2008年11月14日(金)
第15回電撃大賞受賞者が、受賞時のエピソードや今後の展開についてコメント!
11月初旬に、東京都内のホテルにて、第15回電撃大賞授賞式が行われた。その中で、電撃大賞を受賞した方々にインタビューを行った。
電撃大賞は、アスキー・メディアワークスが主催する作家とイラストレーターの登竜門で、小説とイラスト部門において、ジャンルを問わず作品を募集している。第15回となる今回は、4,079本(小説大賞への応募が3,541本、イラスト大賞への応募が538本)の応募が寄せられた。選考委員は、小説大賞が高畑京一郎氏、時雨沢恵一氏、佐藤竜雄氏、豊島雅郎氏、鈴木一智電撃文庫総括編集長の5名。イラスト部門が天野喜孝氏、出渕 裕氏、衣谷 遊氏、緒方剛志氏、鈴木電撃文庫総括編集長の5名となっている。贈呈式の模様は、11月6日のニュース記事を参照してほしい。
以下に、受賞者へのインタビューを掲載する。受賞した時の感想や、今後の展開についてコメントをもらったので、ぜひチェックしてほしい。
■ 小説大賞受賞者 ■
▲前列が受賞者、後列が選考委員の先生方。 |
●川原 礫氏(大賞「アクセル・ワールド」)
最初はもう、まさか信じられないという気持ちだったんですけど、その後受賞者さんの年齢が発表された時に、私が突出して最高齢だったので、これはある種の恩情だったのかなぁと思いました。賞をいただいた作品は、インターネット上の小説投稿サイトでずっと連載していたものなんです。読者の方から感想などをいただいて、そのやり取りの中で続けてきました。応援してくださった方々に元気をいただいて、最後まで続けて、なおかつ受賞にまで至ったと思うんです。大変感謝しています。今後も小説を一方通行的に投げ出すだけではなくて、ある程度、双方向的な部分を意識しながら作品を書いていきたいと思っています。
●四月十日(うづきとおか)さん(金賞「パララバ-Parallel lovers-」)
他の方と同じように、これはダメだろうなという気持ちと、期待している気持ちがありました。お電話いただいた時はガチガチに緊張してしまって、大騒ぎしてしまって、それからずっと信じられないような感じでした。今日は前からあこがれれていた先生たちが目の前にいらっしゃるので、かえって今日さらに実感がなくなってしまいました。賞をいただいたのが切ない感じの作品だったので、明るく元気いっぱいな作品を書きたいんですけど、書き切れる力があるかどうかはちょっと不安です。
●真藤順丈氏(銀賞「東京ヴァンパイア・ファイナンス」)
どの投稿者もそうだと思うんですが、まぁ通らないだろうなという気持ちが常にあるんですよ。なので受賞の話を聞いた時は「おぉ、すげぇなぁ」と、ちょっと客観的になって驚いてしまいました。書いている時は、締め切りと時間との戦いでしたね。分量的なことや、どこまで手を入れるのかといったこととか。他の賞もいくつか取っているんですけど、ライトノベルは一般文芸よりエンターテイメント性が高くないと納得してもらえないと思うんです。人物描写や群像劇が得意なので、おもしろさという部分を突き詰めて今後も書いていければと思います。
●蒼山サグ氏(銀賞「ロウきゅーぶ!」)
投稿をした後で、この作品はここをこうしておけばよかったと思う部分がたくさんあったので、最終選考に残った時もたぶんダメだろうなと不安ばかりが浮かんでいました。なので、受賞しましたと連絡をいただいた時は頭が真っ白になってしまいましたね。よく覚えていないです(笑)。広く浅くさまざまな趣味を持っているので、それを生かしてジャンルも幅広くやっていきたいんですけど、そのジャンルを知らない人にも楽しんでいただけるような作品を作りたいです。
●山口幸三郎氏(選考委員奨励賞「語り部じんえい」)
実家が飲食店でして、仕事中に受賞の電話をいただいたんですが、お客さまを待たせているのでその場で手短に聞いてその時は切っちゃったんです。仕事終わった後にそういえば……と思い出しました。家族に理解をしてもらっているので、書くという面では苦労はしていないですね。実家の仕事も小説も、二足のわらじで行きたいと思っています。
●鷹羽 知さん(電撃文庫MAGAZINE賞「眼球奇譚」)
受賞の時にいろいろあって、編集部に電話を掛けちゃったんです。その時に賞に決まったと聞いて、すごく浮き足立ってしまいました。今後も書きたいとは思っているんですが、今高2で、来年受験があるので具体的にこうしていきたいというのはまだ決まっていないです。
●丸山英人氏(電撃文庫MAGAZINE賞「隙間女(幅広)」)
最初残った時も、あまり期待していなかったのでびっくりしました。短編で受賞したんですが、今後長編でも頑張っていきたいです。
■ イラスト大賞受賞者(作品名はモチーフにした電撃文庫作品) ■
▲前列が受賞者、後列が選考委員の先生方。 |
●ゲま氏(大賞「シャープ・エッジ」)
ギリギリ残ってくれたらいいなぐらいに思っていたので、受賞した時は実感がわかなかったですね。これからも頑張っていきたいです。
●岩城拓郎氏(金賞「ミミズクと夜の王」)
前回の第14回にも応募していて、最終選考まで残っていたんです。前回は5枚ともバラエティーに富んだ感じで描いたんですが、今回は絞り込んで応募しました。うまくいってうれしいですね。
●こしじまさん(銀賞「先輩とぼく」)
締め切りギリギリになって、3月末ぐらいから描きはじめました。応募しようかどうか迷っていたんですが、今年で大学生活も終わるので、これから描く機会も減るだろうし何事もチャレンジしてみようと思い立ちました。今回のイラストでは自分らしさが出せなかったので、それを探していくのが今後の目標です。
●霜月えいと氏(銀賞「"不思議"取り扱います 付喪堂骨董店」)
電撃大賞15周年という節目に受賞できて、光栄に思っています。受賞が決まった時は驚きましたね。今年から選評がもらえることになって、気が楽になった部分はありますね。今後は挿絵をはじめ、いろいろな企画に参加できればと思っています。
●車 敏羡(チャ ミンイ)さん(選考委員奨励賞「狼と香辛料」)
実は3回目の応募になります。今年日本にくることが決まって、こちらにきてから頑張ろうと思いました。応募したのは日本にきてすぐですね。韓国の伝統的な美しさを生かして、自分なりのスタイルを探して行きたいです。
●春日 歩氏(選考委員奨励賞「灼眼のシャナ」)
応募するからには形として残したいと考えていたんですが、まさか賞をもらえるとは思いませんでした。自分は毎日何か成長している部分があると思っていたので、最高の自分を出したくて締め切りギリギリまで作品を作っていました。