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2009年5月22日(金)

戦略とSTGの融合が熱い! 『バトルステーションズ:パシフィック』体験レポ

文:電撃オンライン

 スパイクより5月28日に発売予定のXbox 360用ソフト『Battle Stations: Pacific(バトルステーションズ:パシフィック)』のメディア体験会が、5月20日に行われた。

『バトルステーションズ:パシフィック』
▲体験会にはローカライズプロデューサーの赤石沢さんも同席。一緒にオンラインモードを遊んでいただいた。

 本作は、太平洋戦争における日本軍とアメリカ軍の戦いを描いたストラテジーシューティングゲーム『Battle Stations: Midway(バトルステーションズ:ミッドウェイ)』の続編。プレイヤーは、航空機や艦船を操作して、太平洋戦争をモチーフとした戦いを楽しむことができる。

 前作からの最大の違いは、シングルモードで日本軍側のシナリオがプレイできるようになったこと。日本軍、アメリカ軍それぞれ14ミッションが収録され、終盤のミッションは30分~1時間強ほどクリアにかかるというから、十分なボリュームではないだろうか。もちろん、前作に引き続きオンラインモードも搭載され、対戦モードや仕様の追加・改良が行われている。

『バトルステーションズ:パシフィック』 『バトルステーションズ:パシフィック』
▲ミッション中では、MAP上に展開する兵器を自在に切り替えて操作することができる。赤石沢さんいわく「操作は複雑ですが、ミッションを順に遊ぶことでだんだんと操作を覚えられるようなチュートリアルが入っています」とのこと。普段はミリタリー系のゲームをたしなまない筆者も、1時間ほどで航空機、艦船におけるひと通りの操作に慣れることができた。

『バトルステーションズ:パシフィック』
▲日本のユーザー待望の日本軍シナリオが収録された今作。このシナリオでは、途中から史実とは異なる展開となり、最終的に日本軍の勝利で終わる物語が遊べる。開発は『トゥームレイダー』シリーズなどで知られるアイドスが行っているのだが、海外向けのゲームで日本軍勝利のシナリオが描かれていることは、赤石沢プロデューサーにとっても衝撃的なことだったという。

 また、ゲームの説明を行う赤石沢プロデューサーがローカライズの上で特に力を込めて語ったのがゲームの発売時期。前作は海外での発売から1年余りを置いて日本に上陸したため、オンラインモードで海外プレイヤーと一緒に遊ぶことができずに、ユーザーからの不満も多かったのだという。このことを大きく反省したと語る赤石沢プロデューサーは、今作が海外と同時期に発売することを絶対の課題とし、『バトルステーションズ:パシフィック』は海外と同じ5月に日本でも発売する運びとなったそうだ。

 さらに「これは幸運なことだったのですが」と赤石沢さんが語るのは、翻訳を元自衛官の方に依頼できたこと。太平洋戦争をモチーフとしている本作のローカライズは、シナリオだけでなく、兵器の解説などにおいても深い軍事知識が要求される。翻訳家の方は、これを十二分に満たしてくれたそうで、「ユーザーの皆さんに満足していただけるローカライズのクオリティ」と赤石沢プロデューサーも自信をうかがわせていた。ちなみに、収録される兵器はすべて実在したもので、両軍あわせて80種類以上あるという。


■気分は大空のサムライ!? オンラインモードを遊んでみた!

 ここからは、実際にプレイした感想をお送りする。シングルモードでやり込むにも十分なボリュームはあるが、やはり本作の醍醐味(だいごみ)はオンラインモードにあるのではないかと思う。ということで、参加したメディア3組(3人)とスパイクのスタッフ4人の合計7人でオンラインプレイをした。ちなみにオンラインモードでは最大8人で遊ぶことができる。

 初めにプレイしたのは、日本軍とアメリカ軍に分かれたチームで、洋上での空戦を楽しむモード。筆者は日本軍に属し、アメリカ軍のF4Fワイルドキャットなどを相手取って戦うことに。やはり日本人に生まれたからには、零戦に乗って戦いたい! というワケだ。とはいえ、今回のプレイでは4種類の航空機を選択できたのだが、選べる戦闘機は零戦のみで、後の3機は爆撃機に雷撃機、攻撃機。いずれも空中戦向きの機体とはいえないから、必然的に選択肢は零戦だけだった。

『バトルステーションズ:パシフィック』 『バトルステーションズ:パシフィック』

 普段、ミリタリー系のゲームをプレイしないため、周りからボコボコにされるのではと思って緊張しながらプレイを始めた筆者だったが、日本軍チームはスパイクのスタッフで屈指のエースが属していた上、人数も4人で、アメリカ軍チームを一方的に追いやる結果に。スタッフさんの大活躍の陰でただ飛び回っていた筆者は、敵から攻撃されることもほとんどなく空を楽しむことができた。結果は日本軍チームの圧勝で、全体的な個人ポイントでも大きく上回っていたため、「スタッフさんはすごいなあ」と思っていたら、何故か筆者が個人ポイントでは1位。「撃墜数は圧倒的少なかったのになぜ1位なのか」を、横でサポートしてくださったスタッフさんに尋ねたところ、「与えたダメージが大きかったのでは」と指摘された。なるほど、撃墜の援護をしていても個人成績上位になれるのはうれしい。坂井三郎のようなエースでなくとも、ポイントがゲットできるとは!

■戦略的な遊びがおもしろい! 大海を舞台に拠点争い

 続いては、全員がアメリカ軍に属して駆逐艦を操作し、個人ポイントのみを競うモードをプレイした。航空機では危険な前衛をスパイクのスタッフさんに任せて、おいしいとこ取りをしていた筆者だが、艦船ではNPCの魚雷をまともに食らって何度も撃沈されてしまう。実はNPCの狙いは結構正確だそうで、的確に操船しないと駆逐艦などはあっという間に沈んでしまうとの話。航空機に比べて操作の複雑な艦船では、初心者ゆえのヘタさがもろに出てしまった。ちなみにNPCに対して魚雷攻撃を仕掛ける際も、放射状に発射するなどしないとなかなか当てられないそう。

 最後に、洋上に浮かんだ拠点の取り合いをする、戦略的なチーム対戦モードを遊ばせてもらった。今回は時間の関係で拠点の数は5つのみの小さなMAPだったが、実際には決着まで1時間以上かかるような大規模MAPも収録されている。海外のユーザーとリアルタイムで対戦できる本作では、日本人の操作する日本軍チームと海外ユーザーの操作するアメリカ軍という、妙にリアルな図式での対戦も楽しむことが可能。このあたりは前作のユーザーの要望も多かった箇所のようで、熱い戦いが繰り広げられそうだ。

『バトルステーションズ:パシフィック』 『バトルステーションズ:パシフィック』

 このモードでは、爆撃機、雷撃機から潜水艦や魚雷艇まで、豊富な種類の兵器が使用可能だった。しかしこれまでの2戦から、筆者の艦船操作では他の方たちに大きく劣るとわかっていたので、今回はアメリカ軍チームとして、航空機で艦船の支援に徹することにした。

 序盤は中立の拠点を奪い合っていたため、互角のポイントで戦っていた両チームだが、アメリカ軍チームが、東側に2つ固まっていた日本軍チームの拠点に猛攻を仕掛けたあたりで戦況が動き始める。2つある島のうち北側の島が激戦区となるうち、アメリカ軍チームの爆撃機隊が南側の島を攻撃。あと爆弾1つで拠点を攻略できるといったところで、艦船の攻撃が島を攻略した。こうなれば、日本軍チームの本拠地から離れた北側の島は分断され、アメリカ軍の攻撃を支えきれずに陥落してしまう。ここまできて、アメリカ軍チームは日本軍チームに500ポイント以上差をつけて有利に。本拠地のみを残して防備を固める日本軍チームにそれ以上大きな打撃を与えることはなかったが、そのままアメリカ軍有利で体験会終了となった。

『バトルステーションズ:パシフィック』 『バトルステーションズ:パシフィック』

 3つのモードで『バトルステーションズ:パシフィック』を遊んだ今回の体験会だったが、筆者が一番おもしろいと感じたのは、おそらく本作のゲーム性がすべて詰まっているであろう最後の戦略的なモードだ。最初は、「兵器を操作するのに、なぜコンバットではなくストラテジーなのだろう?」と思っていた筆者だが、その疑問も氷解。オンラインモードならではの戦略的な対人戦を満喫した。こういったゲームに慣れない人でも、ボリュームのあるシングルモードでウデをみがけるので、今作での国際的な対戦を楽しんでみてはいかがだろうか?

『バトルステーションズ:パシフィック』

Battlestations: Pacific (C) Eidos Interactive Limited 2009. Marketed and distributed in Japan by Spike. Developed by Eidos Hungary KFT. Battlestations, Battlestations: Pacific, Eidos Hungary KFT and the Eidos Hungary KFT logo, Eidos, and the Eidos logo are trademarks of Eidos Interactive Limited. Uses FMOD Ex Sound System. Firelight Technologies. All other trademarks are the property of their respective owners. All rights reserved.

データ

▼『Battle Stations: Pacific』
■メーカー:スパイク
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:STG
■発売日:2009年5月28日
■価格:7,140円(税込)
 
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