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2010年2月25日(木)

『CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』オリジナルノベルを第1話のみ限定掲載!!

文:電撃オンライン

 早いもので、5pb.のXbox 360用ソフト『CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』も、来月発売ですよ。1月から始まったこの特集企画も、今回で4回目です。

 今回、皆さんにお届けするのは『電撃G’sマガジン』3月号に掲載されたオリジナルノベル“リア充こんぷれっくす”! 『電撃G’sマガジン』編集部にお願いして、特別に! 第1話を皆さんにお届けできることになりました!(G's編集部GJ(グッジョブ)) ちょうど、明日発売の『電撃G’sマガジン』4月号に、オリジリナルノベルの第2話が掲載されるので、ここで第1話を読んでから、本屋さんにダッシュするのがいいんじゃないでしょうか? ちなみに、残念ながら第2話以降を電撃オンラインで掲載する予定はありませんので、続きが気になる方は『電撃G’sマガジン』4月号でぜひ!

 それでは、本作のシナリオライター・林直孝さんによるオリジナルノベル“リア充こんぷれっくす”第1話『女子同士によるスキンシップはご褒美です』のはじまりはじまり~。

『CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』オリジナルノベル第1話

『電撃G’sマガジン』3月号掲載
『CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』オリジナルノベル
リア充こんぷれっくす第1話 『女子同士によるスキンシップはご褒美です』
文:林直孝

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 脱オタっていう言葉を知ってる?

“オタクを脱する”――つまり、やめること。

 そのために必要なのは、三次元女子との触れ合いなんだ! それが、この僕――西條拓巳の導き出した結論だよ。ふひひ。

 今日は、中学生レベルの知能しかないクラスメイト女子二人が、僕に勉強を教えてほしいって言ってきた。これは絶好のチャンスだ。

 三次元女子との恋愛フラグを立てろ! そうすればリア充――リアルの生活が充実している人――になれるぞ!

 ……なんて、ひとりでドキドキしていたら、そんな僕の妄想をはるかに上回る事態が、まさに今、目の前で進行していた。

 パジャマ……だと?

 泊まり込みで勉強会……だと?

 年ごろの女子が男の部屋を訪ねてきて、自らパジャマに着替え、しかも泊まる気満々なんて不純異性交遊すぎる! だがそれがいい。

「ねえねえタク」

 ピンク色のファンシーなパジャマに身を包んだ梨深が、困った顔を僕に向けてきた。シャーペンの先で、テーブルの上に広げた数学の教科書を指し示す。

「ここ、わかんないかも。教えて?」

「ああ、ええと、ここは――」

 今教えているのは、中学で習うような内容だった。つまり、梨深はすごくおバカです。

「ほ、ほら、こうやって解くんだよ」

 ノートに解き方を書く。でも隣に座る梨深は、顔をしかめてノートを凝視したまま。

「ん~? ごめん、もう一回お願い」

「いや、だから、こうしてこう……」

 さっきと同じ数式を書いていくと、梨深はどんどん身を乗り出してきた。

 理解しようと必死なんだろうけど、ち、近いって! 集中力の法則(?)が乱れる!

「あ」

 と、梨深と僕、互いの手の甲が触れた。

 見つめ合う。

 すぐ目の前に、梨深の瞳。そして柔らかそうな唇。

 大事なだ~いじな、チュッチュチャンス!

 ここで不意打ち気味にキスをすれば、月9ドラマみたいでリア充っぽいぞ!

「こら~、そこのふたり~! なに見つめ合っちゃってるのら~!」

 そのチャンスは失われた。

 折原梢――通称こずぴぃが、僕らを見据えてブスッと頬をふくらませていた。

 幼児体型の上にタンクトップ、短パン装備という、ロリ好きにはたまらない格好に、胸が熱くなるな。

「こずぴぃを仲間外れにし~な~い~で~」

 そのさまは、どう見ても子供が駄々をこねているようにしか見えない。そして相変わらずの、イラッとさせるしゃべりかた。

 こずぴぃは今の今まで、勉強なんて飽きたと言ってソファに寝っ転がり、マンガを読んでたじゃないか。

「梨深しゃんばっかりずるいのら。こずぴぃも拓巳しゃんとイチャイチャする~♪」

 いきなり、僕の腕にすがりついてきた!

 身体が密着する。さっきシャワーを浴びたからなのか、シャンプーのいい匂いがする。クンカクンカしてもいいですか?

「折原さんも、サボってないで勉強に戻ろうよ。今度のテスト、ピンチなんでしょ?」

「うぷ~。梨深しゃんはマジメれすね~」

 唇を尖らせたこずぴぃが僕から離れる。そして代わりに、いたずらげな笑みを浮かべながら梨深に抱きついていった。

「えっ、ちょっと折原さん!?」

「梨深しゃんはおっぱい意外と大きいのら。セナしゃんとは月とすっぽんだね~♪」

 すっぽん扱いのセナしゃんカワイソス。

「やわらかくてきもちい~のら♪」

「きゃあっ、も、もみもみしないでー。なんで脱がそうとしてるの!?」

 これはけしからん! ごずぴぃGJ!

 思わずムハーッと鼻息を荒くしてしまった。

 いいぞこずぴぃ、そのままロザリオを渡して“こずぴぃのスールになるのら”と言え!

 スカートの裾はひるがえさないようにだ! いや、今は二人ともスカートはいてないけど。

 梨深は必死に抵抗してこずぴぃを引き剥がそうとするが、もみ合えばもみ合うほど梨深の着ているパジャマがズレていく。

「キャッ、ちょっと、ダメッ、下着見えちゃうからっ! タク、あっち向いててー!」

 だが断る! ガン見するに決まってるだろ、常識的に考えて。

「折原さんを止めてよぅ」

「と、止めるわけないじゃないか。二人とも思うぞんぶん、百合チュッチュをするように。ぼ、僕はそれを、優雅にコーラを飲みながら見ていることにするよ。これぞ紳士のたしなみじゃね? できれば白いガウン、ワインにシャム猫もほしいところだけど、自重するよ。ふひひ」

 梨深は身をよじらせ、かろうじてこずぴぃの手から逃れた。急いで服装の乱れを直している。

「逃げちゃだ~め~なの~」

「行け、こずぴぃ! 梨深をはずかしめるんだ!」

「ちょっと、タク~!」

 梨深の抗議の声は華麗にスルー。

「ほいじゃ、本気で行っくぽ~ん♪」

 こずぴぃが手をワキワキさせながら、突進していった。だけど梨深は、捕まる寸前でひらりと身をかわす。

「うぴっ!?」

 勢い余ったこずぴぃは、床に転がっていたいくつかのCDケースを踏んづけ、バランスをくずして、身体ごと美少女フィギュアが並べられている棚へ激突した!

「ぎゃああ! 僕の嫁たちがーっ!」

「折原さん、大丈夫!?」

「うぴぃ、痛いのら……」

「なんてことを……なんてことをーっ!」

 星来を含む僕の嫁たちが、棚から落ちて床に散乱している。胴体がまっぷたつになっていたり、関節を有り得ない方向に折り曲げてしまっていたり。まるで大量殺りくの現場だ……。

「タク、どうしたの!? 泡吹いてるよ、しっかりしてタクー!?」

 脱オタとは、なんて辛く険しい道なんだ。

 そんなことを思ったところで、僕の意識はブツンと途切れた――。

第2話は、明日発売の『電撃G’sマガジン』4月号でチェック!

(C)2008-09 5pb./Nitroplus/RED FLAGSHIP
(C)2010 5pb./Nitroplus/RED FLAGSHIP

データ

▼『CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』
■メーカー:5pb.
■対応機種:Xbox 360
■ジャンル:AVG
■発売日:2010年3月25日
■価格:通常版 6,090円(税込)/初回限定版 9,240円(税込)
 
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▼『電撃G’sマガジン』4月号
■発売日:2010年2月26日
■価格:880円(税込)
 
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