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2009年6月23日(火)

次期アップデート情報も公開された『Legend of LUNA』オフラインイベントレポ

文:電撃オンライン

 NHN Japanは6月20日、PC用MMORPG『Legend of LUNA(以下、LUNA)』のユーザーカンファレンスを実施した。その模様をレポートする。

 このカンファレンスは招待制となっており、『LUNA』の現役プレイヤー40名が会場まで足を運んだ。この日の司会進行を勤めたのは『LUNA』の山本征幸プロデューサー。MMORPG好きの読者ならば、ピンクのとんがり帽子をかぶった山本さんの姿を別の記事で見かけたことがあるかもしれない。続けて『LUNA』運営チームのメンバー4名が紹介され、イベントがスタートした。

『Legend of LUNA』
▲『LUNA』の山本征幸プロデューサー。
『Legend of LUNA』
▲運営チームの面々。左から、阿部誠ディレクター、ローカライズ&QA担当の山田保敏、運営担当の尾崎潤一さん、渡辺真人さん。
『Legend of LUNA』
『Legend of LUNA』 『Legend of LUNA』

 まずは、ゲーム内のさまざまなデータからわかる『LUNA』のトレンド、そしてプレイヤーから最も多く寄せられた要望・意見についての回答が発表された。それによると、登録時のデータにもとづくプレイヤーの男女比は6:4と、一般的なMMOと比較して女性率が非常に高い。しかしプレイヤーキャラクターの性別を見ると、こちらは女性が圧倒的。かわいい顔立ちやアバターは、男性プレイヤーにも好評なのだろう。アバターアイテムは、巫女やメイド服、あるいはアニメ作品とのコラボといった、コスプレ系の衣装に人気が集まっていた。

 プレイヤーから多く寄せられる意見について山本さんは、レベルバランス、処理速度の遅さ、不正行為の3点を挙げた。1点目のレベルバランスは、狩場の不足と、レベル40を超えたあたりからクエストが極端に減って経験値を獲得しにくい点。これについてはクエストを追加して補っていく予定とのこと。2つ目の、混雑すると起きやすい処理速度の低下(ラグ)は、目下原因を調査中。もしクライアント側に問題があるとすれば、対処には時間がかかるとのことだ。3つ目の不正行為とはRMT(リアルマネートレード)、BOT(ボット)で、主に海外からの接続者が行っており、数は減少しているもののゼロではないという。今後も引き続き不正対策は行っていくとの回答が得られた。

■大型アップデート『クロニクルII』と新タイトル『LUNA Twinkle!』で何が変わるのか!?

 さらに、7月15日に実施予定の大型アップデート『クロニクルII 英邁王の失踪と失われた平和』の一部内容が発表された。また、同時にタイトルが『Legend of LUNA』から『LUNA Twinkle!』に変更されるという。新タイトルの由来や、変更にともなう今後の『LUNA』の方針など、気になるポイントをお伝えしよう。

 まず次期アップデート『クロニクルII 英邁王の失踪と失われた平和』についてだが、新たに混乱の地・ネラが舞台となり、ネラ城下町、ネラ港、巨大な庭園が追加される。ネラは豊かな土地であったが海賊が出現し始め、さらに国王タミカイルが失踪したことで魔族がはびこり荒れている。この地をプレイヤーが救えるか? というバックストーリーも用意されている。

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▲ネラ城下町は、広大なネラ地域を束ねるネラ王国の首都。王国騎士団に守られ、平和な日々が続いていたが、現在は混乱に巻き込まれている。ただし貿易拠点として発展しているため、武器や道具などを扱う店が軒を連ねる。神殿や結婚式場などの施設も存在する。
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▲ネラ港は、飲み水が不足しているブルーランドのなかでも潤沢な水源を誇る。ネラ港は豊かさの象徴で、ネラ王国の繁栄はこの水源により支えられていた。しかしブルーランド全体の水源を担う“妖精の谷”の湖の汚染により、状況は一転する。水源の権利を争い、海賊たちが出現し、日々破壊活動と略奪を繰り返し、かつての平和と、豊かさの象徴は消えてしまう。
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▲巨大な庭園は、ネラ王タミカイルが消息を絶った地。かつてネラ王が余暇のために訪れていた庭園で、多くの自然が残されている。モンスターなど存在しない、穏やかな場所だったが、タミカイルが消えるとともに、魔族の気によって変質したモンスターたちが出現。広く静かだった庭園は、汚染した死の地に変わってしまった。
『Legend of LUNA』

■新武器も使いこなす5次職が実装!!

『LUNA』の基本職であるファイター、メイジ、ローグの能力をさらに特化させた5次職全16種も『クロニクルII』で実装される。ファイター系は、片手剣を両手に装備できる“双剣”を使えるようになるなど、より攻撃力に特化したクラスに分岐。ローグ系では新たに銃火器を扱えるクラス・エンゲージが登場。銃以外の武器も使いこなすことができ、遠距離攻撃の専門家として活躍できる。メイジ系は特に新武器などは追加されていないが、すべての回復魔法を使えるカーディナル、支援専門家のオクターバーなど、パーティプレイでの役割がさらにハッキリ分かれるようなクラスが目立つ。

『Legend of LUNA』 『Legend of LUNA』 『Legend of LUNA』
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 『クロニクルII』のさらに先のアップデート情報も、会場ではいくつか発表された。8月19日にギルド同士が戦う“ギルドトーナメント”については、開催は週1回で、一定の条件を満たしたギルドのみエントリーでき、実際の試合は10人vs10人程度の規模が予定されているとのこと。トーナメントで優勝すれば特別報酬を得られるメリットもあるが、エントリーには高額なゲーム内通貨が必要になる。スクリーンショットを見る限りチェスボードと駒があるようだが、どのようにして対戦するのかは不明だ。

 また日本発の企画として、イラストレーターとのコラボ企画が今夏に予定されている。第1弾はキービジュアルを担当する竹浪秀行さんによる、武者&姫風アバターアイテム。すでに第2弾のイラスト担当もDS『セブンスドラゴン』を手がけたモタさんに決定している。

『Legend of LUNA』 『Legend of LUNA』

■まったりだけじゃない、新しいLUNAのキーワードは“冒険”

 『Legend of LUNA』から『LUNA Twinkle!』へのタイトル変更について、山本さんは“Twinkle”という単語と絡めて、好奇心に満ちたきらめく世界、『LUNA』をプレイするユーザーの目が輝くような作品、という思いを込めました」と話す。さらに「GvGなどの要素が入ることで、従来打ち出してきたハートフルという言葉だけではこの作品を表現しきれないため、タイトル変更を決めた」と解説した。また、新メインビジュアルも会場で発表され、ほのぼの、まったり感の強かった従来のイラストに比べると“冒険に出かけるワクワク感”が表現されているのが特徴だ。イラストレーターは前回と同じく竹浪さんが担当している。

『Legend of LUNA』 『Legend of LUNA』
▲新ビジュアルにはペットのポコも描かれている。

■韓国開発スタッフから初めて明かされる、新システムなどなど

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▲EYA INTERACTIVE LUNA Studioプロジェクトマネージャーのチェ・ジェヨンさん(左)と、ジョン・ジンムンさん(右)。

 アップデート情報の後には、『LUNA』の開発元であるEYA INTERACTIVE LUNA Studioからスペシャルゲストとして、プロジェクトマネージャーのチョ・ジェヨンさんとジョン・ジンムンさんの2人が登場した。チョ・ジェヨン氏は2007年に企画チーム長として参加し、開発を経てプロダクトマネージャーへ。ジョン・ジンムンさんも同じく2007年の開発初期から『LUNA』にかかわり、システム企画と日本ローカライズを担当している。

 ゲーム開発を志したきっかけとなる作品や、日本製ゲームがやりたくて日本語を勉強したこと、タイ語版『LUNA』で起きたトラブルなどの裏話などを交えつつ、チョ・ジェヨンさんがさりげなく「ハウジングシステムや乗り物を現在開発している」とコメント。ハウジングについては日本どころか各国の『LUNA』サービス全体で初出しとなる情報だ。実際にハウジングで何ができるのか、どんな乗り物なのかという部分は残念ながら不明。ちなみに、日本版の半年先を行く韓国バージョンでは、年内になんらかの新しいシステムが見られるかもしれないとのことだ。

 この後、運営チームのメンバーを参加者が囲んで直接質問できる座談会の場が用意された。最初は遠慮がちに発言していた参加者も、次第に「バザー看板を出したまま歩いてるキャラクターを見るが、バグ利用では?」「GMというのは実際に何をしているのか」「ファイター系の武器がレベルが上がるにつれてデザインがかっこ悪い……」など、かなり活発にやりとりが行われていた。運営メンバーからも「普段はテキストでしか読むことのない、プレイヤーの意見を直接聞くことができ、本当によかった」「画面越しではない、ユーザーの熱意に触れることができた」と、この座談会は好評だったようだ。山本さんは、あえて座談会という場を設けたことについて「運営チームの核である4人に、プレイヤーと直接対話してほしかったし、それによってサービスの質が変わるのではないかと期待している」と述べた。

 最後に、好きなアバターアイテム1点がもらえるジャンケン大会をもってカンファレンスは終了した。正式サービスが始まってからまだ間もない本作品だが、カンファレンスの内容を見る限り、ユーザーとともにこのタイトルを盛り上げていこうという姿勢がきちんと伝わってきた。タイトルの変更、GvGの実装など方向性の急な転換を心配するプレイヤーもいるかもしれないが、今までのようにまったりプレイができなくなるわけではない。多様なコンテンツで遊び方のバリエーションがむしろ増える、より魅力的な『LUNA』になるととらえればいいだろう。

『Legend of LUNA』 『Legend of LUNA』 『Legend of LUNA』

Published by NHN Japan Corporation.
(C)2006 EYA INTERACTIVE CO. LTD&LUNA STUDIO.ALL RIGHTS RESERVED

データ

▼『Legend of LUNA』
■メーカー:NHN Japan
■対応機種:PC(対応OS:Windows 2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■プレイ料金:無料(アイテム課金)

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