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2009年3月12日(木)

【今週の1本】移植作のよさってなんだろう。『ブランディッシュ』プレイレポ

文:電撃オンライン

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 はじめまして。電撃オンライン編集部と同じフロアにある電撃ホビーマガジン編集部より召喚されました、川口と申します。

 今回、私のゲーム人生の中でもベスト5に入るほどのフェイバリットゲーム『ブランディッシュ』がPSPでリメイクされ、3月19日発売との話を聞き、電撃オンラインさんの迷惑も省みず「プレイレポートやらせてください!」と拝み倒してしまいましたよ。えへへ。

 さてさて、その人気にも関わらず、これまでリメイクの話がとんとなかった本作。晴天のへきれきとも言える今回のリメイクにて、どのような姿になったのでしょうか!?

■そもそも『ブランディッシュ』ってなんぞや?

 今回、日本ファルコムから発売されるA・RPG『ブランディッシュ ダークレヴナント(以下、ダークレヴナント)』は、PC-9800用のゲームとして1991年にリリースされた『ブランディッシュ』のセルフリメイク作品となっております。ちなみにオリジナルの『ブランディッシュ』は“1000年前に地下に沈み、ダンジョンと化した街から脱出”することを目的とした、脱出系アクションRPGです。

 しかし、そう……リリースは1991年です。オリジナルのリリースはもう18年も前の作品なんですよね……。あ、ここからちょっとだけオリジナルのお話が続くので、ちょっとだけお付き合いください。PSP版については、後ほどでしっかり触れますよ!

【今週の一本】移植作のよさってなんだろう。『ブランディッシュ』プレイレポ 【今週の一本】移植作のよさってなんだろう。『ブランディッシュ』プレイレポ
▲写真は、1995年発売の『ブランディッシュリニューアル』より。このレポートを書くために再プレイしてみましたが、今遊んでも古さを感じさせない斬新なゲームですぞ。

 PC-9800シリーズ用に開発された『ブランディッシュ』は、主に2つの点において画期的なゲームでした。ひとつは、すべての操作をマウスのみで行える“フルマウスオペレーション”であったこと。もう1つは、プレイヤーキャラクターを“常に背後から見下ろす”独特の視点をもったゲームだったこと。

 このうち、“フルマウスオペレーション”についてはピンとこない方もいるかもしれません。当時はMS-DOSが主流でしたので、ゲームもキーボードで操作するものが多かったのですよ。そういう時代において、早い時期にマウスのみでの操作を可能とした本作は、実に先進的かつ独創的な作品だったと言えるでしょう。

 独創的と言えば、常に主人公を背後から見下ろす、という発想も素晴らしい。テキストにすると判りにくいのですが、要は1人称視点の3DダンジョンRPGを3人称視点でやってみた、といえばいいでしょうか。プレイヤーキャラクターが向きを変えると、マップのほうが回転するのです。

1人称視点の臨場感はそのままに、3人称視点の視認性の良さを高い次元で融合させることに成功した、まさに「その発想はなかったわ!」と脱帽せざるを得ないアイデアでした。こうしたチャレンジ精神あふれる点がユーザーに受けたのか、『ブランディッシュ』は人気を博し、以後シリーズ化されることになりました。そして、PC-9800時代のファルコムを代表する看板シリーズのひとつとなったのです。

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▲すでに当時からゲーム内容はほぼ完成していたと言っても大丈夫でしょう。これって実はスゴイことですよ!?

■で、PSP版はどうなのさ!

 さて、そんな『ブランディッシュ』をPSP用にリメイクして3月19日に発売される『ダークレヴナント』。プラットフォームを変え、そして操作方法も大きく変わった本作がどのように変化したのか……ファルコムファンなら誰しも気になるところではないでしょうか? 気になりますか? 気になりますよね?

 結論から言うと……ほとんど変わっていませんでした!!

 たしかにグラフィックなどは現在のPSPゲームの水準にまで高められていますが、そのプレイフィーリングは、まさにあの『ブランディッシュ』! マウスではなくPSPでプレイしているにも関わらず、感じるあの独特の操作感。キャラクターの方向を変えるたび、グルグルと回る画面。そしてその動きについていけず目を回し、ダンジョンの中で遭難する私。この感覚、なつかしい……(感涙)。

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▲多数対1人という状況。武器の使用回数制限などもあり、基本的に戦闘は“敵の隙をうかがう”ものとなります。敵から受けるダメージも高いので、常に死の緊張感と隣り合わせですよ。

 ゲーム性も変わっておらず、地形や、ジャンプ、後退に平行移動といったアクションをうまく利用して、常に敵と1対1で戦えるよう立ち回る戦闘、開かない扉や落とし穴、ワープポイントを逐一マッピングしながら地道に進めるダンジョン攻略、ヒントがとても抽象的な謎解き、初プレイ泣かせの転がる岩のトラップなどなど、シリーズを1作でもプレイしたことのある人であれば、すぐにでも「あ、ブランディッシュだ……」と思える出来映えとなっております。

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▲シリーズお馴染みの光景。役に立つのか立たないのか、それとも煙にまきたいのか微妙な助言が記された石板、強行突破推奨の丸太トラップ。

 ちなみに「わざとボスの強力な攻撃魔法を受け続けて魔法防御を上げる」「適当にハマリながら進んだほうが手っ取り早いトラップ」「マッピングするときはカニ歩き(私だけ……?)」といったなつかしの攻略テクニック(?)もちゃんと使えますヨ。

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▲いきなり現れてはトラップを発動させて退場していく、賞金稼ぎドーラ・ドロン。彼女は死と隣り合わせのダンジョン攻略時の貴重な清涼剤なのです。なぜこんな格好なのかは謎。

 また、何より重要な、作品全体に流れる無常観というか、同じファルコムの『イース』や『英雄伝説』シリーズなどとはまったくベクトルの異なる、荒涼とした雰囲気がきちんと滲み出ているのがいいですね。このあたり、最近のゲームから同社の作品に触れた人にとっては結構衝撃的かも知れません。ゲーム進行も、たまにドーラ・ドロン嬢が落とし穴に落ちたり、岩に追いかけられるのを眺める以外は、基本的にひたすらダンジョンを突き進むのみ、というストイックさです。あまりにもコメディ担当としてのドーラ・ドロン嬢のキャラクターが強烈すぎるので誤解されがちなのですが、本作の真の魅力は、死と隣り合わせの、じっとりとした緊張感なのです。

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▲地下世界の住人たち。みな「なにもしない」ことで生き抜いてきた人たちだ。しかし、アレスとプレイヤーにはそんなことは許されない!! 地下世界を突き進め!

 “リメイク”はどうあるべきか、という個々人の考えはさておき、やはりシステム面だけではない、その作品が持つ雰囲気をこそ優先して再現するような、そんな配慮がありがたいと思うのです。うわべだけのリメイクではありえない、作品に対する深い愛情がなければ、こんなリメイクは成立しませんよね。また、BGMにアレンジVer.とオリジナルVer.が用意されている、という配慮も非常にイイです。もちろん、私も速攻でBGMを切り替えさせていただきました。PSPを通して、86音源のサウンドが鳴り響く様はまさに感涙モノですよ。

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▲NPCキャラクターの追加、マップ達成率の概念の変更といった、現在のゲーム市場に合わせた変更も多数。

 もちろん、変わったところもあります。マップの到達率もそのひとつ。以前の作品ではクリア時にすべてのマップの到達率がまとめて表示される形式(そして特にご褒美なし)でしたが、今回はマップそれぞれで到達率が表示され、100%に到達したあかつきにはそのマップで即ご褒美がもらえるシステムへと変更されています。また、以前だと問答無用で襲い掛かってきたボスの前に攻略のヒントをくれるNPCを配置したり、そのボスの登場時にも演出が追加されていたりと、細かいところをあげていけば結構な量になるように思えます。このあたりはより現在のゲーム市場のニーズに即したアップデートが行われている、というところでしょう。

 原作のよい点、独特な点を残しつつ、うまく“古い酒を新しい皮袋に移し替えた”なぁ、というのが初プレイ時の率直な感想です。

■昔懐かしのゲームが楽しめる人には文句なくオススメ!

 前述したような、“雰囲気”を大事にする創り方、私はすごく好きです! そうして作られた本作は、昔のファルコムゲームのファンなら文句なしに、昔のファルコムを知らない人でも新鮮に楽しむことができる、良リメイク作品に仕上がっていますね。

ただ、謎解きの難易度も高く、また指先のテクニックが必要な場面も多いため、現在のゲーム市場においては比較的難易度の高い作品と言えるかもしれません。オートマッピング機能はついていますが、それでも意外と遭難しますし。そういった意味では、『イース』シリーズ以前の『ザナドゥ』の流れに位置している作品で、“自分で道を切り開く快感”を求める人向け、といったところでしょうか。余計な飾り付けのないストイックな作品だけに、好きになれる人はとことん好きになれる内容だと思います。

そんなゲームを待っていた!という方は、無口で顔を見せないわりにキャラが立ちまくっている名物主人公・アレス=トラーノスと、おとぼけ魔術師ドーラ=ドロンの物語、ぜひこの機会に体験されてはいかがでしょうか?

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………。

ええっと、次は『ぽっぷるメイル』が遊びたいなぁ……(笑)。よろしくお願いシマス! (川口)

(C)2009 Nihon Falcom Corporation.All rights reserved.

データ

▼『ブランディッシュ~ダークレヴナント~』
■メーカー:日本ファルコム
■対応機種:PSP
■ジャンル:A・RPG
■発売日:2009年3月19日
■価格:5,040円(税込)
 
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