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2009年7月17日(金)

新しい一歩を――『マジック:ザ・ギャザリング 基本セット2010』プレリレポ

文:電撃オンライン

 本日2009年7月17日に発売されるTCG『マジック:ザ・ギャザリング(以下、マジック)』の基本セット2010(以下、M10)。現在の基本セットである第10版の退場と、それに代わる新カードの登場、過去のカードの再録に加え、いくつかの用語やルールの変更・改良が行われるなど、『マジック』はM10を境に1つの節目を迎えることになる。

 そんなM10の発売に先がけて開催された“プレリリーストーナメント”に、電撃オンラインのスタッフもお邪魔させていただいた。ここではその様子をレポートしていく。プレリリーストーナメントとは、その名のとおり発売前のカードセットを使って行うトーナメント。事前に構築したデッキを持ち込むのではなく、その場で配られたいくつかのカードパックから引いたカードのみでデッキを組み立て、試合を行う“シールド戦”という形式で行われる。

 トーナメントは東京・大阪・名古屋を初めとして各地で行われ、参加資格も特になく、事前にデッキを用意する必要もないので、会場に行くだけで誰でも新カードを使って『マジック』を楽しめる、非常にカジュアルな雰囲気の大会となっている。なお『マジック:ザ・ギャザリング』公式サイトでは、M10のカードリストが公開されているので、参考にしてほしい。

『マジック:ザ・ギャザリング』 『マジック:ザ・ギャザリング』
▲7月12日、100名を超える参加者が集まった東京でのプレリリーストーナメント。トーナメント開始前、多くのプレイヤーでにぎわう会場には、日本人だけではなく外国人プレイヤーの姿も。気軽に多くの人とコミュニケーションが取れるのもトレーディングカードゲームが持つ魅力の1つだ。また、会場では7月11日より変更されたルールの注意点が書かれたプリントが用意されていた。

 受付を済ませて待機していると、しばらくしてM10のパックが配布された。ここから出てきたカードでデッキを組む。となると当然、単純に強いカードを引けるかどうかという運が必要になってくるが、それと同時に、どれだけうまく回るデッキを構築するかということも重要なポイントとなる。

『マジック:ザ・ギャザリング』 『マジック:ザ・ギャザリング』
▲プレイヤーの命運をわけるブースターパック。開封後、まずは自分の使う色を決めるため、色ごとにカードをわけていく。一緒に参加したカネキングは、赤の強力な神話レアカード、プレインズウォーカーの《チャンドラ・ナラー》を引き当てたようだ。

 デッキ構築が終了すると、いよいよトーナメント開始。筆者が組んだのは、クリーチャーの質に優れる白・緑に、相手のクリーチャーを破壊する黒の呪文《破滅の刃》を加えた非常にオーソドックスなもの。大型の飛行クリーチャー《セラの天使》や、再生を持つ《棍棒のトロール》など優秀なカードが多く、さらに自軍の攻撃力を大幅に引き上げる超強力カード《踏み荒らし》も搭載。いい成績が期待できるデッキとなった。また、会場全体でも、この緑や白をメインカラーに置き、必要に応じて黒や赤を投入するといった方向でデッキを組んだプレイヤーが多かったようだ。

 1回戦の対戦相手も、筆者と同様の白緑デッキだった。第1試合、ジャンケンで勝った相手が後攻をとり、自分は先手でプレイすることに。2ターン目に低コストの飛行クリーチャー《嵐前線のペガサス》を召喚し、3ターン目にはクリーチャーのサイズを強化するエンチャントの《樫変化》をつけて序盤からハイペースに飛ばしたところ、そのまま相手のライフを削りきることができ、勝利。

 第2試合は、お互いに同じくらいのサイズのクリーチャーを並べ、にらみ合いになったところで相手が強力カード《蟻の女王》を展開。これを除去することができず、女王から生み出された蟻の大群に飲み込まれて敗北。第3試合は、相手が序盤の展開に必要な土地を引けないでいるうちに《嵐前線のペガサス》と《樫変化》のお手軽なコンボが再び決まって勝利。トータル2-1で1回戦を勝利することができた。

『マジック:ザ・ギャザリング』 『マジック:ザ・ギャザリング』
▲会場では、前評判どおり白・緑系のデッキが人気のようだった。白は全体的にクリーチャーの質がよいことに加え、クリーチャーをタップさせる《目潰しの魔道士》や、戦闘に参加できなくする《平和な心》など、妨害手段も豊富なところが強み。緑はクリーチャーのサイズが大きく、力押ししやすいところが魅力的。逆に、からめ手を得意とする青は、選ばれにくい状態にあったようだ。

 続く2、3回戦もほぼ同様の戦術で連勝することができた。対戦していて感じたのは《樫変化》の強さ。これまで、こういったエンチャントは「青のバウンス呪文に弱い」「クリーチャーにつけようとするところをインスタントで狙われる」「装備品の方が強い」というような欠点ばかりが目立っていたが、M10のカードのみを使った今回のトーナメントでは「青いデッキがあまりいない」「インスタントでクリーチャーを破壊できる呪文が少ない」「サイズを底上げする装備品が少ない」というような状況であるため、かなり安心できるカードのように思えた。

 そして迎えた最終戦。第1試合は、序盤の小競り合いから相手が《マグマ・フェニックス》を召喚。このフェニックスは破壊されると、すべてのクリーチャーとプレイヤーにダメージをばらまいていくうえに、その後、自力で墓地から舞い戻ってくることができるという、フェニックスにふさわしい自己完結した能力を持つ強力なクリーチャー。《平和な心》があれば対処は可能だったが、これも黒を含むデッキには致命的となる、沼渡りを持った《沼の悪霊》を封じ込めるために使ってしまっていたため手の施しようがなく、そのまま敗北。

 第2試合は、対戦相手の引きがよくないうちにこちらがクリーチャーを展開、そのまま《踏み荒らし》で勝利。第3試合、対戦相手は先攻を選択。早々にダメージを与えると手札を捨てさせる能力を持つ《惑乱の死霊》を召喚。この死霊の攻撃でこちらの《踏み荒らし》を捨てさせられてしまう。その後、出せるだけのクリーチャーを展開し、殴り合いのダメージレースを挑むが、1ターンおよばずライフを削りきられてしまい、敗北した。

 というわけで、最終的な成績は3勝1敗。賞品としてM10のパックを3つとTシャツをゲットできた。その後は、サイドイベントとして開催されていた“チャンピオンチャレンジ”に挑戦。これは、現役トッププレイヤーと対戦ができるという企画で、筆者の相手をして頂いたのは2007年にルーキー・オブ・ザ・イヤー、いわゆる“新人王”に選出された渡辺雄也氏。ここでの対戦方法はシンプルな“パックウォーズ”という形式。これはブースターパックを1つ開けて出たカードに基本土地カードを1種類3枚ずつ、合計15枚加えてデッキして対戦するというもの。カードの取捨選択が一切できないので、それこそ運頼みなのだが意外と互角の勝負になることが多いのがおもしろいところ。

 “チャンピオンチャレンジ”では、渡辺氏が序盤に出した《珊瑚マーフォーク》にチクチクとライフを削られるものの、ほかに攻め手がなかったので《カビのマムシ》で相討ちを取り、そのままゲームがやや長引いたところで筆者が超大型クリーチャー《カロニアのビヒモス》を引き込み、そこから逆転勝ちをおさめた。

 こうしてM10のプレリリーストーナメントは終了。今週、7月17日にはM10が発売され、その直後に『マジック』の日本選手権が開幕する。新カードの登場でどんな新しいデッキが現れるのか、また、10版のカードを失った既存のデッキはM10の参入によってどのような変化をとげるのか、新しい一歩を踏み出した『マジック』から目が離せない。

『マジック:ザ・ギャザリング』 『マジック:ザ・ギャザリング』
▲プレリリーストーナメントのサイドイベントであるチャンピオン・チャレンジ。この日は渡辺雄也氏と、2007年のプレイヤー・オブ・ザ・イヤーの受賞者である斎藤智晴氏が来場していた。現役トッププレイヤーたちのプレイングを見ようと、卓の周りには常に多くのギャラリーが集まっていた。

『マジック:ザ・ギャザリング』 『マジック:ザ・ギャザリング』
▲こちらが賞品のTシャツ。裏にはM10で新しく登場した白のレアカード《警備隊長》のイラストがプリントされている。画像右にTシャツと一緒に映っているパックは、賞品として配られていたM10のブースターパックだ。

『マジック:ザ・ギャザリング』 『マジック:ザ・ギャザリング』
▲トーナメント終了後も、会場のいたるところでフリー対戦やカードのトレードが行われていた。また、会場に用意されたホワイトボードには、今後の主な大会のスケジュールが掲示されていた。規模の大小はあれど、『マジック』の大会はさまざまな場所で開催されているので、興味を持ったらぜひ足を運んでみてほしい。

(TEXT by ねこひげ合同会社/ゆば)

(C)1995-2009 Wizards of the Coast LLC, a subsidiary of Hasbro, Inc. All Rights Reserved.

データ

▼『マジック:ザ・ギャザリング 基本セット2010』ブースターパック
■メーカー:ウィザーズ・オブ・ザ・コースト
■発売日:2009年7月17日
■価格:441円(税込)
 
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