『UO』4年ぶりの新拡張パック『ステイジアン アビス』運営インタビュー

文：電撃オンライン

　ところで運営側にいらっしゃる皆さんは、この練成スキルについて初めて聞いたときはどう思われましたか？　『UO』のゲームバランスにかなり大きな影響を与えるスキルだと、私個人は感じましたが。

丸山：実はこの練成スキルは開発元のデザイナーが、3年ほど前から実装したいと切望していたものだったのですが……本当に最初のアイディア通りに導入してきた時にはさすがにびっくりしました。テストが始まってからは、とにかくバランスには気をつけてくれ、強くなりすぎないようにしてくれと、ずぅぅっと口すっぱく伝えてきました。練成に失敗したら耐久度を半分にしたほうがいいとか、低確率で壊れることもあったほうがいいとか色々話し合いもしました。ルニックツールとの差別化も図れているので、バランスはいいところに落ち着いたと思います。

吉川：さすがに初めて練成スキルについて聞いたときは、ここにいる全員が「え？」という顔をしましたよ。ただ最初は右に左に修正を繰り返して揺れていた練成スキルも、後半は触れ幅が少なくなって、今の形になりました。

──特に『UO』というゲームでは、アイテムに好きなオプションを付与できるというのは、かなりリスキーな試みだと思いますね。拡張パック『宝珠の守人』でパラゴンモンスターが導入されて以来、プレイヤースキルこそがブリタニアで生きる最大のパワーとされてきた『UO』が、アイテムゲーになったと感じているので、それに加えて練成スキルとなると……。

IGM Jawbra：その分、誰もが練成スキルによって高品質マジックアイテムを入手できるわけですから、プレイヤー間での差はでにくくなるはずです。

──では、3つ目の神秘スキルについてお願いします。

丸山：神秘はガーゴイルにとっての魔法です。ただ、ガーゴイル専用ではない代わりに、ガーゴイルが使うと種族ボーナスがつきます。

──ちなみにどんな魔法があるんですか？

丸山：移動魔法以外は一通りあります。召還魔法や敵を眠らせるスリープ、変身、攻撃など、全部で16種類です。それと事前に魔法を宝石の中に閉じ込めておき、いつでも使えるようにもできるんです。宝石経由で魔法を使うと、秘薬は消費しますがマナコストがかからないメリットがあります。

──その宝石はベンダー販売できますか？

丸山：使えるのは本人だけですね。

IGM Jawbra：かつて大人気だったマジックワンドの代用として、おそらくPKやパワースクロール狙いの人たちに愛用されるかもしれません。過去のマジックワンドはWクリックすれば詠唱モーション無しに使えましたが、その後のアップデートで通常魔法と同じく、走りながらの使用ができなくなってしまいました。宝石は走りながらの使用が可能になります。

──それは知りませんでした……私は一時期、ロックピックGMで集めたマジックワンドを1ch1000ゴールドでベンダー販売していましたが、もう売れないわけですね。

IGM Jawbra：今はあまり売れないでしょうね……。現在、移動しながら強力な攻撃ができるのは弓だけだといえますが、『UOSA』で投擲とスペルトリガーが入れば、また戦闘スタイルが変わってくるはずです。

──新スキルが入りますが、スキル値上限700は変更なしですか？

丸山：そこも何度か話し合いましたが、今回の拡張版では700の上限にから変更はありません。1キャラで何もかもやる必要がないというのが、『UO』の特徴でもありますから。

清野：0.1ポイント刻みでどこに振るかを考えること。多様性を持たせることこそが『UO』の魅力なので、スキル値上限は変更しないほうがいいでしょうね。

──次に『UO』史上最大のダンジョン、ステイジアン　アビスについて伺います。このダンジョンの特徴はなんでしょう。

丸山：とにかく広いです（笑）。実際の内部ですが、ヒューマン/エルフサイドから入るとまず“アンダーワールド”というエリアに接します。その下に“グレイト ステイジアン アビス”という最も広い層が広がります。さらに下層部にガーゴイルの王たちの墓があり、それを抜けると“テルマー”という構成になります。人間側の入口はヒスロスのダンジョンの北にできますよ。

▲ステイジアン アビスの入口と内部の様子。

──どんな新モンスターが出るんでしょうか。

丸山：ボスモンスターとしては、3体のピアレスボス、“メデューサ”“ステイジアンドラゴン”“スラッシャーオブベイルズ”が出現します。

清野：テストセンターで遊んでいたら、いきなりピアレスボスの目の前に移動させられて、ひどい目にあいました。

──お互いオチャメないたずらをするもんですね。

吉川：スラッシャーオブベイルズはPlayStation版で発売された『ウルティマ　アンダーワールド』に出てくるボスモンスターで、次元の割れ目からたまに顔をだしては、生物を食い殺していくモンスターでして、『UOSA』ではラスボス的な扱いです。

丸山：倒すことは可能ですが、不死の存在なのでまた一定時間たつと登場します。

清野：プレイヤーが召還するという話もあります。

──倒すと何かいいレアアイテムが手に入りますか。

丸山：手に入ると思います、たぶん。何しろテストサーバでは一度も倒されてないもので（笑）。一秒間にHP500が回復するボスなんですよ。ただ、その後は調整が入って倒せるようになりました。あとはチャンピオンボス2体を追加しています。

吉川：ゴブリン同士の闘争という、アンダーワールドをプレイしていない人にはまったくわからない設定などがてんこ盛りです。古い人ほどニヤニヤできるでしょう。

▲ステイジアン アビスにはボスモンスター（左）や、ステイジアンドラゴン（右）のように強力な生き物たちが徘徊している。

　■「UOKRは失敗だった……｣（Page6）

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▼『ウルティマ オンライン』

■メーカー：エレクトロニック・アーツ

■対応機種：PC（対応OS：Windows 2000/XP）

■ジャンル：RPG（オンライン専用）

■正式サービス開始日：1997年10月17日

■プレイ料金：1,554円（税込）/月額

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