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2009年9月9日(水)

キューエンタテインメント、オンライン事業説明会を開催

文:電撃オンライン

 キューエンタテインメントは9月8日、“Q Online -Quest 2009-”と銘打ったオンライン事業説明会を行った。

 本発表会は2006年より本格参入したオンラインゲーム事業への取り組み、PCからモバイルまで幅広いプラットフォームへ展開すべく、各パートナー企業との連携といった話を中心に進められ、一部を除き特に大きな新タイトル発表などは行われなかった。

 冒頭のあいさつで同社の代表取締役CEO 内海州人氏は、「弊社は来月の10月で設立より6周年を迎えます。元々はセガのクリエイターであった水口哲也(現代表取締役CCO)が設立したメーカーで、ビデオゲームの開発というイメージが強いと思います。しかし3年ほど前からオンライン事業に参入。現段階では事業規模の半分以上をオンライン事業が占めています。他社との差別化を図るため、当社のオンライン事業はネットワークを通してモバイル、PC、家庭用ゲーム機などすべてのプラットフォームに対してサービスを提供しているのがユニークなところだと思っています。PCからモバイルまで広い範囲をカバーするのは当然難しくなるが、パートナーの皆様の力を借りて事業を展開していきたい」と述べた。

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▲右からSCEのSVP桐田富和氏、キューエンタテインメント代表取締役CEO 内海州人氏、同社取締役オンライン事業本部本部長 森健志氏。

■『Angel Love Online』に続き『エンジェル戦記』もPS3で配信スタート

 次に同社取締役オンライン事業本部本部長 森健志氏が、PS3での取り組みにいて解説した。PS3版MMORPG『Angel Love Online(以下、AOL)』サービス開始から間もなく1周年を迎えるが、クライアントダウンロード総数は約123,000件。直近のダウンロード数を見ても、当初ほどの勢いはないものの好調といえる数字を出しており、森氏は新型PS3の登場により、ダウンロード数は今後も伸びると予想している。アカウント登録数および同時接続者数についても、PS3版の配信開始以降はどちらもそれ以前より1.75倍を記録。プレイヤー層の割合は、PC版が男女約半々だがPS3版は9割が男性プレイヤーと明確に違いが出ている。しかし有料アイテムの購入率、金額はどちらも大きな差はなく、事業としては成功したと言えると森氏は述べた。

 続けて森氏は、この成功を元に現在PC用MORPGとしてサービスしている『エンジェル戦記』のPS3版のサービスを9月16日より開始すると発表した。ビジネスモデルはダウンロード、基本プレイともに無料でアイテム課金を予定。PC版とはインターフェースを一新し、コントローラーでもメニューが選びやすくな他、スキルショートカットをR1,R2ボタン、L2ボタンに配置可能といった変更点が加えられる。ゲームサーバは『AOL』同様にPC版とPS3版で共有となり、どちらから接続しても一緒に遊べるようになっている。

 SCEのSVP桐田富和氏はこの発表を受けて、「PS3版『AOL』はPS版でのMMORPGという新ジャンルを確立。ビジネスとしても成功を確証し、アカウント数にも貢献してくれた。毎月1回のカスタムテーマ配信や、PlayStation Home(PS Home)向けのアバターアイテム提供など、PSHomeでの独自コンテンツなどの連動があったからこそ、既存ユーザーの満足度を上げ、新規ユーザーも獲得できたのであろう。『エンジェル戦記』も含めできる限りサポートしていきたい」とコメントした。

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▲PS3版『エンジェル戦記』のプレイ画面。サークルコマンドなど、PC版にはないインタフェースを新たに取り入れている。

■世界市場をにらんだiPhone/iPod Touchアプリ配信

 最後にオンライン事業部マーケティング部部長 瀬川圭一郎氏よりiPhone/iPod Touch参入について発表が行われた。瀬川氏は「iPhone/iPod Touch向けアプリへの参入は、同時に世界に向けての発信を意味し、App Storeがオープンしてから弊社がずっと思い描いてきたことです」と述べた。

 第1弾となる製品は『LUMINES-TOUCH FUSION』で9月配信を予定。第2弾は『Q?pid FINGER PUZZLE(仮)』となる。『LUMINES』は同社が開発するパズルゲーで、過去にシリーズ作品が発売されているが完全新規のスキンを制作。OS3.0ネイティブで開発されて、アプリ内課金にも対応している。一方の『Q?pid FINGER PUZZLE(仮)』は新規オリジナル作品で、画面を指でなぞりながらパズルを解いていく。タイトルが“キューピッド”というだけあって男女での協力プレイを想定おり、瀬川氏も「気になるアノ人を誘って一緒にプレイしてみてほしい」とコメントしていた。

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▲iPhone/iPod Touchアプリの『LUMINES-TOUCH FUSION』(左)と『Q?pid FINGER PUZZLE(仮)』(右)の画面。『Q?pid』はゲーム中に二人の指がさりげなく触れるようなパズルになっている。どう使うかはアナタ次第?

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▲オンライン事業本部運営部副部長・君塚靖正氏

 この他、モバイルビジネスについては、モバゲータウン内で6月17日より配信中の本格派RPG『GUARDIAN HEARTS ONLINE』が登録数17万を突破。追加データやイベント実施を予定中である。プレイヤーからはより本格的なゲームをケータイで遊びたいという要望が強まっており、基本無料のアイテム課金というスタイルが少しずつ始まっている中、キューエンタテインメントの運営の経験値をいかして強固な協力体制をしいていきたいとのことである。

 また、同社初のブラウザゲームとなる『NikQ』についてオンライン事業本部運営部副部長・君塚靖正氏が紹介。開発を担当するバンダイナムコゲームス コンテンツ制作本部ディレクター吉村広氏との対談形式で、『NikQ』のサービス開始に至る経緯やキャラクターにネコが選ばれた理由なども語られた。


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