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2010年2月5日(金)

【CβT最速レポ第20回】『Valkyrie Sky』後編・プレイレポート

文:電撃オンライン

 鳥のように自由に空を飛ぶことは、人類の永遠の憧れ。古来より、人々はその夢をかなえるためさまざまな努力を続けてきた。しかし、羽を持たない生身の人間にとって、天空は遥か遠い手の届かない世界……。そんな大空を舞台に、ヴァルキリーの血を引く戦士たちの戦いを描くのがジェイシーグローバル運営による、“弾幕系”MMORPG『Valkyrie Sky(ヴァルキリー スカイ)』だ。

 本記事では、1月28日~31日の間に行われたクローズドβテスト(以下CβT)に参加した袋こ~じが、ゲーム概要と実際にプレイして得たインプレッションを紹介。シューティングゲーム(以下STG)+MMORPGという異色タイトル『Valkyrie Sky』の魅力を、5つのキーワードからお伝えしていく。きっと空に思いを馳せる読者の欲望を刺激してくれるはず。ちなみに筆者は、空を飛びたいと考えることが多い。特に原稿の締め切り前とか、ええ。

袋こ~じの気になるキーワード5段階評価 ※★…1点、☆…0.5点
しっかりSTG度 ★★★
成長の楽しみ度 ★★★☆
パーティプレイの楽しさ度 ★★★☆
どこまでRPG? 度 ★★☆
オンリーワン度 ★★★★☆


■これぞ歪みないファンタジー系縦スクロールSTG!

 前フリの通り、この『Valkyrie Sky』はMMORPGとSTGという2つの顔を持つ、実にユニークなタイトルだ。読者がもっとも知りたいのは「そもそもMMOでSTGって、どうなってるの?」という部分のはず。キャラクタークラスや基本システムについて触れる前に、まずはSTGパートについて紹介していこう。

 STGの中でもジャンルは“弾幕系”、つまり画面内に敵の弾が大量に発射され、それを避けることを主軸としたスタイルに分類される。はい、今『ドラゴンス○リット』や『フェ●オス』を思い浮かべた人は、間違いなくオッサ……もとい、年季の入ったゲーマーであろう。その解釈はあながち間違いではない。操作のレスポンスやプログラムなど、STGとしての『Valkyrie Sky』の完成度は、CβTの時点でもかなり高い。ぶっちゃけてしまうと、筆者が最初に本作のレポートの話を持ちかけられた時、「どうせSTGはオマケ程度だろう」と高をくくっていたところ、実際にプレイしてみれば予想外に硬派かつ骨太な内容で、かなり驚かされた。

『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』
▲画面は横長だが、STGパートのスクロールは縦方向。各ステージは迷宮のようで画面右上にマップが表示されるものの、ステージ進行に合わせてキャラクターの移動方向も自動的に変わるので、プレイヤーが操作する必要は特にない。▲MMORPGパートは3人称視点の3Dグラフィックス。冒険の拠点となる村では、クエストを受けたり、装備を整えたり、パーティメンバーを募集したりなど、一般的なRPG的行動が取れる。 ▲一般的なMMOで言うフィールドは、スカイフィールドと呼ばれる空の上。無数に見える光の柱のようなものが、村や警戒所になっていてここから戦闘エリア(STGパート)へ移行する。移動方法はもちろん飛行で!

 ただ、同時に“ある程度のプレイヤースキルが必要”という敷居の高さはどうしても生まれる。レベルアップして新たな装備やスキルを手に入れれば、多少楽になるとはいえ、そのためには結局STGパートを頑張ってプレイし、経験値をためるしかない。STGパートを必要としないクエストも存在するが、それだけでは成長しづらいのだ。一方であまり難易度を下げてしまうと、STGという単語に期待してきたバリバリのシューター(STG専門のゲーマー)には物足りないだろう。

 あくまで“MMOなのにSTG”というユニークさを武器に、幅広いプレイヤー層を狙うのか。それとも“本格派STG”として、ある程度難易度を上げていくのか。どちらの方向にバランスを取っていくのかは興味深いところ。ちなみに、筆者レベルのぬるゲーマーにとっては、CβTのバランスはやや本格派STGにが傾きがちに感じた。

■4人のヴァルキリーたちが画面狭しと……うわっせまっ!

 STGパートでは最大4人のパーティメンバーと、同じ戦闘エリアに突入できる(途中乱入はできないが)。パーティメンバーの人数に合わせて、若干難易度の調整が入るが、それでもソロで挑戦するよりは明らかに負担は少ない。特に高レベル向けのエリアでは、パーティプレイが必須な局面も出てくる。

 パーティメンバーのうち誰か1人でもステージクリアすれば、ライフもストックも尽きた他メンバーもクリア扱いになる。最初に降り立つ村にはパーティーを募集している人が自由に登録、閲覧できる“パーティ募集ツリー”が設置されていて、CβT期間中もテスターは積極的にパーティを組んでいたようだ。筆者もいくつかのパーティプレイを経験してみたが、「なるほど、これはただの多人数同時プレイではなく“パーティプレイ”だ」と感じられた。

 敵をただ殲滅するのではなく、味方をフォローするために敵の弾を消すスキルを使ったり、盾役が弾避けになってくれている間に、残りのメンバーがボスだけを集中攻撃をしたり……と、種族とクラスによる役割分担が分かりやすい。もっとも、クラス指定でメンバー募集などはできないので、いざステージが開始したら同じクラスが4人集まっちゃいました! なんてこともあるのだが。

『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』
▲パーティ募集ツリーでは、メンバー募集中のパーティ一覧が見られる。気に入ったパーティに空きがあればクリックだけで、すぐに加入できる。▲自分の攻撃が届かない範囲も仲間がフォロー。特に剣士がいる編成では、「オレが敵を引き付けてるうちに!」とRPG的な熱いノリの展開が楽しい。まぁ、戦いながらチャットをする余裕はないが。

 と……STGというジャンルにしては、とても珍しい多人数プレイは楽しいが、マイナス面がないわけでもない。高レベルのクエストになるほどパーティメンバー同士のフォローが重要なだけに、そんなにテクニックがないプレイヤーが混ざっていた場合、足を引っ張りステージ途中で全滅なんてことになると、やはり気まずい。個々のプレイヤーの腕前が結果に直結するだけに、「下手な人お断り」「身内プレイのみ」の空気が今後、生まれる可能性が高いのだ。

 また、アイテム集めは明らかにソロプレイの方が効率はいい。パーティプレイの場合クエスト専用アイテムは全員に配布されるのでまだよいが、素材などの通常アイテムはランダム配布になっている。正式サービス以降のことを考えると、もう少しパーティプレイ自体に、経験値ボーナスなどのメリットがほしい。

 これはやや蛇足だが、先述のSTG大好きなシューターはストイックな人が多く、ソロや少人数プレイにこだわりがちな点も見逃せない。ちなみに筆者が感じたパーティプレイ最大の難点は、戦闘中にマイキャラを見失うこと……。ただ、オプションで自分以外のキャラクターの名前を消したり、透過にさせたりなどの設定もあるので、これは単に筆者の集中力の問題か?

『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』
▲プレイヤーのHPはライフ+ストックで表示される。左下の“LIFE”がライフゲージ、ハートマークがストックを意味する。レベルアップ時にSTRにボーナスを振ったり、高レベルの装備を身に着けると量が増えていく。▲クラスごとに通常ショット&最大4種類のアクティブスキルを使い分けられる。スキルごとにクールタイムが設けられているため、むやみに撃ってはいけない。▲1つの拠点には推奨レベルの違う複数のサブエリアがあり、1エリアにつき5ステージで構成されている。1ステージクリアごとにインターバルが設けられ、ライフとストックが回復。サブエリアをクリアすると、次の拠点や別のサブエリアへ侵入可能に。
『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』
▲ステージ3とステージ5にボスが出現、”弾幕系”の本領発揮か。中級以上ではかなりシビアな弾避けテクを要求される。ちなみにプレイヤーへの当たり判定は、中心の光っている部分のみで、かなり小さい。▲左側名前表示はスコア順でリアルタイムで入れ替わるため、スコア稼ぎ派のプレイヤーは我先と敵を倒していく。そんなライバル心むき出しのプレイも、同じ目的に向かいつつも、仲間と競いあえる『Valkyrie Sky』ならではといえる。

■プレイヤーごとのカスタマイズが楽しそう!? な独自の成長システム

 さて、ここからは改めて各クラスの機体(?)性能と成長システムについて説明しよう。プレイヤーは剣士、召喚師、魔術師、弓使いの4種族×3クラスの全12タイプから、キャラクター作成時にどれか1つを選ぶことになる。同系統のクラスであれば基本ショットは共通で習得し、各4種類ずつあるアクティブスキルが異なる。例えば剣士の場合、どのクラスでも敵の弾幕を近接攻撃で打ち消せるという主な特徴を持ち、その中でさらに防衛特化の“ディフェンダー”、範囲攻撃特化の“ナイト”のように習得スキルの傾向が分かれている。

 最初はアクティブスキルを何も覚えていないが、レベルアップ時に増える“JP”なるポイントを消費して新スキルを覚えたり、既存スキルの強化が図れる。さらにレベル15以降は、ステータス条件を満たした上でゲーム内通貨“Gran”を支払えば、同系統内のクラスチェンジが可能。以前のスキルも新しいクラスで使えるため(強化は不可)、プレイヤーの育成方針次第で、何通りもの組み合わせが生まれるだろう。

 もう1つおもしろいのが、パシッブスキル発動の仕組みだ。スキルテーブルと呼ばれる画面のスロットに、2つ以上の修得済みスキルをセットすると特定のパッシブスキル効果が得られるのだ。文章では分かりづらいと思うので、詳しくは下の写真を見て欲しい。これも他クラスのスキル同士でさらに新しい効果が得られるため、上記のクラスチェンジを活用すれば、さらなる能力強化もできるわけだ。ただ、分かりづらいシステムだったせいか、スキルテーブルの存在に気がついていないプレイヤーも多かった。

『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』
▲アクティブスキルは、レベルアップすると使用回数が増え、最大使用回数まで強化するとスキルレベルが上がる。また、使用すればするほど熟練度があがる。▲スキルテーブルの四隅にあるスロットにスキルをドラッグ&ドロップ。オセロのようにはさめば、その直線上にあるパッシブスキルがセットされる。
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▲パッシブスキルは地味だが、その効果は絶大! 例えばディフェンダーなら、連続攻撃の4回目の軌跡が大きくなり、敵の弾をかき消しやすくなる。▲VPというパラメータがマックスになると、職業ごとに異なる必殺技を出せる。VPは敵を倒すか、スペースキーを押し続けると自動的にたまるが、その間は一切ほかの行動ができない。▲クラスチェンジ画面。条件さえ満たしていれば、非戦闘中ならいつでも可能。????が2つあることから、今後クラスが追加される可能性は大いにありそう。

●剣士(ファイター/ナイト/ディフェンダー)
 通常ショットは剣で前方を切り払う。範囲は狭いが攻撃力が高く、敵の弾を打ち消すことも可能だ。その特性から盾/壁役としてパーティプレイでは必須の存在。ほかの職業が攻撃に専念できるように守るのが役目となる。ソロプレイでも生存率は高いが、遠くの敵を攻撃する手段に乏しいため、逃してしまうことが多い(スコアが伸びにくい)。敵に接近しすぎて自爆も……。

『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』
▲攻撃面はいまひとつだが、敵の弾を消す結界を作るスキル・クリップルバリアなど防御面はカンペキのディフェンダー。パーティでは奉仕職になりそうな予感。

●召喚師(サモナー/コンジュラー/テイマー)
 通常ショットは召喚獣が勝手に手近な敵を攻撃するので、プレイヤー自身が動かずとも敵を倒せるのが強み。時間はかかるが、ボス戦などでも通常ショットを当てっぱなしにして、本体は弾避けに専念できるのでソロプレイ適正も高い。召喚獣が敵を追っている時、別の敵に接近されると本体が無防備になるリスクあり。

『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』
▲通常ショットボタン押しっぱなしでも、なんとかなる召喚士。サモナーのデスラインは、複数の召喚獣が本体の周りをぐるぐる回る攻防一体のスキル。

●魔術師(メイジ/ソーサラー/ウィザード)
 通常ショットは、連射は効かないが速度が速く、複数ターゲットが可能。多数の敵をうまくロックオンできれば一気に倒す爽快感が得られる。その反面、ロックオンの感知範囲が意外と狭く、同時に複数の敵を狙おうとすると攻撃をしない時間が生まれるので、そのフォローをどうするかがカギ。

『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』
▲ロックオン~同時射出! のプロセスが好きな人にはたまらない魔術師。ウィザードのメテオは、まさに魔法という感じの派手なエフェクト。

●弓使い(アーチャー/ハンター/レンジャー)
 連射速度の速い弾を前方に向けてまっすぐ撃ち出す通常ショットは、クセがないため扱いやすく、STG初心者にもオススメ。ソロでもパーティでも活躍でき、特に速射を活かした一点集中攻撃はボス戦などで真価を発揮する。強いて難点を挙げるとすれば、スタンダードすぎるゆえの飽きやすさ……か!?

『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』
▲本作で唯一、前に弾を撃ち出せる狩人。ショットボタン押しっぱなしで、最速の連射も可能だ。レンジャーのフェニックスアローなど、特殊ショットも用途ごとに使いやすいものが多い。

■『Valkyrie Sky』はSTG+RPGか? それともRPG+STGか!? 

 いまさらだが本タイトルはRPGパートがMMO、STGパートはMOというシステム。メインとなるのはSTGパートだが、RPGパートの拠点となる村はただのロビー代わり、というわけではない。広くはないが武器/防具を購入できる商人や、武器の修理と強化、合成を行える鍛冶屋、ユーザー間取引ができるオークションなど、一般的な施設はひと通りそろっている。また、村のあちこちにいるNPCからはレベルに応じたクエストが受諾でき、その内容はほとんどがモンスター討伐かアイテム収集になる。クリア時の報酬としてもらえる経験値がわりと多いので、あらかじめクエストを受けてからSTGパートへ、という流れを作れば効率良く経験値を稼げそうだ。

『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』
▲アイテムのお値段は、装備可能レベルで考えると良心的。ただ、品揃えがゲーム内の1日でコロコロと変わるうえ、販売数にも上限あるらしく時々売り切れていた。欲しいものが買えるかが運頼みなのは、ユニークと言えなくもないがちょっと難あり。▲出品者が決めた期限内に、一番高値を付けた人が落札できる本格的なオークションシステム。即決価格が決められているものは、その価格を支払えばすぐ落札可能だ。
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▲装備品の強化は鍛冶屋でできる。強化したい武器とステータスを選ぶと、必要な素材と手数料が示される。素材は、戦闘中のほか、装備分解(1クリックでできる)で入手、NPC販売など比較的簡単に手に入る。▲合成は必要な素材と手数料を持ち込むだけだが、NPC商店の品揃えと同じく、合成できるアイテムが1日ごとにランダムで変わる。運が良ければレアなアイテムの合成を依頼することも……。▲クエストはほとんどが討伐系なので、出かける前にオファーリストをチェック。なお、クエストオファーのNPCは黄色の“!”、クエスト完了報告待ちのNPCは“?”が頭上にあるので一目瞭然。

■時にはのんびり釣りと料理で休息タイムを

 STGパートで遊ぶと、キャラクターは各ステージごとに設定された“スタミナ”を消費する。このスタミナはリアルタイムで1日1回完全回復するほか、ゲーム内の夜間に自然回復していくが、回復量が少なく延々と戦闘を続けることはそのままでは不可能だ。特に夜間戦闘を行うと、スタミナの減り具合は大きい。

 そこで必要なのが、“ライフスキル”と呼ばれる直接戦闘とは関係ないスキル。ライフスキルには釣り、料理、音楽の3種類があり、それぞれ回復量も回復のプロセスも違う。

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●釣り
 釣り場がある特定の村でのみ可能。竿と餌(消費アイテム)を装備して、釣り開始ボタンをクリックするだけでOK。ウキが引いたら左クリックすれば吊り上げられるが、大物が掛かった場合のみ、ちょっとしたマウス操作によるミニゲームが必要に。釣りをしているあいだは、昼夜問わず少しずつスタミナが回復していく。なお、定期的に釣り大会がシステム側で催されており、ランキングなどもある。

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●料理  釣りあげた魚に素材をもう1種類加えて、開始ボタン押せば自動で料理をしてくれる。こちらも美味しくでき上がりそうなときは、ミニゲームクリアが必要。完成した料理はアイテム欄から食べるとスタミナ回復。中には回復量の大きいレシピもある(スタミナ以外のパラメータが変動するものもあり)。即効性があるため、オークションで取引されることもあった人気アイテムだ。

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●音楽
 戦闘中とスカイフィールド以外の場所なら、楽器と楽譜(消費アイテム)を装備して演奏が可能。演奏中は、一定時間ごとにスタミナがわずかに回復する。さらに高スキル用の楽器や楽譜を使用すると効果が上がる。演奏者以外のプレイヤーも、演奏者が定めた料金を10秒ごとに支払うことでスタミナを回復でき、聴衆のほうが回復量が多いようだ。夜になると皆こぞって演奏を始めるのが、この世界の慣習のようだ。

 この中で一番即効性があるのは釣りだが、それでも通常よりも数回多くSTGパートがプレイできる程度。本タイトルに限らず、最近は長時間プレイができないようなシステムが採用されたゲームがずいぶん増えた。プレイヤーの健康を気づかう運営の優しさなのか、コンテンツ消費速度を抑えるためなのか……あえて問わないのが大人のマナーである。

■独自路線という意味では他の追随を許さない……が

 2010年を迎えても新規MMORPGのタイトル数が一向に減らない中、今回紹介した『Valkyrie Sky』は、その独自なシステムで世のオンラインゲーマーに強烈なインパクトを与えることには、間違いなく成功した。CβTということで、まだまだ未実装や未調整な部分も多いが、すでに海外サーバでは正式サービスが始まっている作品だけに、日本向けのローカライズを含めできるだけ早い調整に期待したい。

 筆者が一番気になったのはアバター性の乏しさだ。性別や見た目がクラス固定で、装備などによる外見の変化も数種類しかなく、効率を求めると最終的には全員が同じ格好になってしまう。ここはぜひとも、日本独自の仕様変更になるとしてもテコ入れして欲しい部分だ。

 また、CβT中はゲームパッドの設定ができず、一部のプレイヤーは外部ソフトウェアによるキー割り当てを利用して、パッドを使っていたようだ。オープンβテストでゲームパッドに対応する予定だが、これは最初から対応しておいてほしかった。

 多少辛口のレポートになってしまったが、基本的なクオリティが高さゆえの期待の大きさだと思ってほしい。確実にオンリーワンのゲームになる素質を持った作品ではあるので、興味を持った人は2月中旬に始まるというオープンβに参加しよう。

『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』
▲STGパートで、画面端のステータスウィンドウ近くにキャラクターが移動すると、ウィンドウがスーッと画面外へ退避する。こんな細かいこだわりも好印象。 ▲ペット要素もあるらしいが、適正レベルになってもクエストが発生しなかった。CβTでは未実装か?
『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』 『Valkyrie Sky』
▲ゲーム内通貨を使うミニゲーム“ルーンスロット”もCβTでは未確認。ゲーム内のTIPSとしてはアナウンスが流れてたいたが……。▲フレンド関連も独特で、フレンドと遊べば遊ぶほどポイント(CP)が溜まり、そのポイントを使用してギルドなどが開設できる。▲CβT最終日、サーバーダウン直前の裸祭りの図。GM(画面中央の赤い髪のキャラクター)を、装備を外した一般プレイヤーが囲む、囲む。もちろん、今後続くオープンβへの叱咤激励の意だ。
【袋こ~じ(ライター)/プロフィール】
  “永遠の中ニ病”と言ってはばからない、人生の袋小路っぷりが素敵なゲームライター。Myフェイバリット ジャンルは格闘ゲーム。反射神経の衰えを感じつつ、ゲームセンターで若者たちにボコボコにされる日々。MMORPG歴は意外に古く『ウルティマオンライン』の時代から今に至るまで、さまざまなゲームを渡り歩いている。

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データ

▼『Valkyrie Sky』
■メーカー:ジェイシーグローバル
■開発:Yolim Communication
■対応機種:PC(対応OS:WindowsXP/Vista/7)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■正式サービス開始日:未定
■プレイ料金:無料(アイテム課金)

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