を想い続ける夢見がちな高校生“小林三平太”を喜多村さんが、そんな“三平太”の前に突然現れ、結婚を迫ってくる謎だらけの人型ロボット“ケメコ”を斎藤さんが演じている。
では以下に、2人に行ったインタビューの内容を掲載していく。
――まずは、収録がはじまる前に、原作コミックをご覧になったと思うのですが、その感想を聞かせてください。
斎藤さん:原作は、魅力的なキャラクターがとっても多くて、このキャラたちが、アニメにどう出てくるんだろう? と思いながら読んでいました。一番気になっていたのが“ケメコ”がどんな感じで動くのか、でしたね。こんな感じで動かすんだろうなって想像ができなかったんですよ。そのあたりを期待しながら読んでいました。
喜多村さん:オーディションの時に原作を読ませていただいたんですが、とてもコメディ色の強い作品だな、と思いました。でも、ところどころシリアスな展開も織り込まれているので、映像にした時に見ごたえのある作品になりそうだなとも感じました。それと千和ちゃんも言っていたんですけど、“ケメコ”が気になりましたね。吹き出しがあるんで活字ではわかっていたんですが。大体マンガを読む時って、自分の中で「脳内声優」がいるんですけれど(斎藤さん・笑)、私の中で“ケメコ”は千和ちゃんのイメージだったんです。
斎藤さん:ホント~!? やった!!
喜多村さん:で、本当に千和ちゃんがケメコを演じることになって、私自身もびっくりしてます。
――なるほど。今はもう、アフレコがスタートしていますが、実際に演じてみての感想は?
斉藤さん:わたしはアフレコが始まる前に、監督から「オーディションの演技は忘れてください」と言われたので……「えっ、えーっ!?」ってビックリしましたよ(笑)。わざわざオーディションの時のテープをいただきまして、家で密かに聞いて「よし。こんな感じ、こんな感じ」とイメージを膨らませていたんですけどね。第1話の一番最初に「最前線で戦う軍人のイメージで」と演技指導されたんです。思わず「な、なぜわたしを選んだですか……?」って、聞いてしまいました。今でも、たまに聞いてるんですけどね(笑)。その後も「月9のヒロインみたいに」とか言われています。
喜多村さん:“三平太”は、周りのキャラクターあっての“三平太”なんだなって、演じてみてヒシヒシ思いましたね。1人でツッコミの練習をしているのと、実際に現場で“ケメコ”様のありえないアドリブと芝居のディレクションで、思わぬツッコミやセリフが出てくる感じが強いですね。だから“三平太”は、素っ裸の状態を心がけていますね。じゃないと、あんなヘンな声出ないです(笑)。
――お1人でツッコミの練習をしているんですか?
喜多村さん:台本のチェックの時に、殴られる“三平太”の声を練習したりするんですけれど、もう相手がすごいアドリブを繰り出してくるんですよ。だから殴られる声も、文字にできない感じになってたりします(笑)。
――なかなか大変な現場みたいですね。そんな現場では、どのキャラクターが人気ですか? また、お2人が好きなキャラクターは?
斎藤さん:“ケメコ”が好きです(即答)。
喜多村さん:わたしも“ケメコ”が好きです(即答)。早く“ケメコ”をストラップにしてください!(斎藤さん:してください!) プリップリンなストラップに(笑)。“ケメコ”は現場でも一番人気ですね。
斎藤さん:思いのほか、女子人気高いよね。
喜多村さん:と言っても、現場女子ばっかりなんですけどね(笑)。動くとさらにカワイイよね。
――“ケメコ”のどのあたりに魅力を感じますか?
斎藤さん:あの下半身、たまらない……。
喜多村さん:あのツヤと弾力が、もうね。戦闘シーンの時には、あんまり長くない足なのに、しなやかな鞭のようですもん。さすが、最前線の軍人さんって感じです。
――では、続けてアフレコ現場の雰囲気を教えてください。
斎藤さん:もうずっとやっているような、不思議な感じですね。第1話の収録の時から、みんなニュートラルな感じで現場に来ていて、「はじまるぞ、はじまるぞ」みたいな気負いはまったくありませんでした。みんなで楽しくやろうって雰囲気でしたので、アドリブとかも最初からやりやすかったですね。
喜多村さん:みんなアドリブに乗ってきますしね。
――作中では、どれくらいの頻度でアドリブが入っているんでしょうか?
喜多村さん:もう台本は目安みたいな感じですね(笑)。戦闘シーンとか、描写だけの場面で「アドリブ入れてください」っていきなり言われたり。
斎藤さん:「この裏でずっとアドリブ入れてください」って言われて「えっ!?」と思ったり。
喜多村さん:そのあたりは、みんなで考えつつやっていますね。
――キャストの皆さんへの演技に対する指示は?
喜多村さん:意外と放置されている感じも……。最初は答えを出してもらわずに演技して、違ったら直していくような。
斎藤さん:役者さんのフィーリングにまかせている感じですよね。
――岩浪さん(音響監督)も「2話めにしてなじんじゃってる」とおっしゃっていたと聞いています。
斎藤さん:居場所を早めに見つけましたよね、みんな(笑)。
喜多村さん:なんか「1年前にドラマCDやったっけ?」みたいな(笑)。安定感がありますよね。
――まだまだこれからも収録は続くと思いますが、今まで収録した中で、一番印象に残っているセリフは?
喜多村さん:アドリブですよ。
斎藤さん:「究極合体」って、1話の?
喜多村さん:どういうシーンかはぜひ見てほしいんですが、ぜんっぜん合体とか関係ないんですよ(笑)。
斎藤さん:だって「ヒーローみたいな感じで」って言われたんだもん(笑)。
喜多村さん:確かに戦隊モノでいえばレッドみたいな雰囲気だったけど!(笑) もうそこがわたしの中でのツボでした(笑)。
斎藤さん:あれなんで「究極合体!」って言ったんだろう?
喜多村さん:こっちが知りたいワ!!(笑)
斎藤さん:ゴメンゴメン(笑)。で、わたしは……“ケメコ”と“三平太”の出会いのシーンですね。セリフとかではないんですが、……なんだかもう気持ち悪くて(笑)。もし自分が“三平太”だったら、そう思うだろうなって。
喜多村さん:完全に変質者だもんね(笑)。アレはインパクト大だった! あとは、「ロンドローブ2008」で流れたPVにセリフを入れていく時、千和ちゃんが「ごはんにする? それともア・タ・シ?」って進行表にないアドリブを入れてたんですけど、それが再現されていて、収録の時に驚きましたね。
斎藤さん:そうなの!! わたしもビックリした。原作にあったんですよ、確か。でもイベントの時はなんにも考えなしで、ついやっちゃったんですけどね。
喜多村さん:でもあれは、まさに“ケメコ”って感じでしたね。収録はじまる前だったけど、“ケメコ”が降りてた!!
――あのイベントでは水島監督も出ていましたが、お2人の監督に対する印象を教えていただけますか?
斎藤さん:わたしは、何度か監督とご一緒させていただいているんですが、本当に常人では考えつかないことを思いつく脳みそをお持ちですね。もちろんいい意味で。わたしたちが想像したものとは、まったく違うベクトルから指示がくるので、もう水島監督からの指示を想像することをやめました(笑)。「こうかな? いやでも、水島監督だからこうかな?」ってことに考えをこらしても、想像の範ちゅうにとどまらないので、演技に全力を注ぐことにしました。その方がよりおもしろく、監督の意図に近いものができるので。でも、常に「この人の頭の中はどうなっているんだろう?」とは、いつも考えていますね(笑)。不思議な方です。
喜多村さん:“三平太”は、ツッコミポジションで大変な役だとは思っていたんです。水島監督の作品では、「水島ルール」と言っていいほど、メンズのキャラクターは悲しい、残念なポジションになるので(笑)、そんな感じで臨んでいます。そんなコミカルだったり超真剣にバカをやったり、そんな中にも監督ならではの、すごくマジメで重いディレクションを出してくるんですね。優しい水島監督ならではの言葉の中にも、プレッシャーみたいなものもあったりして。「作品のすごい深いところにまでもぐっているんだろうなぁ」って思わせる人なので、すごいと思いつつ、現場で一番怖い人です。
――「怖い人」ですか?
喜多村さん:バイオレンス的に怖いとかじゃなくて、存在が大きくて深いってニュアンスですね。
斎藤さん:うん。人間の想像の域を超えはじめている(周囲・笑)。
喜多村さん:確かに、そんな感じなんですよ。
――今度は、斎藤さんのみの質問になってしまいますが、オープニング曲のレコーディングの感想を教えてください?
喜多村さん:メンズは需要ないですもんね(笑)。
斎藤さん:(笑)。オープニングはみんなで歌うから1人1人のパートは少なかったはずなんです。それなのに、歌い終わったら「今から全部流すので、アドリブ入れてください」って(笑)。
――歌なのにアドリブですか!
斎藤さん:そうなんです! 「えっ!? 歌なのに」って思いました(笑)。最後は涼子ちゃん(白石涼子さん)や、とまっちゃん(戸松遥さん)が歌うことになってたんですが、「ここの部分だけでいいです」みたいなことになっていたらしいですし。何なら歌っている部分よりもアドリブのほうが多いんじゃない? ってくらいの斬新な収録でした。わたし自身もまだ聴いていないんで、早く聴きたいですね。
――最後に、放送を待っているファンへメッセージをお願いします。
斎藤さん:皆さんが思い描いてている「ケメコデラックス!」になっているはずです。アニメは本当にキャラクターがカワイイです。もちろん原作でもカワイイんですが、アニメとして動いているところを見た時に、それぞれ個性が際立っているので、どのキャラクターが好きな人でも満足いただける仕上がりだと思っています。それと、戦闘シーンがムチャクチャカッコイイです! それこそ極上のエンターテイメント作品になっていますので、期待してご覧になってください。よろしくお願いします!
喜多村さん:全部千和ちゃんが言ってくれたので、とにかく見てほしいってことに限りますね。「ケメコデラックス!」をスポーツにたとえて言うと、目まぐるしくラリーが続くバトミントンみたいな作品になっています。レスポンスが早いんです。特に“ケメコ”と“三平太”の掛け合いは、攻め受けとかいう域を超えていて、常にバトルしているようなコメディ展開になっています。そのテンポ感と激しさを、皆さんに楽しんでいただければうれしいですね。ホントに“ケメコ”様のおかげで、わたしのやってきたことのない、少年芝居やツッコミが、そのままオンエアされちゃうっぽいので(笑)、わたし自身も楽しみにしています。ぜひ、目をこらして全部ご覧ください。
――ありがとうございました!
(C)いわさきまさかず/アスキー・メディアワークス/「ケメコデラックス!」製作委員会
■TVアニメ「ケメコデラックス!」