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2009年4月6日(月)

純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself;Yourself』おさらいプレイレポート!!

文:電撃オンライン

 美少女ゲームメーカー・イエティのオリジナルタイトルとして、2007年に発売されたPS2用AVG『Myself;Yourself』(以下、『マイユア』)。その最新作『Myself;Yourself それぞれのfinale』(以下『マイユアf』)が5月28日に発売されます。と言っても、発売日まで約2カ月。それまでに『マイユア』とはどのようなゲームか、皆さんにご紹介しようじゃありませんか。特に「前作を知らないからノーチェックです」という人は、このプレイレポートを読んで『マイユア』の世界にハマってください。2回に分けてたっぷりお届けするので。「『マイユアf』はチェックするだろ、常識的に考えて……」って人には何も言うまい。ニヤニヤしながら読むがいいさ!

 あ、自己紹介がまだでしたね。これから2回にわたって、皆さんに『マイユア』と最新作『マイユアf』のプレイレポートをお届けするよーぜんです。まず今回のプレイレポート1回目は、復習を兼ねて前作『マイユア』のシナリオを中心に進めていこうと思います。最新作『マイユアf』は、ヒロインたちの後日談や外伝的物語が描かれるスピンオフ作品となっているため、前作を知っているとより物語を楽しむことができます。まぁ、まだ発売日まで時間があるので、今回のプレイレポートを読んで気になった人は自分でプレイするのもアリアリ。さらに、電撃オンラインで掲載中の『マイユアf』の特集ページで予習するとなおよし! です。

純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself 純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself
純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself 純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself
▲ヒロインの半数が黒髪ってところがいいな、と『マイユア』を手に取った変わり種の私。ささきむつみ氏が描く素朴かつ清楚なイラストと黒髪比率の高さから、清純な恋愛AVGって感じがプンプンしたんですよ。まぁ、そのイメージは少し裏切られることになるのですが……。


【注意】

以下の記事では、前作『Myself;Yourself』のネタバレが掲載されています。
本作を未クリアの方は、ゲームプレイの楽しみが損なわれる危険がありますのでご注意ください。
記事をお読みになる方は、以上を踏まえた上でお進みください。



■はてさて、『マイユア』とはどんなゲーム?

 『こんねこ』や『恋姫†夢想』といった数々の美少女AVGをPS2に移植しているイエティが、2007年に初のオリジナルタイトルとして送りだした意欲作。それがこの『マイユア』です。開発は数多くの美少女AVGの制作を手掛けるRegista(レジスタ)。企画&プロデュースはレジスタの中澤工氏で、『メモリーズオフ 2nd』や『Ever17』、『I/O』などを手掛けて多くの支持を集めている実力派クリエーターです。そして、キャラクターデザインは人気イラストレーターのささきむつみ氏。ほかにも豪華なスタッフが集結しています。あと、発売前にゲームと同じキャストでTVアニメも放映され、好評を博しました。アニメの序盤は、王道のラブコメっぽくてよかったな~。予告もシャレが効いていたし。でも後半は物語があらぬ方向へ……。衝撃的な展開でいろいろと話題になったアニメです。

 『マイユア』のテーマは王道の純愛ストーリー。小さな町の高校を舞台に、少年少女の甘く切ない学園生活を描く作品です。ヒロインは6人、主人公は2人いて、それぞれの主人公の視点で物語が進んでいきます。主人公が2人といっても、行動次第でもう片方の主人公の物語が変化するといったザッピングは……ないです。残念。しかし、テーマやシステムはシンプルなぶん、キャラクターたちの成長や心の変化、葛藤といった内面がダイレクトに伝わってきます。ではさっそく、簡単なストーリーとヒロインごとのシナリオを紹介していきます。

■5年の歳月で変わってしまったものと変わらないもの

<佐菜サイド ~ストーリー~>

 物語は主人公の1人、日高佐菜(ひだかさな)が故郷の桜乃杜町に帰ってくるところから始まる。小学校5年生までこの町で過ごした後、両親の仕事の都合で東京に引っ越した佐菜。高校2年へ進級して間もなく、5年ぶりにこの町に戻ってくることになったのだ。しかし、初恋の人、幼なじみ、親友たちと再会するも、5年という歳月が彼に重くのしかかる。変わらないものと、変わってしまったもの。周りが変わってしまったのか、それとも自分が変わってしまったのか? 時にそれが大きな溝を生み、心がすれ違ってしまうことも……。はたして、佐菜は学園生活のなかで、大切な人たちと心を通わせることができるのだろうか……?

・日高佐菜(ひだかさな) CV:立花慎之介

純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself;Yourself』おさらいプレイレポート!!

 本作の主人公。生まれ育った桜乃杜町に、5年ぶりに帰ってきた。かつては、やんちゃ坊主だったが、都会暮らしの中で優等生的な性格になる。しかし実際は、都会で心を通わせられる友だちを作れず、いつしかその絶望感から表面上の付き合いが当たり前のようになった。この時、桜乃杜町での楽しかった思い出が逆に佐菜を苦しめる結果に。そのため、無意識に桜乃杜町での思い出……、そして菜々香との大切な約束を忘れてしまっている。


純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself
▲町に着いた佐菜は見覚えのある神社を見つけ、ふらりと訪れる。そこで初恋の相手・八代菜々香と再会するが、佐菜はその少女が菜々香だと気づくことができない。そして、強烈な平手打ちが佐菜に炸裂! 彼女が佐菜に冷たく当たる理由を知ることが、物語をひも解く最大のカギとなる。佐菜が知る菜々香は笑顔が似合う可愛らしい女の子だった。5年の間に、彼女の身にいったい何が起こったのだろうか?

<修輔サイド ~ストーリー~>

 もう1人の主人公・若月修輔は、桜乃杜町で変化のない日々を送っていた。思い出のなかで、いつも隣にいる“あいつ”。仲良しグループのなかでも、修輔と姉の朱里、そして“あいつ”はわんぱくで、泥だらけになって遊んでいた。高校生になった今は外ではしゃぐことはないが、もし“あいつ”が帰ってきたらまたはしゃぎたい……。そんなある日、“あいつ”が5年ぶりにこの町に帰ってきていることを知る。絶対無二の親友・佐菜ならいつでもあの頃に戻れるはず。佐菜との再会、そして新しい出会いによって、修輔の日常に少しずつ変化が生まれいてき……!?

・若月修輔(わかつきしゅうすけ) CV:子安武人

純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself;Yourself』おさらいプレイレポート!!

 本作のもう1人の主人公で、佐菜の親友。ヒロインの1人・朱里とは二卵性の双子で、息の合ったコンビでもある。周囲にとってのホストのような役回りをするのが得意で、人を楽しませたり、気を遣ったり、和ませたりする天才である。菜々香や麻緒衣、朱里と仲が良く、佐菜がいなくなった後もそれは変わらずにいた。しかし、菜々香の家が放火に遭って両親を亡くし、彼女が心を閉ざしてからは4人揃って遊ぶことがなくなる。特に菜々香とは険悪に。


純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself
▲双子ということで、朱里とはもちろんひとつ屋根の下。佐菜サイドからは見られない彼女の私生活や、細かい心情の変化を見ることができる。▲修輔サイドでは、あさみルートが一番の見どころ。なかなかのドロドロ具合で、純愛とは別のベクトルに向かっていきます。シナリオ的にはかなりおもしろかったけど、作品のイメージからは想像できないダークな展開になることも……。

 町を離れて周りや自分の変化に振り回される優等生タイプの佐菜と、町に残り、周りの変化を少しずつ体験している体育会系の修輔。少し対照的にも思える主人公が2人いるため、1人で複数のヒロインを攻略するのとは違った楽しさがあります。また、主人公ごとに攻略可能なヒロインが決まっており、佐菜は菜々香、麻緒衣、朱里、柚希の4人。修輔は菜々香、あさみ、雛子の3人のシナリオが楽しめます。では、次はヒロインごとのシナリオに触れていきましょう。ちなみに、私は佐菜サイドでは麻緒衣のシナリオ、修輔はあさみのシナリオが印象に残りましたね。

■ささきむつみ氏が描く魅力的なヒロインとそのシナリオをご紹介!

 序盤は視点が違うだけで、シナリオの内容は共通。中盤から、選んだ選択肢によってヒロインの1人にスポットをあてたシナリオに分岐していきます。『マイユアf』で、佐菜&菜々香シナリオと修輔&あさみの後日談が描かれるので、このルートのシナリオを中心にまとめておきますね。前にスタッフが豪華と言いましたが、キャストも人気声優陣を揃えていてかなり豪華ですよ。

<菜々香編 ~ストーリー~>

 3年前に菜々香を襲った放火事件のことを知った佐菜。そして、その時佐菜は彼女の約束を破っていたらしい。おぼろげな記憶をたよりに佐菜が向かったのは、幼いころに作った秘密のポスト。そこには、3年前に事件のせいで苦しんでいた菜々香のSOSの手紙が残されていた。佐菜は菜々香に辛いことがあったら、このポストに手紙を入れるよう約束していたのだ。東京での生活に馴染めない佐菜は、菜々香や修輔、朱里たちの楽しかった出来事を思い出さないようにしていた。みんなとの連絡も絶ち、性格も変わっていく佐菜。昔の思い出たちもその間に忘れてしまっていた。手紙のことを菜々香に謝るが、まだ肝心の約束を思い出していないと菜々香に告げられる。何かあるような気がするのだが、思い出せない佐菜。朱里からタイムカプセルの話を聞き、神社の境内を掘っていく。そこで小さな箱を掘り当て、中にあった佐菜と菜々香がお互いに宛てた手紙を発見する。そこには幼いころ約束した、菜々はヴァイオリニスト、佐菜は作曲家になるという夢が書かれていた……。

・八代菜々香(やつしろななか) CV:小清水亜美

純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself;Yourself』おさらいプレイレポート!!

 佐菜の初恋の相手で幼なじみ。昔は笑顔の似合うやさしい少女だったが、佐菜が5年ぶりに再会した彼女はまるで別人のようになっていた。佐菜がいなくなってから両親を火事で亡くし、そのせいで他の人に心を開かない無愛想な性格へと変わる。


純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself
▲菜々香がキーホルダーを失くしたため、朱里といっしょに探すことに。無事にキーホルダーを見つけるが、自分もそれと同じものを持っていることに気づく。このキーホルダーこそが、秘密のポストを開けるカギ。しかし佐菜は、それを思い出すことすらできずにいた。▲どこかで聞いたことがある曲を鼻歌で歌う菜々香。なんの曲か彼女に聞くと、今までにないくらい怒りを表す。実はこの曲は、昔佐菜が即興で作ったもの。それを菜々香は忘れずに、心の支えとしていたのだ。

 忘れていた大切な夢が、周囲の支えによって蘇っていく感動的なストーリーです。修輔サイドでは放火事件のことが物語の中心になっていきます。どちらの主人公でも、菜々香ルートはかなり重めの過去が語られていきますね。彼女は俗にいうツンデレではなく、心にしまっている悲しみと戦っているため、周りに冷たく当たってしまうのです。そんな彼女の本当の気持ちをプレイヤーが理解した時、彼女の深い魅力がわかってきます。『マイユアf』では心を開き、周りと接するようになった菜々香のその後が描かれるので、楽しみにしていましょう。

<あさみ編 ~ストーリー~>

 菜々香との距離が少しずつ縮まってきたある日、あさみにしつこく菜々香との関係を問いただされる。そして朱里から、あさみが菜々香の好きな人も調べていることを聞かされる。どうやらあさみは、菜々香が好きなのは修輔だと勘違いしているようだ。数日後、あさみから呼び出されて告白されるが、修輔はそれを断ってしまう。それ以降も、あさみは積極的に修輔に近づき、事あるごとに菜々香に食ってかかる。やがて、あさみの心では菜々香に対する嫉妬心が膨れ続け、ついには彼女に危害を加えるようになり……!?

・星野あさみ(ほしのあさみ) CV:中原麻衣

純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself;Yourself』おさらいプレイレポート!!

 ひょんなことから知り合うことになる、佐菜と修輔の隣のクラスの女の子。知的で面倒見のよい、典型的な優等生。普段は冷静だが、 実は負けず嫌いでときどき感情が不安定になる。クラス委員長で人望が厚く、将来の生徒会長候補。いつも自分の上の立場にいる菜々香を、必要以上に敵視している。


純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself
▲春休みに町で犬の散歩をしているあさみと出会い、そこから修輔は親しくなっていく。最初は真面目で優等生に見えるあさみだが、少しずつ病的な一面を見せていき……!?▲菜々香には大きなコンプレックスを抱き、なにかと突っかかっていくあさみ。しかし、菜々香はあまり相手にしておらず、それが彼女のプライドをさらに傷つけていく。成績も菜々香がトップで、常にあさみは2番手。人望は菜々香よりあるが、周りが望む自分らしさを無理に作り出している節がある。

 あさみのシナリオは物語後半まで菜々香のシナリオと並行して進んでいきます。あさみにとって菜々香は常に嫉妬の対象で、修輔に告白したのも本心ではなく、勘違いと菜々香を見返したいという一心からだったようです。しかし、それがある時本当の恋に変わり、彼女の病的な一面が一気に膨らんでいきます。やがて修輔は彼女と本気で向き合い、壊れていった彼女の心をいっしょに修復していきます。これが『マイユアf』に繋がっていくので、うつ展開のシナリオですが、ぜひあさみルートをプレイしてほしいですね。それにしても、あさみのバッドエンドは衝撃的ですよー……。

<麻緒衣・朱里編 ~ストーリー~>

 麻緒衣は持ち前の明るさと天然っぷりで、いつもドタバタとにぎやか。佐菜が帰ってきたことを心から喜び、最初から最後まで佐菜の最大の理解者です。実は佐菜のことが昔から好きで、これを言葉ではなく行動でストレートにぶつけてきます。そのことで佐菜は周りに茶化され、うっとおしく思い傷つけてしまいます。そして、その後すぐに麻緒衣が病に倒れてしまい……!? 朱里は、勘違いから佐菜を避けていくが、それが誤解とわかり結ばれることに。ここまではいいのですが、このあと修輔を巻き込んで、関係は一気に複雑に。なんと修輔が、朱里を佐菜にとられて、自分が姉に恋をしていたことに気づいてしまいます。麻緒衣と朱里のシナリオはひと言で言うと純愛と泥沼。まさに対極的なシナリオですね。なお、『マイユアf』では、この2人の視点で描かれる外伝的物語が楽しめます。

・織部麻緒衣(おりべあおい)CV:金田朋子

純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself;Yourself』おさらいプレイレポート!!

 佐菜の従姉で幼なじみ。佐菜が住むアパートの大家の娘で部屋が隣なため、佐菜の世話を一生懸命しようとする。ただし、ドジを踏むこともしばしば。いつもぼーっとしていて、よく転び、よく道に迷う天然巨乳少女。佐菜たちより1つ年上で先輩にあたるが、そのことを忘れてしまうほど頼りない。しかし、料理や裁縫などの家庭的なことに関してはプロ並という意外な一面もある。


・若月朱里(わかつきしゅり)CV:田村ゆかり

純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself;Yourself』おさらいプレイレポート!!

 修輔の双子の姉。気さくな性格で姉御肌。桜乃杜町と自然を心から愛している。佐菜とは仲の良い友人だったが、町の再開発に肯定的な発言をされ、佐菜は変わってしまったと冷たく接してくる。


純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself
▲以前、何が食べたい? と聞かれ、ビーフストロガノフと答えた佐菜。どうせできないだろうとふざけて答えたつもりが、目の前に見事なビーフストロガノフが……!▲町の再開発を快く思わない朱里。自分の気持ちではなく、一般論で再開発について考える佐菜を、露骨に軽べつするように。誤解が解けると一気に距離が縮まるのだが、修輔と対立をしてしまう。

<雛子・柚希編 ~ストーリー~>

 雛子は異例の飛び級をして、中盤から同じ高校に通うことになります。そして、修輔に恨みを持っている人物が雛子を誘拐し、修輔を誘い出します。この事件をきっかけに、雛子への気持ちに気づく修輔。年齢的にはちょっとアウトー! な気がしますが、事件前に水族館などでデート(?)をする2人の様子を見ていると、なんだかアリな気がしてくるから不思議。修輔もイロイロと振り回されているうちに、彼女の純粋さに惹かれていったのでしょう。柚希は過去の恋愛との決別が描かれます。相手の男性は高校時代の教師で今はこの世におらず、柚希は自分が殺したようなものだと思いつめています。そして、今度は自分が生徒(佐菜)に恋をするということに強い抵抗を抱いている。このシナリオでの佐菜はかなりの行動派で、芯にあるたくましい一面を覗かせます。まぁ、学園モノでは、教師との恋愛ははずせませんよね。この2人も『マイユアf』で外伝的なストーリーが描かれます。大人の女性に憧れる雛子と、憧れの対象である柚希。この対照的な2人はどのような物語をつづっていくのでしょうか?

・持田雛子(もちだひなこ)CV:村田あゆみ

純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself;Yourself』おさらいプレイレポート!!

 桜乃杜小学校の5年生で、大人顔負けの頭脳を持つ天才少女。周りの子供より大人びているため、同世代とまったくそりが合わない。大人の女性に憧れていて、子供扱いされることを極端に嫌う。町で出会った修輔のことが気に入り、ときどき、修輔が通う高校に忍び込んでくる。修輔に対しては口が悪く勝ち気だが、彼に気を許している証でもある。


・藤村柚希(ふじむらゆずき)CV:豊口めぐみ

純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself;Yourself』おさらいプレイレポート!!

 佐菜たちが通う県立桜乃杜高等学校の理科教師で、クラス担任。論理的で冷静な大人の女性だが、実は結構感情的で気まぐれ。幼いころの佐菜が憧れていた女性で、高校で運命的な再会を果たす。天体観測が趣味で、自分のことを宇宙人と言う変わった一面もある。


純愛学園AVGの決定版! PS2『Myself
▲ある日クラスに突然小学生が編入! その人物は、ときどき校内に忍び込んできていたあの勝気な小学生・雛子だった。修輔たちと出会って、高校への編入を決めたらしい。▲柚希がよく足を運ぶ展望台。そこは、昔恋した人が亡くなった場所であった。物語が進むにつれて、彼女の知られざる過去が少しずつ明らかになっていく。

■システムはオーソドックスながらも、やはりストーリーが秀逸!

 冒頭でも書きましたが、主人公が2人いるというだけで、ゲームのシステム自体はいたってシンプル。しかし、各ヒロインのシナリオはどれも個性的で、プレイする人を飽きさせないですね。いまだに高い評価を得ているのも納得。オートスキップも早く、選択肢やテキストなどの細かい達成率が確認できるのも好感触です。ただ、ルートの分岐を把握するのがやや難しく感じました。ヒロインごとに優先順位があるようで、優先順位が上位のヒロインの好感度を一定値を満たしてしまうと、他のヒロインがいくら一番高い好感度を持っていても、そのルートに突入できないように思えます。セーブデータを駆使しないと、達成率を上げるのがなかなか難しいかも。まぁ、私が未熟なだけなんですけどね……。慣れている人には気にならないレベルかもしれません。

 青春と呼ぶにはあまりにも……という展開も多く、純愛路線だけを期待していたら確実に裏切られます。また、佐菜サイドでプレイした時、序盤はものすごい疎外感を感じます。そこから心を通わせていくのが本作の醍醐味でもあるんですけどね。暗めの話しが目につきますが、多感な時期の心の交流を描いているのでしかたない。そのぶん、その後を描いた『マイユアf』では青春全開のシナリオが楽しめそうです。まぁ、暗めとかいつつ、ちゃんとラブコメ的な明るい展開もあるのでご安心を。あと、ささきむつみ氏のキャラクターが、世界観とストーリーに見事にマッチしています。ファンの人はプレイして損はないはず。また、この記事でストーリーに興味を持った人も、プレイしてみてください。きっと『マイユアf』が気になって仕方がなくなりますよ!

 長くなりましたが、最後までお付き合いありがとうございました。プレイレポート1回目はここらへんでお開き! 第2回はいよいよ『マイユアf』のプレイレポートをお届けします。あ、デザートに特集記事もどうぞどうぞ。ではでは、また次回~!(よーぜん)

(C)ささきむつみ/イエティ/Regista

データ

▼『Myself;Yourself』
■メーカー:イエティ
■対応機種:PS2
■ジャンル:AVG
■発売日:2007年12月20日
■価格:7,140円(税込)/初回限定版 10,290円(税込)
 
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▼『Myself;Yourself それぞれのfinale』
■メーカー:イエティ
■対応機種:PS2
■ジャンル:AVG
■発売日:2009年5月28日
■価格:通常版 7,140円(税込)/限定版 9,240円(税込)
 
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関連サイト

『Myself;Yourself それぞれのfinale』特集ページ掲載中!