2009年9月27日(日)
東京ゲームショウ2009のメインステージにおいて、本日9月27日に“クリエイターズトークショウ”が開催された。
登壇したのは、『レイトン教授』シリーズなど数々の作品を手掛けるレベルファイブ代表取締役社長・日野晃博氏と、『龍が如く』シリーズでおなじみのセガCS研究開発本部長・名越稔洋氏。日本を代表する人気ゲームクリエイター2名が、次世代のゲームの姿を語った。
▲レベルファイブの日野晃博氏(写真左)とセガの名越稔洋氏(写真右)。 |
最初のテーマは“ゲームの広がりと変化”。ケータイやブラウザゲームの普及により、ゲーム端末以外での遊びが広がる現在。新規ユーザーの開拓に話がおよぶと、日野氏は『レイトン教授』シリーズが、“お母さんにも解ける”をコンセプトに既存のゲーム文法に則らない感覚的インターフェースを採用して成功した事例を披露。一方名越氏は、“お母さんに止められるゲーム”と日野氏と正反対のコンセプトを示して場内の笑いを誘いつつ、幅広いユーザーを指向するのではなく、あえて狭い層に訴求するべく開発したとコメントした。実際『龍が如く』シリーズは30代以上のユーザーが7割、50代以上のユーザーが2割という結果となり、これまでリーチしなかった層へのアプローチに成功している。
次いで“ヒット作へのこだわり”というテーマにおよぶと、日野氏は『レイトン教授』のユーザーに「超大作カジュアルゲーム」と呼ばれたことを例に挙げた。これは大型俳優の起用、携帯機としては珍しいアニメーションパートの採用など、目立つ工夫でムーブメントを仕掛けることで多くのユーザーに触ってもらうことを目指すというもの。名越氏は、ユーザーに引っ掛かるポイントをできるだけ多く作ることや、認知が高く誰もやっていないジャンルが成功の秘訣という考えから、あえて業界のタブーに挑戦する作品を制作したと、制作の裏側を語った。
また、これからのクリエイターに何を望むかを問われると、名越氏は、ユビキタスネットワークへの理解を根底に新しい遊びを作ること、自分が一番自信のあると思うジャンルをゲームにすべきと語り、日野氏は一本筋の通ったゲームを作るべきで、一つの世界を掘り下げればそれがゲームになるとした。ちなみに、話は有野さんにもおよび、いわく「一番大事なのは根気ではないでしょうか」と自身の体験をもとにその心構えを説いた。
最後に観客から“新しい物づくり”について問われると、日野氏は「毎年1本シリーズものではないタイトルを発表する」と答え、名越氏は「『龍が如く』シリーズで培ったチームワークを武器に、現在数タイトルが進行中」と現状を語り、トークショーは幕を閉じた。
▲お笑いコンビ・よゐこの有野晋哉さんもパーソナリティとして参加した。 |