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2009年3月16日(月)

その時、奇跡のドローを目の当たりに!? 白熱のプロツアー京都ベスト8レポート!!

文:電撃オンライン

 2月27日~3月1日にかけて開催された、TCG『マジック:ザ・ギャザリング(以下、MTG)』の世界大会“プロツアー京都”。この記事では、3月1日に行われた決勝ラウンドの中から、準々決勝の模様をお届けしていく。

 プロツアー京都は、約2年ぶりでの日本開催となる『MTG』の世界大会。その概要などはこちらの記事を参照のこと。準々決勝以降は試合の様子がモニターに映し出され、用意された観覧席に座りながらの観戦となった。モニターに映し出された試合を中心に、準々決勝の模様をお伝えしていこう。

■ 棚橋雅康選手 VS ルイス・スコット=ヴァーガス選手 ■

 まず、最初に映し出されたのは棚橋雅康選手と、LSVの通称でプレイヤーによく知られているルイス・スコット=ヴァーガス選手の戦い。デッキは棚橋選手が青黒のフェアリー、ルイス選手が白黒トークンという組み合わせだった。このLSVという選手、2008年のシーズンではベルリンとアトランタで開催された2つのプレミアイベントで連覇を成し遂げ、2009年に入ってからもすでにロサンゼルスでのプレミアイベントで優勝を飾るなど、現在ノりにノっているプレイヤーだ。今回のプロツアー京都でも初日を全勝で折り返し、2日目もそのまま好調を維持して破竹の10連勝を達成し、早々にベスト8進出を決めていた。

 1戦目は先手のルイス選手が《潮の虚ろの漕ぎ手》を連打して棚橋選手の手札からカウンターを取り除き、そのまま《栄光の頌歌》による全体強化でプレッシャーをかけ、さらにダメ押しの《雲山羊のレインジャー》と立て続けに展開して、わずか数分で勝利を収める。

 2戦目は棚橋選手が先攻2ターン目に《思考囲い》で仕掛ける。これで最序盤に脅威になるカードを捨てさせ、自分の場を構築するまでの主導権を握りたいところであったが、そこで公開されたルイス選手の手札は《苦花》《苦花》《栄光の頌歌》《栄光の頌歌》に土地という、棚橋選手にとっては非常に厳しいものであった。棚橋選手のデッキには、ルイス選手の使用しているような小型のクリーチャーを大量に並べるデッキに対処するための《蔓延》が採用されておらず、現在ルイス選手の手札に控えている《苦花》や、あるいはまだデッキ内に眠っている《幽体の行列》といった、1枚で大量のトークンを生み出すカードへの対応策が薄くなってしまっているのだ。

 棚橋選手はやむなく1枚の《苦花》を捨てさせる。ターンが帰ってきたルイス選手は悠々と残った《苦花》をキャスト。棚橋選手はカウンターやパーマネントのバウンスができる《謎めいた命令》を引き当てるが、そのプレイに必要な4マナを4ターン目にそろえられない。その間にルイス選手は《栄光の頌歌》、さらに引いてきた実質3枚目の《苦花》で毎ターン、パワー2の飛行クリーチャーが2体追加されるという圧倒的な状況を作り上げる。そして《台所の嫌がらせ屋》でライフの補てんを行おうとするも、これは棚橋選手が《呪文づまりのスプライト》でカウンター。棚橋選手は続くルイス選手のターンのアップキープ時に《霧縛りの徒党》をプレイして土地をすべてタップさせ、新たな呪文のプレイを抑止する。時間を稼いでいけば《苦花》によって自動的にルイス選手のライフはすり減っていくため、先ほど引いている《謎めいた命令》でルイス選手のクリーチャーをすべてタップさせれば、その返しの攻撃で逆転できるという算段だ。

 しかし、ここでルイス選手は《幽体の行列》をプレイ。これで手札に抱えていた《謎めいた命令》と除去カード《苦悶のねじれ》を使わざるを得なくなった棚橋選手はそれらを放出。その結果《霧縛りの徒党》を除去する《流刑への道》への回答がなくなってしまった。2戦目もルイス選手が取り、準決勝進出へリーチをかける。

 3戦目。先手は再び棚橋選手。ここまでフェアリーの必勝パターンである2ターン目に《苦花》というアクションが1度も取れていない棚橋選手だが、今度はさらに恵まれない手札になってしまう。2度のマリガンを強いられ、5枚になってしまった初手にも土地は1枚きりという厳しすぎるスタート。対照的にルイス選手は《苦花》《栄光の頌歌》と着実に場を構築し、棚橋選手を粉砕。3-0のストレート勝ちでルイス選手が準々決勝を決めた。

▲勢いの差を見せつけるかのような展開となってしまった、棚橋選手対ルイス選手の試合。棚橋選手のサイドボードは《瞬間凍結》のような受け身なカードよりも《その場しのぎの人形》に《残忍なレッドキャップ》と攻撃的なデッキにシフトするカードが多いのが特徴的。しかし、全体除去を不採用としたことが災いして、トークンの展開力に飲み込まれてしまう形となった。

続いてナシフ選手とマテオ選手の戦いをレポ!

(TEXT by ねこひげ合同会社/ゆば)

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■グランプリ神戸 概要
【開催日程】2009年4月18日~19日
【会場】神戸国際展示場

■プロツアー京都 概要
【開催日程】2009年2月27日~3月1日(※すでに終了)
【会場】京都市伏見区“パルスプラザ”


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