2009年8月13日(木)
――各地域を選定する中で、鳥取を選んだ理由はどのようなものだったのでしょうか。
村崎 ぶっちゃけますと『たなくまCD』つながりです(笑)。『6th』のCDに入っている『だんだん』という曲の“だんだん”は、向こうの言葉で“大丈夫”という意味なんですよ。
下田 向こうの言葉ってどこのことですか?
村崎 鳥取。
下田 全然言わないですよ~!(笑)
村崎 確か、鳥取と島根、山陰の方だったと思うよ。あれの作詞は“たなくま”だから、ネットかどこかで調べたのかもしれない。相当古い言葉なのかもしれないですね。
――下田さんの地元では、あまり鳥取弁は使われないんですか?
下田 人にもよりますね。同じ地方でも、お年寄りが使っている方言と、若い子が使っている方言は、結構違うんです。若い子になるとイントネーションの上下があるだけで、そんなには“方言”らしくない。ドラマCDの中で出ている「~してごすか」という言葉は、お年寄りの方は言うんですけど、若い子は言わないですし。
――収録では、今まで使ったことのない言葉が出てきましたか?
下田 むしろ使ったことがない言葉の方が多かったです。あとイントネーションなど、敬語を使うときは標準語に近くなるんですよ。(部活の後輩という役どころのため)敬語を使いっぱなしで、方言っぽさを出せているかどうか悩みました。自分でも、台本をちょっと訂正させていただきながらやらせていただきましたが、あえて誇張して、かわいくやらせていただいちゃいました! でもブックレットには、鳥取ではなく鳥取“周辺”って濁して書いてあるから、いいかなと(笑)。
村崎 注意書きで「実際の方言とは違っている場合があります」としていますから大丈夫です(笑)。
――では、下田さんのご出身地域のご家族やお友だちに、このCDを聞いてほしいと思いますか?
下田 ぜひっ! 聞いていただきたくっ! ないです!(笑) 「恥ずかしい」の塊なので……。
村崎 (収録した人は)みんなそう言ってる。
下田 やっぱり! 聞いてほしくないですよ、方言に限らず。
村崎 (ボイスの)シチュエーション自体がやや恥ずかしいものですので、標準語でやっても恥ずかしいかもしれません。昔から自分でしゃべっていた言葉だから、余計に生々しいでしょうし。
下田 こわいのが、うちの両親。両親はネットサーフィンが好きで、私の情報を私よりも早く知っているんですよ。「ドラマCDのキャスト決まったんだってね」……あれ? 事務所から決定の知らせが来てないけど、みたいな。(ボーカロイドの)鏡音リン・レンが決定したときにも、情報の発表日に電話が掛かってきて。「あんた“はつおとみく”の次なんだって?」って(編注:初音ミク・正しい読みは“はつねみく”)。親は、私の情報をかき集めるのが趣味なんですよ、“Google検索の下田麻美のページ”をブックマークしていますから!(笑) ですから、両親には聞かれてしまうだろうな……と。
――このCDについて、第2回の構想はありますか?
村崎 構想はあります。次に入れたいのは宮崎、それから東北では宮城・仙台かな。静岡あたりもおもしろそうだと思っているんですけどね。ただ、本当は江戸弁をしゃべれる人にお願いしたいんです。
下田 江戸弁ってどんなものなんですか?
――「さしすせそ」がうまく言えないイメージでしょうか。
村崎 福岡も、筑後に行くと「しゃ、し、しゅ、しぇ、しょ」になりますね。
下田 でも鳥取も弱いかも。校長先生が「じぇんじぇんだめじゃ」みたいに言っていた気がする(笑)。
村崎 あとは女性編だけではなくて、男性編も作ってみたいですね。
下田 それ私も聞きたいです! ドキッとできるようなのがいいですねー。
村崎 あとは京都! 京都のツンデレ。
下田 「あんたのことなんか、好きじゃありゃしません」、こんな感じ? 「私の部屋においでやす」とか。
村崎 それそれ!
下田 いいなー。京都やってくださいよ。
村崎 スケジュールと予算によります(笑)。
――最後に、ファンの方に向けてひと言お願いします。
下田 声優は本来、方言を取っ払ったところで仕事をさせていただくものなのですが、今回は逆に“方言を生かして”とのことでしたので、こういったお話がいただけてうれしく思っています。なんだか自分のプライベートをさらけ出しているような、恥ずかしくなっているような。今まで萌えゼリフは、たくさん言ってきましたけれども、方言で言うことはなかったので、“むきだし”になっていて、恥ずかしい気持ちが大変多くあります(笑)。しかし方言の魅力、方言CDの魅力については、一切恥じることなく自信を持ってお届けしております。これを聞いていただいて、標準語の女の子とでは味わえないトキメキをぜひ感じていただきたいです!
(C)WAVEMASTER