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2009年5月13日(水)

『ポケモン』日本一決定! ワールドチャンピオンシップス日本代表決定戦をレポ

文:電撃オンライン

 ポケモンが主催する“ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”。その決勝大会となるFinalステージが、5月4日に都内で行われた。

 “ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”は、DS『ポケットモンスター プラチナ(以下、プラチナ)』およびTCG『ポケモンカードゲーム』の日本代表を決める公式全国大会。Finalステージでは、1stステージの都道府県予選、2ndステージのエリア予選を勝ち抜いてきたトッププレイヤーたちによるハイレベルな試合が繰り広げられた。本記事では、『プラチナ』の試合を中心にレポートをお届けする。

“ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会” “ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”
▲会場を二分して『プラチナ』(写真左)と『ポケモンカードゲーム』(写真右)の頂点を決める戦いが同時に展開! 予選から誰が勝ってもおかしくない試合の連続だった。

■予選リーグでは意外なポケモンが活躍!?

 Finalステージでは、まず2ndステージを勝ち上がった選手たちが4つのグループに分かれて総当たり戦を行った。各グループの上位2名が、続いて行われる決勝トーナメントに進出できる。また、Finalステージは1st、2ndステージとは異なり、手持ち6匹の中から4匹を選択してバトルするというルールに変更されたため、選手たちは2ndステージ終了後にチームの構成を練り直していた様子だった。

 このルールの変更によりおもいきった戦略が取れるようになったようで、カテゴリーB(1996年12月31日以前に生まれた人が対象)では、とくせい“ふしぎなまもり”で相手ポケモンの技構成によっては攻撃を完全にシャットアウトできるヌケニン、とくせい“かげふみ”で相手の交代を封じられるソーナンス、ドータクンの“スキルスワップ”でサポートを受けながら戦うレジギガスなど、あまり見ないポケモンが活躍する場面も見られた。

 また、すばやさの数値が勝っている場面でも、簡単に攻撃せず相手の“こだわりスカーフ”を警戒して“まもる”を選択するといったローリスクな立ち回りが目立っていたのも印象的だ。

“ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会” “ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”
▲Finalステージは、シビアな読み合いが要求される緊迫した試合のオンパレード。1つのミスが命取りになりかねない。

■運が命運を分けた、白熱の決勝トーナメント!

 決勝トーナメントは、カテゴリーA(1997年1月1日以降に生まれた人が対象)とカテゴリーBの試合が交互に行われた。

“ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”
▲決勝トーナメントは、この大会のためだけにチューニングされたWii用ソフト『ポケモンバトルレボリューション』の大会特別版を使っての対戦となった。技の仕様などが『プラチナ』に準拠しているだけでなく、“ワールドチャンピオンシップス日本代表決定大会”といった文字も表示されていた。まさに“特別版”だ。

 カテゴリーAの試合は、さすが決勝トーナメントだけあって“トリックルーム”の効果ターンを“まもる”できっちり調整してやり過ごすといった、年少のグループとは思えない巧みなプレイが展開。見守る観客たちを驚かせていた。

“ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会” “ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”
▲ローリスクな立ち回りを徹底するカテゴリーBに対し、初手“だいばくはつ”などかなりおもいきったプレイングをするカテゴリーAの選手たち。不意を突いた“だいばくはつ”が決定打になるシーンが数多く見られた。

 対するカテゴリーBの決勝トーナメントは、第1試合、準決勝ともに運が戦況を左右する局面が多かった。おもいがけない追加効果などに涙を飲むひと幕も。最後の最後まで気の抜けない接戦ばかりだった。

“ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”
▲ルンパッパの“れいとうビーム”がサンダーを一閃! 反撃できればひっくり返ったかもしれない局面で、これはつらい……。

“ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会” “ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”
“ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会” “ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”
▲ヨノワールに“いばる”を連発されるが、一度も自分を攻撃せずバレットパンチでゴウカザルを倒し、ヨノワールとにらみ合うメタグロス。先の読めない展開に観客からも大きな歓声が上がっていた。コメットパンチを外し終わったかと思われたが、最後まで一度も自分を攻撃しなかったメタグロスが勝利をもぎ取る。

 カテゴリーAの決勝は、愛知ラストチャレンジを勝ち上がった草野正樹選手対広島代表の小路弘人選手。両者ともヨノワールを主軸にした“トリックルーム”チームだった。小路選手が、メタグロスの“だいばくはつ”で草野選手のドータクンとメタグロスをまとめて倒し決着はついたかに思われたが、最後に出てきたのはなんとガブリアス。“ひんし”になる直前にドータクンが“すなあらし”を使っていたため、とくせい“すながくれ”による逆転の可能性が残された。どよめくギャラリーだったが、カビゴンの“やつあたり”がガブリアスにヒットし見事小路選手が勝利を手にした。

 カテゴリーBの決勝は、山口代表の赤井隆宏選手対静岡代表の占野侑(しめのゆう)選手。両選手が最初にフィールドに繰り出したのは、赤井選手がサンダースとメタグロス、占野選手がゴウカザルとヨノワール。ゴウカザルがサンダースに“ねこだまし”、メタグロスがヨノワールに“コメットパンチ”と1ターン目から定番の展開になるが、ここで“コメットパンチ”が“きゅうしょ”にヒット。ヨノワールは“トリックルーム”を出すものの、開幕からHPの5分の4を削られ、厳しい展開になってしまう。ヨノワールは次のターンでメタグロスに“おにび”を使うが、やはりHPが足りず返しの“コメットパンチ”で撃沈。メタグロスはゴウカザルの“フレアドライブ”で倒されるが、十二分に仕事は果たしたといえるだろう。

 占野選手がユキノオーを繰り出し、試合は中盤戦に突入。ユキノオーが、赤井選手のカビゴンが放った“ほのおのパンチ”を“オッカのみ”で耐え、マリルリをウッドハンマーで攻撃して“ひんし”にする。占野選手は必死にカビゴンを攻撃するが、“おんがえし”と“ほのおのパンチ”で占野選手のゴウカザルとユキノオーが次々に倒されてしまう。そしてここでサンダースが隙を見て“あまごい”を使い、天候を“あられ”から“あめ”に。占野選手は最後にグレイシアを繰り出す。“あられ”状態のままなら“ふぶき”が命中率100%になるのでまだわからない局面だったが、これで一気に苦しい展開になる。このまま【サンダースが“かみなり”→グレイシアが“ふぶき”→カビゴンが“おんがえし”でグレイシアにトドメ……】という筋書きになるかと思われたが、グレイシアが“せんせいのツメ”を持っており、なんと先手で“ふぶき”。サンダースを“ひんし”にできれば逆転もあり得るか――といったまさに神頼みの“ふぶき”だったが、思いは通じず外れてしまう。続くサンダースの“かみなり”で“まひ”状態になってしまい、これが決定打となった。

“ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”
▲サンダース&カビゴンに立ち向かうグレイシア。“せんせいのツメ”で先手を取っても、“とくぼう”に長けたカビゴンがいるのでかなり厳しい。

“ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会” “ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”
▲大会終了後、『プラチナ』の入賞者はゲームフリークの川内丸武史ディレクター(写真左)から、『ポケモンカードゲーム』の入賞者はクリーチャーズの長島敦さん(写真右)から、それぞれ盾などを受け取っていた。

 大会の最後には、川内丸さんと長島さんから夏に行われる世界大会に出場できる選手の人数が公開された。祈るようにスクリーンを見つめていた選手たちから歓喜の声が上がる。日本代表として、ぜひ世界一を目指してほしい。

 大会終了後、両カテゴリーの優勝者にインタビューを行った。試合中の心境やバトル上達のコツなどについて語ってもらってので、ぜひご覧いただきたい。

■カテゴリーA優勝 小路選手

“ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”

――優勝した感想を教えてください。

小路選手:優勝できないと思っていたので、できてうれしかったです。

――ズバリ、今回の勝因はなんですか?

小路選手:メタグロスの“だいばくはつ”で勝ちました。

――つらかった試合はありましたか?

小路選手:準決勝がつらかったです。ほとんどのポケモンをねむりにされてしまったので困りました。

――好きなポケモンはなんですか?

小路選手:シェイミのランドフォルムです。

――強くなるコツを教えてください。

小路選手:練習することです。僕は『ポケモンバトルレボリューション』のWi-Fi対戦をプレイしていました。

――1日にどれくらい対戦するんですか?

小路選手:時間がある時は8試合ぐらいです。

――『ポケモン』をやっていて楽しいのはどんな時ですか?

小路選手:読み合いですね。友だちと一緒に遊ぶのが楽しいです。

■カテゴリーB優勝 赤井選手

“ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”

――今回の勝因を教えてください。

赤井選手:プレイングミスも多かったのですが、運に助けられました(笑)。

――1番ツイていたのはどの試合でした?

赤井選手:初戦で昨年の優勝者と戦ったんですが、相手の攻撃が全然当たらなくて運がよかったですね。

――決勝はいかがでした?

赤井選手:最後の最後でミスがあったので残念でした。結果勝ったのでよかったんですが……。

――どういったミスだったんですか?

赤井選手:自分のサンダースで“あまごい”を使った後、グレイシアに“ほのおのパンチ”を出したんですが、“あめ”でほのおタイプのわざの威力が下がるのを忘れていました。“おんがえし”でよかったんですけどね。勝ちを確信して舞い上がってしまいました(笑)。

“ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”
▲赤井選手が語っていた決勝戦の最後の場面。“こうかはばつぐん”だが、“あめ”が降っているので威力が半減。結果グレイシアが耐えてしまう。

――『ポケモン』歴はどのくらいですか?

赤井選手:1年4カ月ぐらいですね。小学生のころに『緑(ポケットモンスター 緑)』はプレイしました。たまたま『ダイヤモンド・パール』をゲーム屋さんで見つけて、「懐かしいしやってみようかな」と思い『ダイヤモンド』を買ったのがキッカケですね。

――ゲーム自体はあまりされないんですか?

赤井選手:そうですね。中学高校時代はずっと野球しかしていませんでした。

――大会は初出場なんですか?

赤井選手:そうです。

――初出場にして初優勝なんですね。おめでとうございます。大会に出るのは敷居が高くありませんでした?

赤井選手:まだ大学院で学生をしているので、時間には余裕がありました。山口の大会には友人と一緒に出たので大丈夫でした。1人だとちょっと抵抗あったかもしれないですけどね。友人とも準決勝で戦いました。

――1日のプレイ時間はどれくらいでしたか?

赤井選手:平日は2時間ぐらいですね。休日にやり込んでいます。

――お気に入りのポケモンを教えてください。

赤井選手:ゲンガーは好きですね。小学生のころはすごく強いイメージがありました。今回の大会でも、Finalでは使いませんでしたが、1stステージと2ndステージではチームに入れていました。

――どのようなチームでしたか?

赤井選手:1stは、最初にゲンガーが“あまごい”、メタグロスが“だいばくはつ”をして、ルンパッパとキングドラで押し切るチームでした。

――天候を利用したチームですね。今日の大会で、つらかった試合はありますか?

赤井選手:予選の3回戦ですね。もう負けられない試合で、メタグロス1匹になってしまいダメかなと思ったんですが、メタグロスが3匹倒してくれてなんとかなりました。

――世界大会に向けてひと言お願いします。

赤井選手:大会には僕よりも強い人が出ていて、どうして僕が? と周りの皆さん思っていると思うので、日本の恥にならないように頑張りたいです。

――これから『ポケモン』を始めようと思っている人にメッセージをお願いします。

赤井選手:小学生のころにやったことがある人にとっては懐かしいですし、昔と比べてわざやポケモンの種類も増えて戦術も幅が広いので、やればやるほど奥が深いゲームだなと感じます。ぜひ一度プレイしてみてほしいなと思います。

(C)2008 Pokemon. (C)1995-2008 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. ポケットモンスター・ポケモン・Pokemonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。

データ

▼『ポケットモンスター プラチナ』
■メーカー:ポケモン
■ジャンル:RPG
■対応機種:DS
■発売日:2008年9月13日
■価格:4,800円(税込)
 
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