2009年9月17日(木)
アトラスから10月8日に発売される『真・女神転生(以下、メガテン)』シリーズの最新作、DS用ソフト『真・女神転生 ストレンジ・ジャーニー(以下、SJ)』に向け、電撃が誇る4人の“メガテン伝道師”が『メガテン』の魅力を語り合うスペシャル座談会! 第1回では“世界観とストーリー”に注目してお送りしたが、第2回では『メガテン』最大の魅力といっても過言ではない“悪魔”をテーマにお届け! 悪魔絵師・金子一馬氏の描く個性的な神々や悪魔についてガッツリ語っちゃいます!
ゲームランナー押野(以下、押野):『メガテン』と言えば、やっぱり悪魔ですよね。金子さんのイラストは、他のイラストレーターとは一線を画しているなぁって思いますもん。最新作の『SJ』では、過去最高の300体が収録されているみたいで、今からどんな悪魔が登場するのかワクワクしています。
まっつ:イラスト集とか画集とかもいくつも出版されてるからね。しかも、ほとんどが悪魔のみの画集だから、どんだけ悪魔を描いてきたんだって感じッス。
有部デルチ(以下、デルチ):『真・女神転生』と『II』はもちろんですけど、『デビルサマナー』と『ソウルハッカーズ』の時は、悪魔のデザインが秀逸でしたからね。実際、金子さんの個展に行ったことあるんですけど、生原画は迫力ありましたよ!
KK@:ほんと、今まで登場した悪魔を全部集めたら、300体どころじゃないんだろうなと思えるほど膨大な量の悪魔を描いているよね。また、普通のRPGの敵と違って悪魔を“仲魔”にできるもんだから愛着もハンパなく持っちゃうし。セガサターンで発売された『真・女神転生 デビルサマナー ~悪魔全書~(※1)』も飛びついて買ったよ。
全員:ああ、買いました買いました(笑)。
※1 『真・女神転生 デビルサマナー ~悪魔全書~』は、1996年に発売されたセガサターン用ソフト。ゲームではなく、『真・女神転生 デビルサマナー』に登場した悪魔のグラフィックや解説文、設定などを閲覧できるデータベースソフトだった。
押野:それだけ悪魔たちに対して愛着が深くなると、普通はとっかえひっかえしてレベルの高い悪魔に変えていくもんだけど、どうしても外せない! って悪魔も出てきますよね。ラスボスまで、そいつを連れていって、ただただ苦戦するという。
まっつ:その気持ちわかるな~(笑)。最近のシリーズは、悪魔のレベルも上げられるからなおさらッスよ。でも、レベル低い悪魔をひたすら鍛えてもスキルは成長しないから、やっぱり苦戦するんだけど。
KK@:そこで“魔法継承”ですよ。一旦レベルの高い悪魔を作って、そいつが持ってる有用なスキルをレベルの低い悪魔に引き継がせる。あの作業が、お気に入りの悪魔に愛を注いでいる感じがして、やみつきになったもんだ。
デルチ:“御魂合体”も必須ですよ。御魂を使って、ひたすらパラメータを強化して、低レベル悪魔なのに異常な能力値になってるとか。
押野:やりましたね。それと、レベルが高くなると有名な悪魔や、私でも名前を知ってる神様が出てくるのも楽しみでしたね。
KK@:当時、僕はあんまり日本の神様に詳しくなかったけど、『メガテン』のおかげで、そこそこ日本の神様を勉強できたなって気がするなぁ。スサノオとか名前は知っていたけど、神話ではどういう立ち位置で、どういうことをやった神様なのかって初めて知ったのは『メガテン』だったね。兜町が平将門の兜を埋めたっていう由来も、このゲームで知ったよ。
まっつ:『メガテン』シリーズで、実際の神話に興味を持ったって人はかなり多いと思うッス。
デルチ:ああ、自分も『メガテン』でガッツリ神話にハマったクチですよ。どの神話ということなく、片っ端から神話系の解説本とか買っていました。おかげで、家に新紀元社の本が山積みです。
押野:実際、『メガテン』がゲームユーザーに与えた影響ってすごいですよね。今まで神話などに興味がなかった人でも、神様の名前を自然と覚えるくらいにはなるでしょうし。
まっつ:神様ねぇ。『メガテン』シリーズでは、ひとくくりに“悪魔”って呼ばれてるけどね(笑)。
押野:そうですね(笑)。でも、ゲームで知った名前をゲーム以外で見た時とか、ちょっと感動しませんでした? 例えば、ガルーダ航空って言うのはガルーダっていう鳥の神様が由来なのかなって。
KK@:孫悟空も斉天大聖っていう神様なんだって、『メガテン』で初めて知ったよ。
デルチ:孫悟空っていったら、マチャアキだもんね。
まっつ:年がバレるぞ(笑)。
KK@:神話に興味を持たせたのもすごいけど、イラストのエロさも当時は結構衝撃だったよね。
押野:ネコマタなんて、なんにも着てなかった時期ありましたからね!
デルチ:『I』のルサールカも裸だったよ!
まっつ:あと、リリ系も!
KK@:リリ系?
まっつ:リリスとリリム!
KK@:ああ(笑)。そのあたりの悪魔たちは、今でも色っぽい系のママ登場するよね。『真・女神転生』のころだと、マンイーターとボディコニアンもエロかったなぁ。腰のクネクネって動きが。
押野:あれは悪魔なのか? っていう大きな疑問はありますけど。
まっつ:男を食い物にするって意味では、リアルに恐ろしい悪魔ッス!
KK@:それと、シリーズを通して一部のエンジェル系が機械っぽく描かれていたのも印象的だったなぁ。ちょっとゴツくて、ロボットみたいだから男心をくすぐられるよね。
押野:最近のエンジェルのイラストも、目隠しをしているので、神の命令には盲目的に従ってるのかな?って考えちゃいますよね。
まっつ:そのあたり、きちんといろいろな解釈を踏まえてイラストにしているのも金子さんの魅力だよね。火の神様だから炎を持ったデザインみたいにシンプルなものから、その神様の本質というか、神話や伝承でどのような意味を持っていたのかという点をちゃんと調べてからイラストにしている。それだけの情報が詰まっているからこそ、オレたちが悪魔のイラストにひかれるんだと思うんだ。
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