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2009年7月24日(金)

『RO』が違うゲームに変わる!? “サクライR”日本テスト導入インタビュー

文:電撃オンライン

『RO』
▲ガンホー・オンライン・エンターテイメント第一マーケティング部の飯野平(写真右)さんと、ゲームサービス部一課の廣瀬高志さん(写真左)

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントが現在サービス中のPC用MMORPG『ラグナロクオンライン(以下、RO)』。本作の運営スタッフに、システム改修プラン“サクライR”に関するインタビューを行った。

 韓国では今年6月にシステム改修プラン“サクライR”が実装された『RO』。このサクライRは、サービス開始から長い期間が経過しているタイトルだけに、小手先だけのアップデートでは改善しきれないゲームバランスを大きく調整し、3次職を見据えた上でどうしても必要な改修とのこと。しかし、その内容は『RO』を根幹から変えてしまうがゆえに、韓国プレイヤーの間でも本サーバ実装前には賛否両論だったという。

 今年3月に行われたユーザーシンポジウム 2009では、ごくサラリと「日本でもサクライRのテスト導入を予定している」と伝えられただけだったが、いよいよサクライR実装に向けて具体的に動き出しているようだ。今回は詳しい話を、ガンホー・オンライン・エンターテイメント第一マーケティング部の飯野平さんと、ゲームサービス部一課の廣瀬高志さんのお2人に伺った。(インタビュー中は敬称略)

●サクライRはゲームバランスを根幹から変えてしまう“改修プラン”

──『RO』の熱心なファンの方々からは、かなり注目を集めているサクライR実装に関する話題ですが、まだよく知らないプレイヤーも多いと思います。「サクライサーバ=韓国のテスト専用サーバだよね?」と思っている読者向けに、まずは簡単な説明をお願いいたします。

飯野:サクライRの“R”は“renewal”の意味でして、韓国では1年近くテストを行っていましたが、先月の6月17日に韓国では本サーバへ実装となりました。

廣瀬:サクライRはこれまでの『RO』のゲームバランスを根本から変える、かなり大きな変更点をいくつも含んでいます。1つずつ挙げていくとキリがありませんが、たとえば武器や防具などのアイテムを含めた、ダメージ値の計算式が変わっています。それにともない経験値や成長速度といった、主にゲームバランスにかかわる部分が異なります。現在の『RO』とは違う部分も、かなり存在しています。

飯野:『RO』はどちらかといえば、自由に割り振れるステータスに依存したゲームですが、サクライRではこれがステータスの自由度比率を減らした、アイテム重視のゲームバランスとなっています。

──日本のプレイヤーがもっとも心配しているのは、当然ですが韓国バージョンがそのまま日本で適用されるのか、ということですよね。

廣瀬:そうですね。かなり大きくゲームバランスが変わってしまうため、日本実装に際してどうなるのかというお問い合わせも、かなりの数が弊社に届いています。

飯野:最初にお伝えしておきたいのは、韓国バージョンをそのまま日本で実装するようなことは絶対にありません。そこは安心してください。

廣瀬:3月の“ユーザーシンポジウム 2009”でも少し触れましたが、我々も韓国で実装されたサクライRは悪いアップデートではありませんが、ベストなものだとも考えてはいません。韓国Gravity側と日本の運営である我々で、少しこのサクライRに対するスタンスがそもそも違います。これは我々日本側の考えですが、現在の『RO』は昔のゲームだけに、システム的な上限に至りつつあり、装備品やキャラクターのスペックがインフレを起こしています。テストプレイをしていただいた“エピソード8.0:Ash Vacuum【アッシュ・バキューム】”もそうですが、キャラクターがどんどん強くなり、それに対してモンスターもひたすら強く……という状況で、『RO』に新しいコンテンツを追加する拡張性がなくなってきているんですね。“リニューアル”という言葉が独り歩きしてしまっていますが、これから3次職実装へ向けて、ゲームバランスを改めて考え直す必要があり、それがサクライRという形をとっています。

『RO』 『RO』 『RO』

──それでは日本での実装時にどういった形になるのか、具体的なお話を聞かせてください。

廣瀬:一番大切なことは、サクライRが日本のプレイヤーに受け入れられるかどうかです。我々も先にテストサーバでプレイはしていますが、とにかく変更点が多岐にわたっていますので、実際にプレイヤーに触って体感していただき、データの集計や率直な意見・要望を聞くべきだと考えています。そのため、日本独自のバランス調整を加えたテストプレイを、夏終わりから秋にかけて、最低でも1カ月。場合によっては期間を延長して、スケジュール優先ではなく、納得できるまでクオリティを重視したテスト行う予定です。

──実際にサクライRを体験できるとなると、テストに参加したいプレイヤーはかなり多いと思われますが、どのような形でどの程度の規模のテスター募集をされる予定ですか?

廣瀬:人数についてはまだ確定していませんが、数千人規模を考えております。一応、何らかの形で応募していただくことになりますが、その際にキャラクターレベルやプレイ年数、ブログの有無といった簡単アンケート調査などを行い、上級者からビギナーまで幅広いプレイヤー層から偏りがないよう選ばせていただく予定です。

──テストの結果、手ひどく酷評され、日本のプレイヤーにサクライRがまったく受け入れられない可能性もあるわけですよね。

廣瀬:手厳しい評価を受けた内容について検討し、根拠があるとなれば、もちろんGravityに対して要望とか打診といったレベルではなくハッキリ「日本では受け入れられません、変更してください」と申し入れます。

──グループ企業化したことで、多少は日本側の要求を強く言えるようになったんでしょうか。

飯野:いえ、グループ企業かどうかは関係ありません。『RO』を今後も日本で運営していく上で、プレイヤーには評価されたいと思っています。そのために言うべきことはきちんと言う、ということです。もちろん開発側には、開発スタッフの抱いている思い、考えもありますので、日本のプレイヤーが求めているものを示した上で話し合っていきたいです。

──そこまで激しい変化をもたらしたサクライRですが、韓国での評判はどうなんでしょう。

廣瀬:今まで使っていたものの価値が場合によっては下がるわけですから、韓国の『RO』コミュニティサイトを見ていても、やはり韓国でも賛否両論ではありますね。

飯野:ただ、ここまで大きなシステム改修ですとゲーム内外からの注目度も高く、結果的に『RO』の活性化にはつながったと聞いています。

『RO』

──お2人はサクライRを実際にテストプレイされているんですよね? どうでしょう、日本のプレイヤーには受け入れられそうか率直なご意見を伺いたいですね。

廣瀬:これはあくまで私個人の意見ですが、手を入れたい部分はだいぶありましたね。

──しかし、そこまで大幅なバランス調整が必要となると、日本バージョンサクライRが実装されるのは、相当先の話になりませんか。

飯野:それは何とも申し上げられませんね。修正すべき部分がどの程度多岐にわたるか、その内容次第でもあります。

廣瀬:先ほども申し上げましたとおり、サクライRの導入は3次職実装のための改修と土台作りであり、新たに3次職だけポンっと入れるというわけにはいきません。

飯野:今の『RO』のシステム上、無詠唱ができる、ASPDが190の上限に達している、あるいは属性抵抗がMAXというキャラクターも存在していて、そういったプレイヤーにはもう伸びしろがありません。『RO』というゲームに拡張性がなくなって来ているのが事実です。リニューアルという単語だけが一人歩きしているようですが、サクライRは既存の『RO』を全て覆して、何もかも無理やりリニューアルさせ、新しくパッケージしなおして売り出すということではありません。新たな3次職を安定した状態で実装し、楽しんでいただくため、そしてそのために必要な改修であることを本インタビューを通じてプレイヤーの皆様にご理解いただければと思います。

廣瀬:3次職のためだけでは、もちろんありませんよ。サクライRで『RO』の拡張性を広げ、これからも長く『RO』を愛していただくためです。

●プレイヤー待望の3次職の最新情報はいかに?

──ところで、ギラギラ・とげとげしていると評判だった3次職の装備グラフィックは結局あのままなんでしょうか? 次の最新情報が公開されるタイミングなどもわかる範囲で教えてほしいです。

廣瀬:あくまで現状のお話ですが、変わるものもあります。たとえばルーンナイトのグラフィックスはすでに原画から変更する予定です。それについてもテストプレイを通じて、再度ご意見を募集したいと考えています。

飯野:サクライRには当然、3次職が入っていますから色々実際に触っていただけますよ。ただ、韓国で実装されたものをそのまま持ち込みますので、グラフィックをはじめスキルやバランスなどが、そのまま日本サーバへ実装されるわけではありません。あくまでお試しとなります。

──今年の初めは、確か3次職実装は2009年内を目処に、というお話だったような記憶がありますけれど……。

飯野:当初はその予定で進めていました。ただ、韓国での実装情報などを翻訳している『RO』ファンの方なども多くいらっしゃるため、サクライRの内容はかなり日本のプレイヤーにも衝撃的というか、反響が本当に大きかったです。それもサクライRへの期待度というよりは不安という形でですね。そんな中で「2009年度実装を目指します」という発表を実現させるがために、無理やり形にして実装してしまうということはできません。繰り返しになりますが、我々としてもサクライRについては慎重に考えています。

廣瀬:とはいえ、あまりお待たせしすぎてもプレイヤーさんから愛想を尽かされてしまうので、そこはいつもジレンマなのですが。先ほど数千人規模のテストとお話しましたが、それも実際に始めてみて、あまりに修正すべき部分が大きければテスト第1弾、第2弾という形で変更した点を再度プレイしていただく可能性もありますね。

──それでは最後にサクライRのテスト導入へ向けて、読者へのコメントをお願いいたします。

飯野:プレイヤーの皆様がサクライRというものに対して期待半分、不安はそれ以上という気持ちなのは、日々送られるご要望・ご意見を読んで我々も理解しています。少しでも安心していただくために、サクライRをテストサーバという形で公開し、皆さんと一緒に日本のプレイヤーが安心して遊べる『ラグナロクオンライン』を作り上げていきたいです。

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 「終わりのない世界でいつまでも遊べる」というのがMMORPGの魅力とされてはいるが、その作品を愛してくれる熱心なファンほど、コンテンツの消費速度は開発側の予想を上回るスピードだ。ライト系MMORPGで古参と呼ばれる作品は、現時点でだいたい5年前後のサービス期間となっており、どこでも同じような悩みを抱いている。その一時的な解決策としてやたらと難易度が高いインスタンスダンジョンや、ドロップ率が低いセット装備といった、メインコンテンツとは別の、繰り返し遊ばせるサブコンテンツでお茶を濁している状況だ。またインタビューでも語られているとおり、前回のアップデートよりもっと強いボスを、それに耐えられるだけのもっと性能のよい装備品を……とインフレ化も激しくなり、今度はそれについていけるだけの古参と新規プレイヤーの溝が深まるといった新たな問題も生み出してしまう。

 『RO』の日本サービスがスタートしたのは、2002年のこと。カジュアル系MMORPGの黎明期に作られた古い作品だけに、サクライRのような“大手術”が必要な時期にさしかかっているのは間違いないだろう。しかし、韓国でも賛否両論。とあるオンラインゲームを対象にした現地のランキングサイトでは、サクライRの影響で10位近く下がったという話も聞いている。3次職そのものはプレイヤー待望のコンテンツだけに、サクライRをどこまで日本独自バージョンとしてテコいれできるのか、今後の情報とテストサーバの開始を期待しつつ見守っておこう。

(インタビューは7月上旬収録のものとなります)

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データ

▼『ラグナロクオンライン』
■メーカー:ガンホー・オンライン・エンターテイメント
■対応機種:PC(対応OS:Windows 2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■正式サービス開始日:2002年12月1日
■プレイ料金:1,500円(税込)/30日

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