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2009年10月22日(木)

アマテラスとイッスンの物語がよみがえる! Wii版『大神(おおかみ)』プレイレポ

文:kbj

 カプコンから10月15日に発売されたWii用ソフト『大神(おおかみ)』のプレイレポートを掲載する。

 こんにちは。絵本大好き、昔話大好きのkbjです。今回自分がレポートする『大神』は、2006年4月にPS2で発売されて、日本画のように描かれたグラフィックと昔話や神話を取り入れた世界観、“筆しらべ”という独創的なシステムが話題を呼んだネイチャーアドベンチャーゲームをWiiに移植したもの。『大神』自体は、話題になったソフトなので知っている人も多いのでは? しかし、知っていてもまだやったことがないという人が多いのも事実。そんな人が、少しでも気になってくれれば幸いです。ということで、Wii『大神』レビュー、はじまり~はじまり~~(昔話風に)。

■謎解きにバトルに大活躍! 筆しらべ

 本作の目的は、白い狼の姿をした主人公・アマテラスを操作して、呪われた国・ナカツクニに平和を取り戻すこと。道中では、荒れ果てた自然を取り戻したり、村に住む人々の悩みを解決したりしていくことになります。それらの過程には、さまざまな謎があるのです。たとえば、大きな岩が道をふさいでいたり、川に架かっている橋が壊れていて先に進めなかったり。これらの問題を解決するには、アマテラスが持つ“筆しらべ”と呼ばれる力を駆使する必要があります。その力は、筆で画面上に線をかくことで発動します。大地や植物に生命力を与えたり、木を切ったり、さまざまなものがあります。

 筆しらべの能力は全部で13種類。この筆しらべは、どれ1つとして不要なものはなく、謎解きや戦闘に利用します。謎解きは種類が豊富なので、怪しい場所には、いろいろな筆しらべを試してみましょう。「A・AVGが苦手で、どうすればいいのかわからない」という人も、旅のパートナーであるイッスンというキャラクターがヒントを出してくれるので安心を!

『大神(おおかみ)』 『大神(おおかみ)』 『大神(おおかみ)』
気持ちいい筆しらべの1つが、この“桜花-花咲-”。木を丸く囲めば、花咲かじいさんよろしく、枯れ木に花が!
『大神(おおかみ)』 『大神(おおかみ)』
気持ちいい筆しらべ・その2が光明。空に円を描けば、太陽が! フィールド画面よりも謎解きや後半で多様するかも。
『大神(おおかみ)』 『大神(おおかみ)』 『大神(おおかみ)』
水の上に足場を作れる“桜花-水蓮-”や花火玉を出現させる“輝玉”など、筆しらべの種類は豊富です。

 この筆しらべは、戦闘でも活躍。筆しらべを使う最中は時間が止まっているので、アクションが苦手という人も安心です。しっかり効果的な筆しらべを考えることができます。敵の弱点というのは、巻物の【妖怪絵巻物】の欄にもヒントが乗っているので、そちらを参考にしてみるのもいいでしょう。個人的な感想ですが、この敵とのバトルはすごく楽しい! ただ、ボタンを連打して倒すだけでなく、筆しらべを効果的に使って敵を倒していくのが爽快です。あまりに楽しいので、新しい筆しらべを手に入れた時には、さまざまな敵で確認しちゃいました。

『大神(おおかみ)』 『大神(おおかみ)』 『大神(おおかみ)』
手に入れた筆しらべをうまく活用すれば、敵に大ダメージを与えられます。各妖怪の紹介文をよく読めば……わかる!?

●そのグラフィックに驚く

 『大神』の魅力の1つが、グラフィック。日本画や水墨画を連想させる独特のグラフィックの美しさは、ぜひ動いているシーンをみてもらいたいです。もととなったゲームは、確かに少し前に発売されたものですが、そのよさは今でも健在だと思います。

 特に、アマテラスが大地を浄化することで起こる“大神降ろし”は必見! 今まで、呪いによって灰色一色だった世界に、草木や花が咲き乱れ、色づいていく情景はこのゲームでしか味わえません。流れるBGMがまた秀逸で、見るたびに感動で胸がいっぱいになります。

『大神(おおかみ)』 『大神(おおかみ)』
『大神(おおかみ)』 『大神(おおかみ)』
アマテラスは、“自然世界が望むこと”、“人々が望むこと”、“動物たちが望むこと”を行うことで出現する“幸玉”を使い、成長していきます。

▲どこか愛着がわくキャラクターたち

 昔話を思わすストーリーの中に、一風変わったキャラクターが多数見られるのも本作の魅力。アマテラスの前にたびたび登場するウシワカや、『舌切りスズメ』でおなじみの舌切りジジ・ババなど、日本の神話やおとぎ話に登場する人物の名前がつけられているキャラクターの姿も。

 そんな中でも、いい味を出していると感じたのはスサノオでしょう。神話ではヤマタノオロチを打ち倒した彼ですが、『大神』の中では怠け者で見栄っ張り、おまけに酒好きという、なんともダメキャラとして登場します。ところがどっこい! 物語を進めていくに従い、アマテラスやイッスンに導かれるかのように成長していき、最終的には自らと向かい合うまでになっていきます。冒険の道中には他にも感動的なストーリーやイベントがちりばめられているので、ぜひ最後までプレイしてほしいです。

『大神(おおかみ)』 『大神(おおかみ)』 『大神(おおかみ)』
スサノオだけでなく、ミカン爺やスズメ組など、どこかで見たような懐かしさを感じるキャラが多数登場。一癖も二癖もある個性的なキャラクターたちが織り成す物語も一筋縄ではいかないもののどこか憎めない!?

◆ちょっとだけマイナスな要素も……

 今回、Wiiに移植されるにあたり気になったのは、その操作性。Wiiリモコンを使い、画面に書き込めるのはすごくいい! ……んですが、Wiiリモコンでの操作に慣れるまでが大変。とくに、円や直線を描くのに苦労するかと。これからプレイするという人にアドバイスするなら、「直線を引く時は、Wiiリモコンの裏にあるBボタンを押しながら線を描け」ってことですね。Bボタンを押している間は、上下左右まっすぐしか線を引けなくなるので、一閃を使う際に重宝します。あとは、円を描く際にはヒジをテーブルなり自分のヒザなりにつけて固定すること。これによって、ぶれが激減します。加えるなら、丸は始点と終点をしっかり結ぶと反応しやすいと思います。操作に慣れてしまえば、快適に楽しむことができますのでご安心を。

『大神(おおかみ)』 『大神(おおかみ)』
『大神(おおかみ)』 『大神(おおかみ)』
Wiiリモコンでの操作は、初めは少し難しいですが、少しプレイすれば慣れます。それだけを理由にプレイしないのはもったいないです!

 マイナス点も書きましたが、いいゲームであること、個人的にイチオシであることは変わりません。まだプレイしたことがない人は、新たに生まれ変わった『大神』をぜひ遊んでもらいたいです。(DS『大神伝 ~小さき太陽~』も楽しみなkbj)

(C)CAPCOM CO., LTD. 2006, 2008 ALL RIGHTS RESERVED.
Wii development by Ready At Dawn Studios LLC.

データ

▼『大神(おおかみ)』
■メーカー:カプコン
■対応機種:Wii
■ジャンル:AVG
■発売日:2009年10月15日
■価格:3,990円(税込)
 
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