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2009年12月14日(月)

【ウィザードリィ座談会】後編 PS3版『ウィズ』は、古参ファンの目にどう映るのか

文:電撃オンライン

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■ウィザードリィやったことある人なら、マニュアル見なくても遊べる

押野:ひととおり遊んでみて、どうですか?

アクティ:シリーズの基本はしっかり押さえてますね。キャラメイクにしても、パーティ編成にしても。迷宮の1階全制覇すらできてないから断言はできませんが、ファイター2名、プリースト、シーフ、メイジ2名っていう定番のパーティで通用しそうなイメージがあります。

not:チュートリアルも必要な範囲でちゃんとあるから、初心者でも入りやすいと思う。『ウィザードリィ』を遊んだことがある人なら、マニュアルを見なくても遊べるよ。俺、これを言うためにかたくなにマニュアル読まなかったんだから(笑)。

YK3:そういうことか。まあでも本当に、基本の構造は古きよき『ウィザードリィ』だよね。入ったことのない部屋の前に立つ、ドキドキしながら扉を開ける、敵がいて戦闘する、宝箱が出る、罠を解除して宝をゲット。この一連の流れは、『ウィザードリィ』そのものだ。

not:ただ、ガッチガチのシリーズファンには、ちょっとぬるいかもしれない。俺は正直それは感じた。でもキャラクター作成とかも含めて操作はかなりしやすくなってるし、DLCっていう拡張性は魅力が高いね。

アクティ:あと、個人的にはBGMもいいと思いますけど。

YK3:それは思った。音楽は……お、伊藤賢治さんだ。スクウェア・エニックスの『ロマンシング サガ』シリーズとかで有名な人じゃない。

not:俺は音楽オフ派だからあんまり意識してなかったけど、音単体で聴いてもいいね、これ。

アクティ:まあ、グラフィックは線画、音楽は無音っていうハードコアな人はおいといてですね(笑)。これ、たぶん「こんなのは『ウィザードリィ』じゃない」っていうのは、絶対に言われるとは思うんです。特にコアなマニアからは(苦笑)。でも、それはむしろ自然なことなんじゃないですかね。

押野:と、言うと?

アクティ:前回、そして今回と話してて思ったんですが、僕の中の『ウィザードリィ』はファミコンの『ウィザードリィ』なんですよ。でも例えばYK3さんの『ウィザードリィ』ってPC版なんですよね。

YK3:そうだね。ファミコン版も遊んだけど、やっぱりPCがメイン。

アクティ:だからやっぱり、思い出も少し違うんですよ。僕はリセットとか、ディスクの強制排出とか、そういう思い出が残りようもないですもん(笑)。そんな感じで、みんなそれぞれ、『ウィザードリィ』っていうゲームの姿が違ってると思うんです。

not:それは俺も感じるね。

アクティ:だから、この作品がある特定の『ウィザードリィ』じゃないのは当然だし、だから、それは自然なことなのかなと思ったんです。

押野:20年を越える歴史を持ったシリーズならではの、印象とか解釈の違いということですね。

YK3:ベースはあくまで『ウィザードリィ』で、そこに初心者用の要素を強めに足した感じだよね、これ。それで、ゲームとして、十分におもしろい。で、おもしろいって要素は、ゲームにとって一番大事だ。

not:そうだね。これは確かに、『ウィザードリィ』そのものではないかもしれない。でも『ウィザードリィ』っていうゲーム自体の基礎構造が持っているおもしろさは、しっかりと引き継いでる。だから、初心者向けってだけでぜんぜん違うゲームかっていうとそんなことはなくて、『ウィザードリィ』っぽさをあちこちから感じる。

アクティ:新しい解釈の『ウィザードリィ』として、十分におもしろいゲームになってるんじゃないでしょうか。

■迷宮ライフをレッツ・エンジョイ!

押野:と、いうわけでさすがに“やり込む”というまでのプレイ時間はとれませんでしたが、“ウィザードリィ・マニア”にとっても『囚われし魂の迷宮』は十分に楽しめる作品となっているようです。

not:でも、やっぱりダウンロードコンテンツでの追加要素には、いろいろ期待したいぞ。

アクティ:アイテムの追加、ダンジョンの追加とかはあるみたいですけど。

YK3:いや、やはり必要なのは迷宮をワイヤーフレーム表示する機能の追加とだな……。

not:モンスターのグラフィックをapple IIc版に差し替える機能も、ぜひ導入してほしい!

押野:ダメだ、この人たち。いいから黙ってもうちょっと遊んでてください!

 以上、PS3版『囚われし魂の迷宮』を巡り、3人の『ウィザードリィ』中毒患者たちがざわめく様子をお届けしました。対談(?)中にも何度か言われていますが、本作はRPGとして十分に楽しめる作品になっているように思います。3Dダンジョンが初めてというプレイヤーであっても、オートマッピングなど便利な機能がいろいろ搭載されているので、無理なくゲーム世界に入っていけそうです。

 また、ダウンロードコンテンツとして新要素が追加されていくというシステムにも期待が膨らみます。やりこみ系のゲームには定評のあるアクワイアの作品と考えれば、この冬は『ウィザードリィ』初めてのあなたも、20年選手のあなたも、迷宮ライフをエンジョイするよい季節になるかもしれません。

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データ

▼『Wizardry 囚われし魂の迷宮』
■メーカー:アクワイア
■対応機種:PS3(ダウンロード専用)
■ジャンル:RPG
■発売日:2009年12月9日
■価格:2,000円(税込)

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