2010年2月15日(月)
――少し話題は変わりますが、これまでに何本ぐらい作品を書かれているんですか?
榎木津先生:きちんと完結させた長編は10本ぐらいですね。いろいろな新人賞に応募していたので……。
――今回の応募が何度目になるんですか?
榎木津先生:1度落ちた作品を推敲して送り直したりもしていたので……合計何度目かというのは、ちょっと覚えていないです。
――何歳ぐらいから小説を書いているんですか?
榎木津先生:初めて書いたのが18歳の時でした。その時は電撃大賞とは別の新人賞に送って、僕としては自信満々だったんですけど、一次で落ちてそれはもうショックを受けました。
――その時はどんな作品を書かれたんですか?
榎木津先生:今思い出すと恥ずかしい……剣と魔法のファンタジーです。
――王道ですね。今21歳ということでしたが、3年で10本ぐらいとなると、かなりハイペースで書かれていますよね。
榎木津先生:すべての作品を同じペースで書き上げたわけではないのですが、平均して3ヵ月に1本ぐらいのペースで書いていましたね。
――他にどんなジャンルの作品を書かれるんですか?
榎木津先生:ジャンルは問わず、いろいろなモノを書きました。ただハードなファンタジーやミステリ、SFって、専門知識が必要じゃないですか。僕はまだまだ勉強不足なので、今回の作品については、その中で一番勝負できるのはギャグやコメディかなといった思いもありました。
――具体的に書いてみたいジャンルはありますか?
榎木津先生:やっぱりゆくゆくはファンタジーもやりたいし、ミステリも、巨大ロボットも……と夢はあるのですが……。この作品をやり遂げたら、願わくばいろいろなジャンルの作品を出したいです。そのための技術や知識を、これからも勉強していこうと思います。
――この作品の続編について可能な範囲で教えてもらえますか?
榎木津先生:続刊が出たらいろいろなメイドさんが出てくると思います。
――イラストはもうご覧になりましたか?(※インタビューを行った時点では、イラストを含め本はまだ制作中の段階)
榎木津先生:カバーは見せてもらいました。
――絵になったメイドさまを見て、いかがでしたか?
榎木津先生:いいですね。萌えな感じで。双龍先生のイラストは素晴らしいです。
――頭でイメージしていたものと比べてどうでした?
榎木津先生:少年マンガ風の絵のようなものをイメージしていたので、イラストラフを見た時は「こうくるか」と思いましたが、作風を考えたら当然こうきますよね(笑)。でも実際完成イラストを見せてもらったら、とても気に入ってしまいました。
――先生自身が挿絵で見たいシーンなどはありますか?
榎木津先生:エロシーンと萌えシーンは絵があった方がいいかもしれませんね。お風呂場のシーンとか階段のシーンとか、どちらもおバカエロなシーンなのですが(笑)。
――階段でもHなシーンがあるんですね(笑)。作中で気に入っているシーンはどこですか?
榎木津先生:今お話しした階段のシーンと……あとはラストのバトルですね。
――あれは熱いですよね!
榎木津先生:バトルが好きなんですよ。もっとバトルを入れたいんですけど、編集さんから抑えて抑えてと言われます(笑)。あくまでラブコメなので、そちらが主体なのですが、バトルも入れていきたいですね。
――作中に登場する用語の当て字もすごいですよね。
榎木津先生:『男塾』のようなノリだと言われました。
――カワイイ『男塾』といった感じでしょうか(笑)。
榎木津先生:『男塾』ファンの方に怒られてしまいますけどね(笑)。
――“M4(メイド四天王)”が1人出てきますが、他の3人は決まっているのですか?
榎木津先生:一応決まっています。応募原稿って1巻で完結するようにしないといけないじゃないですか。でも僕はそれを最終巻まで妄想してしまうタイプなので……。ネタはあるんです。
――まだまだ先は長いということですね。
榎木津先生:最後まで出せるように頑張りたいです。
――ペンネームの由来について教えてもらえますか。
榎木津先生:あまり考えないで付けました(笑)。苗字は、尊敬している人の中で“榎木津”という苗字の方が多かったので。名前については特に理由はないですね。
――受賞後の校正作業はいかがでしたか?
榎木津先生:いくつかシーンを書き直したところはあったのですが、大幅な変更はないですね。ヒロインが主人公を好きになった理由が少しギャグっぽかったので、そこをちょっと修正しました。
――荒木さんの方から、作品についてのエピソードなどありましたら教えてもらえますか?
荒木編集:榎木津先生には秘密にしていたのですが、実は校閲作業(※文章に誤りがないかなどをチェックし、修正する仕事)をお願いした方から、「おもしろかったです」と感想を書いた紙がついていたんですよ。
榎木津先生:え、本当ですか? 校閲作業をされる方ってご年配の方が多いんじゃないですか?
荒木編集:今回お願いした方は若い女性の校閲さんでした。私、今まで何冊も本を作ってきましたけど、校閲さんから感想を言われたのは初めてだったので少し驚きましたね。
――若い女性でも楽しめるということですね。
榎木津先生:そこまで評価されるとは思いませんでした。うれしいですね。
荒木編集:選考段階で、女子が読んだ時にどうなんだろうといった話もあったのですが、女性の私が読んで笑っちゃうぐらいおもしろかったので、大丈夫だと言いました。
榎木津先生:正直、女性は引くだろうなと思って書いていたんです。中高生のメイドさん好きの読者にウケればいいかなーと思って……。
荒木編集:エッチなシーンもさわやかで(笑)、パワーがある作品だったので楽しく読めましたよ。どなたでも楽しんでいただける作品だと思いますので、読者の皆さんにもぜひ読んでいただきたいです。
――では最後に、先生から読者に向けて一言メッセージをお願いします。
榎木津先生:小難しく考えなくても楽しめるような明るい作品を目指しました。ヒマな時にでもパラパラと読んでいただいて、笑ってもらえたらうれしいです。
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