2009年12月7日(月)
――このマーボーカレーで、こだわったところを教えてもらえますか?
▲笑顔で開発秘話を話す船越さん。もちろん、言えないような話も多数あったようだ。 |
船越:かなり、いろいろな部分にこだわっています。1つは、ハウス食品はカレーを販売していますので、カレーとしてのおいしさを持っていること。これは大前提です。加えて、マーボーカレーということで、カレー感とマーボー感を期待されると思うので、どこでカレーっぽさを感じて、どこでマーボー感を感じるか。どちらも味の強い食品ですので、このバランスを取るのに苦労しました。お客様にカレー感とマーボー感を楽しんでいただき、最終的にマーボーカレーとしておいしいという味のバランスを作るとこにはこだわりました。あとは先ほども出ましたが、豆腐が具として入っていますので、それを豆腐として認識してもらえること。これに関しては製造工程の方で苦労しましたね。
――先ほどの話で「いい豆腐が見つかった」とおっしゃっていましたが、普段とは違う豆腐を使っているのですか?
山口:普段、食べているような豆腐を入れても、使えないんです。かといって、加工された豆腐を入れるとスカスカになってしまい、豆腐らしくない。レトルトに加えても形をとどめ、豆腐の食感も残るものが好ましい。我々が豆腐を作るわけではないので、いろいろなところをあたり、適したものが見つかったという形です。
船越:レトルトパウチに食品をいれて、密封して殺菌処理をするんですが、製造・殺菌の工程中につぶれてしまうんです。豆腐にかんしては、豆腐そのものだけでなく、製造方法についても工夫しました。
山口:現在の形でもつぶれてしまうのもやはりあるんですが、かなり形が残るようになりました。「何個までなら、つぶれてもいいですか!?」というやり取りが社内でありましたね。
▲苦労したという豆腐の入ったマーボーカレー。しっかりと豆腐の形が残っているのを確認できる。 |
――味について、バンダイナムコゲームスさんからオーダーはあったのでしょうか?
馬場:僕らが重要視したのは、幅広い年齢層に愛されてもらえるような味や食感にしてほしいということ。スーパーに置かれて、『テイルズ オブ』シリーズを知らない方が購入されても「おいしいね」と言っていただけるような、普遍的な味に落としこむことが大事だと思ったので、そういう方向性にしてほしいとお願いしました。
青木:味については我々が口を出すところではないと思ったので、そこはおまかせしました。
山口:逆にうちとしては、モデルがなかったんで困りましたね。たとえば「どこどこにあるこのカレー」と指定があれば、それとほとんど同様のものが作れる自信はあるんですが、このマーボーカレーはゲーム中に登場するもの。どんな味をベースにするか、イメージが固まるまで時間がかかりました。困って、途中で中華の先生に麻婆豆腐を作っていただいたりもしましたから。……でも、あれはあれで感激しましたね(笑)。
――これがきっかけで、中国料理の店や定食屋にマーボーカレーが出るきっかけになるかもしれませんよね?
青木:最初にハウス食品さんにご相談した時から、ちょっと大きなことをしたいと思っていたんです。「このマーボーカレーを日本の食文化まで発展させましょう!」と(笑)。
山口:私は私で、ちょっといろいろ仕掛けを用意したいと思っていますね。
――『テイルズ オブ グレイセス』にマーボーカレーを食べるシーンがあるようですが、あのイベントに関しては最初から予定していたんですか?
馬場:やはりなんらかのイベントに絡めて、おもしろおかしく出したいというのがあったので、いろいろ考えました。ただ、今回おもしろいのは、物語が続いているわけではないんですが、順を追って進めていくに従って、マーボーカレーが絡んでくるという。まあ、ここまでしか言えませんが。
――ええええ! もったいつけないで教えてください!
馬場:フフフ。ヒントとしては、パーティキャラ以外でキーとなるキャラがいて、各地でドタバタ騒ぎを展開していき、いろいろなイベントが起こり、そこにマーボーカレーが出てくるという。中盤くらいからイベントは始まります。
青木:実は、教えてくれないんですよ。
――そうなんですか?
青木:はい、ゲーム中にちゃんと出ることは確約してもらっているんですが、イベント内容に関してはゲームソフトが発売されてから、自分で確認するという。
馬場:チューニング中に何度か確認していますが、その度にちょっと笑えるようなイベントに仕上がっているので、ぜひお楽しみに!
――ゲームソフトの発売を楽しみにしておきます。
▲こちらが、マーボーカレーのイベントシーンの一部。パスカルの願いが現実となり、いつでも手軽に食べられるように! |
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