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2009年8月19日(水)

まずはプレイして感じてほしい――『50 Cent』スタッフインタビュー

文:電撃オンライン

 ベセスダ・ソフトワークスより7月23日に発売された、PS3/Xbox 360用アクションシューティング『50 Cent: Blood on the Sand(以下、50 Cent)』。その日本語版ローカライズ(移植)を指揮した、プロデューサー・岩本けいさん&塩見卓也さんのお2人にインタビューを行った。

 本作は、アメリカの超人気ヒップホップスター・50 Cent(フィフティーセント)が出演する北米の人気タイトルを、日本語版として作り直したローカライズ作品。50 Centとその仲間・G-Unitのメンバーが某国でのツアー中に、“ダイヤモンドの散りばめられた頭蓋骨”を巡る事件に巻き込まれていくアクションシューティングだ。

 今回は、ローカライズプロデューサーという一風変わった目線から、開発経緯や作品の魅力などを語っていただいた。気になる新作『WET』の情報も入手したので、ぜひ最後までご覧いただきたい。

まずはプレイして感じてほしい――『50 Cent』スタッフインタビュー まずはプレイして感じてほしい――『50 Cent』スタッフインタビュー
▲インタビューに快く応じてくださったローカライズプロデューサーの岩本さん(左)と塩見さん(右)。▲最初こそ表情が硬かったものの、お2人とも非常に気さくで、ローカライズに関する興味深い話を聞くことができた。

■制作スタッフの前に立ちはだかった、言葉と時間の壁。

――まずは『50 Cent』が発売された現在の心境を教えてください。

岩本さん(以下、敬称略):PS3/Xbox 360、両プラットフォームの発売が間に合ってひと安心しています(笑)。開発を担当したTHQさんとは初めての仕事でもあったので、無事に完成したことと、よりよい作品を作れたことが何よりうれしいですね。

塩見さん(以下、敬称略):私も同じような心境ですね。ただ、7月31日の発売記念パーティが無事に終わって、「ようやく本当に制作が終わって落ち着いたかな」という気分です(笑)。

――制作スケジュール的に大変だったというお話を耳に挟みましたが?

岩本:たしかにラクな道のりではなかったですね。実は4月下旬から制作がスタートして、ほぼ3カ月で完成までこぎつけたワケですから。あ、でも「奇跡を起こさないと間に合わない!」というほどではなかったです。

塩見:他のソフトがそれ以上に厳しいスケジュールだったので、それに慣れてしまうと「なんとかなる」ってレベルに感じてしまうんですよね(笑)。忙しかったのは間違いありませんが、その中でも余裕を持って、細かい部分まで作り込めたと思います。

――本作をローカライズすることになった経緯を教えてください。

岩本:キッカケは、PS3/Xbox 360『Fallout 3』を発売して次のタイトルを探し始めたころ、以前から交流があったTHQさんと「本格的に協力して何かやりましょうよ」と話し合ったことかな。それまでも海外の新作ゲームでおもしろい作品を探していたのですが、結果としてTHQさんの『50 Cent』に白羽の矢が立ちました。

塩見:ただ、そこからはサクサク進んでいきましたよね。海外版が2月後半に発売されていたので、あれこれ考えるよりも作ってしまおうって感じで。やっぱりゲームにも鮮度があると思いますし、何よりできる限り早く海外ゲームを日本のユーザーの皆さんに届けたいと思いましたから。

――お2人はローカライズという作業の中で、どのようなお仕事をされていたのでしょうか?

岩本:私の仕事は、ゲームの大枠からプロモーションやセールスまで、本作に関係することすべての統括ですね。細かな作業やスケジューリングなどは塩見に任せて、「スケジュール間に合うの? このクオリティで本当にいいの?」と聞く、言わば雑誌の編集長みたいな(笑)。

塩見:となると僕は実務を担当するデスク役ですか(笑)。確かに翻訳やゲーム内容に関することは、すべて僕が管理していましたね。まぁ具体的な作業内容としては、各専門スタッフに仕事を振り分けたり、スケジュールを管理したりですね。

――では、ローカライズの過程で、もっとも気を配った作業はどんな点でしょう?

岩本:んー、一概にこの作業が重要というのではなく、ステップがあると思うんですよ。翻訳もプログラムもデバッグも大切で、どれか1つが崩れると全部グチャグチャになっちゃうので。なので個人的には全部の作業に注意を払っているのですが、時間には限りがあるので“折り合いを付けるポイント”を見極めるのが大変でしたね。なのである意味、各過程を完璧にやりたいというジレンマとの戦いでもありましたね。

――なるほど。ローカライズというと、翻訳作業が一番大変そうだと感じていました。

塩見:それもありますね。『50 Cent』の場合は、登場人物がヒップホップ系の過激なスラング(隠語)を使ったりするので、同じようなセリフでも各々の性格に合わせて言葉を代えるために、翻訳担当とかなりミーティングしました。英語をそのまま翻訳すると、誰が言っても同じ日本語になっちゃいますからね。ですから50 CentとG-Unitの性格や語尾のアクセントに注意して、本人たちをうまく生かしたテキストにできるよう心がけています。アメリカの高校とかで口に出したら即退学になりそうな内容の言葉を普通に言っちゃってるので、どう日本語に直せばいいのかかなり悩みましたが(笑)。

→お2人が考える『50 Cent』の魅力とは?(2ページ目へ)

“50 Cent: Blood on the Sand” interactive game (c) 2008 THQ Inc. All rights reserved. THQ and the THQ logo are trademarks and/or registered trademarks of THQ Inc., in the U.S. and/or other countries. Developed by Swordfish Studios. The Swordfish Studios logo is a trademark of Swordfish Studios Limited. All master recordings and music videos courtesy of Shady / Aftermath / G-Unit /Interscope Records. (c) 2003-2008 Shady / Aftermath / G-Unit / InterscopeRecords. All rights reserved. GameSpy and the “Powered by GameSpy” design are trademarks of GameSpy Industries, Inc. All rights reserved. Published by ZeniMax Asia K.K. and THQ Inc. Bethesda Softworks, ZeniMax and related logos are registered trademarks or trademarks of ZeniMax Media Inc. in the U.S. and/or other countries. All rights reserved.

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データ

▼『50 Cent: Blood on the Sand』
■メーカー:ベセスダ・ソフトワークス
■対応機種:PS3/Xbox 360
■ジャンル:ACT
■発売日:2009年7月23日
■価格:各7,140円(税込)
 
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