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2009年4月18日(土)

TVアニメ放送中! 『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』アフレコレポート

文:電撃オンライン

 現在放送中のTVアニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』。そのアフレコが、都内のスタジオで行われた。アフレコ終了後に行われた、出演者へのインタビューを掲載する。

 『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』は、2001年から月刊コミック誌『少年ガンガン』(スクウェア・エニックス刊)で連載されている人気コミック『鋼の錬金術師』をアニメ化した作品。今作が2度目のアニメ化となる。

 インタビューに答えてくれたのは、エドワード・エルリック役の朴ろ美(ろは王へんに路)さん、アルフォンス・エルリック役の釘宮理恵さん、ウィンリィ・ロックベル役の高本めぐみさん、ロイ・マスタング役の三木眞一郎さん、リザ・ホークアイ役の折笠富美子さん、マース・ヒューズ役の藤原啓治さんの6名。ぜひご覧いただきたい。

『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』

――ご自身が演じるキャラクターの説明をお願いします。

藤原さん:特殊な能力は持っていませんけど、家族をこよなく愛し、ロイの親友であり、エドとアルを陰から支える、心優しいおじさんです。

折笠さん:軍でロイの補佐をしている、クールビューティーな中尉です。

三木さん:焔の錬金術師と呼ばれている人です。

高本さん:主人公のエド君とアル君の幼なじみで、エド君のオートメイルの整備師をしています。

釘宮さん:鎧の姿をしていて、魂が鎧に定着しているという独特なスタイルの人です。弟です。

朴さん:鋼の錬金術師と名を授かった国家錬金術師です。禁忌を犯してしまって、アルの身体と自分の右腕と左足を持っていかれ、右腕と左足が機械鎧(オートメイル)になっています。自分たちの身体を取り戻すために“賢者の石”を求め旅をします。……何か問題が?(笑)

――収録を終えての感想をお願いします。

藤原さん:収録前の説明で、視聴者層を少し低めなものを意識しているというお話だったので、まぁ基本的には前やったのと違いはないんですが……。ギャグっぽい表情変化は他のキャラクターより多いので、多少デフォルメして演じるということは気を付けています。第1話は、ヒューズらしいというか、人となりをよく表しているような登場の仕方をします。ヒューズのキャラクターをわかっていただけるような作りになっていると思いましたね。現場は年齢層に幅があるので、ベテランの方が雰囲気を作ってくれますし、それに刺激されて若手ものびのびとできますし、とてもいい雰囲気ですね。和気藹々とした中にもピリッとした緊張感がある、非常にバランスの取れた現場だと思います。楽しいです。

折笠さん:自分の役どころとしては、クールな中にも信念を大切にしてる優しさがあるという表現が難しいと感じています。作品としては毎回毎回感動しています。

三木さん:まず、アフレコ現場の雰囲気がとてもいいなと感じました。話自体もいいテンポで展開していると思います。

高本さん:毎回すごく緊張してスタジオへ向かうのですが、現場の空気がいいので、毎回緊張してスタジオに向かいます。すごく集中しやすい現場だなと思っています。自分自身の課題はたくさんありますが、学べることも多くて楽しいです。

釘宮さん:体当たりで演じるあまり声が枯れてしまいました……。すごく気を張って現場にいます。緊張もしますが、自分にできることを精一杯やろうと思っています。大ベテランの皆さんとご一緒できる作品ですし、年齢層も幅広いのですごく勉強になります。毎回気を引き締めてやっていこうと思っています。

朴さん:作品に対しての思いも強いので、今回新たにどういう作品作りをしていけるのだろうか、自分がどういう役割を担っていけるのだろうか、と大分緊張していました。でも、この作品の持つエネルギーなのか、現場にも熱があり、余計なことを考えずに済むというか。役に没頭できる空間をスタッフさんたちが作ってくださっています。緊張感と不安と怖さと、いろんな気持ちを抱えながら収録現場にくるんですけど、マイクの前に立つと、それがいい意味での緊張感に変わり、また素敵な作品にかかわらせていただいているなという気持ちでいっぱいです。

――朴さんにお聞きします。朴さんにとって、エドとはなんですか?

朴さん:前作の時に、荒川先生から「エドは私の息子です。それを朴さんに託します」と言われて、責任重大だなというか、ものすごく重いものを受け取ってしまったなと感じました。でもこの子を先生から預かったんだから、きっちり対話してやっていかないとなと思って演じていました。今回エドと再会することになり、先日荒川先生と対談させていただいた際に、先生にまた「託します」と言われて(笑)。私にとってエドは、養子というか……養子を超えた息子のような、なんとも言えない存在です。あまり一言では言い表せないんですけど……息子です。

――釘宮さんにもお聞きします。釘宮さんにとって、アルとはなんですか?

釘宮さん:アル自体の個性と、私が混ざっているというか、2人の共同作業で、最終的にアルフォンス・エルリックになっているという気がします。仲間とか友だちとか、戦友みたいなイメージがありますね。

――藤原さんにとってのヒューズとはなんですか?

藤原さん:ヒューズは僕にとって憧れの存在ですね。気持ちの強さにまず憧れますね。錬金術師ではないので特殊な能力はありませんけど、補って余りある強さというか。理想の大人であり、自分もあぁいう風にあるべきだろうと思っていますね。

――折笠さんたちにもお聞きします。役を演じるうえで意識している点などを教えてください。

折笠さん:信念を持った軍人とはいえ女性なので、優しさが垣間見えるような強さと弱さのバランスというか、そういう内面をつねに意識して演じています。

三木さん:意識している点はないですね。原作を読んだ限りでは、ロイは仲間を大切にする、切れ者だという印象はあります。

高本さん:私はウィンリィに、すごく芯の強い子だなというイメージを持ってるので、幼なじみの中でもお姉さん風を吹かせるポジションなのかなと思って演じています。でも、あくまでも少女らしさを失わないようにしたいなと気を付けています。

――作品の魅力について教えてください。

藤原さん:錬金術師が出てくるというのは普通に言えば荒唐無稽な話なんだと思うんですけど、親子愛であったりとか、友だちだったりとか、そういう人間ドラマの部分が強く感じられる作品だと思います。そんな日常性が、人を引き付けるところなんだと思っています。

折笠さん:一言で言い表せない作品だと思うんでけど、“生きていること”の生々しさに感動します。

三木さん:壊していって初めて見える作品、でしょうか。建物でも壊さないと鉄筋がどう入っているのかわからないですし。とても深い作品だと思います。抽象的ですけど、壊すことで見えてくる世界観がおもしろいと思います。

高本さん:小気味のいい話から、胸が痛くなる話まで幅広く、目が離せないですね。人をひきつける力がすごく強い作品だと思います。

釘宮さん:とにかく、原作からこちらに飛び込んでくるというか、溢れ出しているエネルギーみたいなものがものすごく強い作品だと思います。1人1人のキャラクターもそうですし、そのキャラクターが世界とかかわっていく生きざまとか、土地同士の絡みとか……この時はこの土地でこのキャラクターがこうして、という。複雑に絡み合っているんですけど、それらがみんな繋がっていて、“全は一、一は全”というか、自分も世界に繋がっていると感じるような、そういうパワーが魅力だと思います。

朴さん:まったく同じです(笑)。“全は一、一は全”です。この作品の魅力は、作品が醸し出すものすごいエネルギーだと思っています。

――もしご自身が錬金術を使えるとしたら、どんな風に使いたいですか?

折笠さん:使えたとしても、私は怖くて使えないと思います。なので使わないですね。

三木さん:錬金術と言ってもいっぱい種類あるしね……。等価交換でしょ、対価でしょ? 怖いよねぇ……。怖いけど、俺に勇気があったら地雷除去に使います。

高本さん:私も、失うのはすごく怖いので、修理屋さんみたいな感じだったらいいのかなと思います。

釘宮さん:大衆のためにあれというか、物を新品に戻すなんでも屋さんみたいに、「はいは~い」みたいな軽い感じで身軽に出掛けて行けたらなと思います。「お待ちー」みたいな。原作でもアルがラジオを修理するシーンがあるんですけど、すごく便利だなと思いますね。

朴さん:私はたぶん、使えるとしたら使いたい放題使うと思いますねぇ。間違いなく、金は錬成すると思います。ガッポガッポですよねぇ。そして金を錬成して、そのお金で宇宙船を作ります。そして宇宙船でいるであろう彼方の生命との対話をします(笑)。金をザクザク作って、古代文明の謎を解き明かしてみたいなーとか(笑)。……何か問題が?

三木さん:いや、朴さんすばらしいなと思って。

朴さん:だって、ムー大陸とか、地底調査とか、ものすごくお金が掛かるじゃないですか。

三木さん:錬金術を、直接手段として使うわけじゃないんだね(笑)。

朴さん:金ですよ金。(手を合わせながら)こう、金を錬成して(一同爆笑)。

――ファンの方にメッセージをお願いします。

藤原さん:仕方がないだろうと思ってはいるんですが、前のを見て、今回はどうなんだという視点で見ている人も多いと思うんです。キャストとスタッフが変わっていることもありますので、前作のいいところを踏まえつつ新しいものを作るという意識が強いですね。なので、また新しいものとして見ていただけたらうれしいです。

折笠さん:スタジオで感じている感動を、そのまま皆さんにお伝えしたいと思いますので、精一杯の気持ちを込めたいと思います。よろしくお願いします。

三木さん:たくさんの方に見ていただければ、それが一番うれしいと思います。

高本さん:キャスト陣もスタッフさんたちも、熱い想いを持って作品を作っています。私も、全身全霊をかけて食らいついていきますので、ぜひ1話も見逃すことなく見ていただけたらと思います。よろしくお願いします。

釘宮さん:第1話のあいさつの際に、監督をはじめスタッフの皆さんが「重いテーマを扱った作品ですけど、“楽しく”というところもポイントにしていきたい」とおっしゃっていたのを聞いて、そんな作品になっていくのかなぁと思っています。自分でも、わくわくしながら、どういう展開になるのかなぁと楽しみながら最後まで頑張ろうと思います。

朴さん:スタッフさんも役者陣も、真摯にこの作品に取り組んでいます。作品を見ながら、いろんな気持ちを揺り動かされると思いますので、自分の気持ちをこの作品の中にぶち込んで、楽しんでいただけたらうれしいなと思います。

(C)荒川弘/鋼の錬金術師製作委員会・MBS

■TVアニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』
【放送局】MBS・TBS他
【放送日時】毎週日曜 17:00~

【スタッフ】(※敬称略)
 原作:荒川弘(掲載 月刊『少年ガンガン』スクウェア・エニックス刊)
 監督:入江泰浩
 シリーズ構成:大野木寛
 キャラクターデザイン:菅野宏紀
 美術デザイン:金平和茂
 美術監督:佐藤豪志
 背景:草薙
 色彩設計:中尾総子
 錬成陣デザイン:荒牧伸志
 音楽:千住明
 音響監督:三間雅文
 アニメーション制作:ボンズ
 製作:鋼の錬金術師製作委員会
 他

【キャスト】(※敬称略)
 エドワード・エルリック:朴ろ美
 アルフォンス・エルリック:釘宮理恵
 ウィンリィ・ロックベル:高本めぐみ
 ロイ・マスタング:三木眞一郎
 リザ・ホークアイ:折笠富美子
 アレックス・ルイ・アームストロング:内海賢二
 マース・ヒューズ:藤原啓治
 ジャン・ハボック:うえだゆうじ
 ハイマンス・ブレダ:佐藤美一
 ケイン・フュリー:柿原徹也
 ヴァトー・ファルマン:浜田賢二
 マリア・ロス:名塚佳織
 キング・ブラッドレイ:柴田秀勝
 スカー:三宅健太
 ラスト:井上喜久子
 グラトニー:白鳥哲
 エンヴィー:高山みなみ
 ゾルフ・J・キンブリー:吉野裕行
 他


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